SPEC Physical Performance Academyの平澤です。
【「オスグッド」と「成長」の考え方②】
SPEC Physical Performance Academyの平澤です。
成長期のアスリートの来店理由として多い「オスグッド」。
成長痛といわれていますが、「体の使い方」が原因であり「成長」が原因ではないというお話をしました。
「オスグッド」と「成長」の考え方①
さらに詳しく説明するために、一般的にみなさまがイメージしている内容を分かりやすくまとめてあるOMURONのサイトからオスグッドの説明を引用し、SPECに基づいた解釈をしてみたいと思います。
『太ももの前にある大腿四頭筋(だいたいしとうきん)は、膝の曲げ伸ばしをするときに重要な役割を担っています。オスグッドは、この大腿四頭筋の使いすぎや柔軟性の低下をきっかけに症状が出るケースがほとんどです。』
初期評価時の所見では、確かにその通りだと思います。
ですので、「太ももの前のストレッチ」が推奨されるのですが、実際の現場ではそれだけでは難しいことが多く、痛くてできないというのが実状です。
大切なのは、”なぜ太ももの前を使いすぎるような体の使い方になっているのか”を解決することです。
そうしないと動くとすぐに戻ってしまいます。
したがって、この説明文を読んだ時の解釈としては、
×ももの前が硬いから伸ばした方が良い
〇ももの前が硬くなってしまう全身の使い方を解決する必要がある
となります。
『子どもの骨は、やわらかい骨から硬い骨へと成長する過程にあり、どうしても不安定な状態です。また、骨の成長スピードに対して筋肉や腱の成長が追いつかず、アンバランスな筋骨格構造になっています。』
これもその通りだと思います。
「なるほど、だから成長痛なのか。それじゃあしょうがない」となりそうですが、そうではありません。
確かに組織も不安定で形態的にも大きく変化するので、体の使い方もズレやすくなります。
しかしここにもう少し補足が必要です。
『骨の成長スピードに対して筋肉や腱の成長が追いつかず』ではなく、『骨の成長スピードに対して筋肉や腱の成長が”追いついている”ところと”追いついていない”ところの差が生まれて』というのが本来です。
つまり、「ちゃんと追いついていっているところもある」という視点が大事です。
ということは、適切なアプローチをすれば成長に追い付いていない組織も、同様に柔軟性や長さを取り戻していけるということです。
そうすれば痛みの無い他の成長期の選手と同じように元気に動けるようになるのです。
したがって、この説明文を読んだ時の解釈としては、
×成長期だからしょうがない
〇硬い部分を解消してバランスが整えば、成長期であっても痛みが無くなる
となります。
とはいえ、成長期は体が不安定であり使い方もズレやすくなるので、オスグッドが起こりやすくなる要因であることは事実です。なので成長期によくみられる症状なのだと思います。
ですが成長期の選手がみんなオスグッドになるわけでもなく、片足の場合もあることを考えると直接的な原因とは考えにくいのです。
つまり、「オスグッド」と「成長」の考え方は、
成長はオスグッドの要因ではあるが、原因ではない
ということです。
SPECに限らず、オスグッドに対して適切なアプローチをしてくれるところはたくさんあります。
それぞれのやり方も違うでしょうし、状態や原因によって症状がなくなる期間もまちまちかもしれません。
ですがそんなことより、選手が元気にプレーできるようになることが一番大切なことです。
そういうところでちゃんとケアを受けるということが前提ですが、オスグッドは「成長期だからしょうがない」「2、3か月休みましょう」といったような質の症状ではないのです。
SPEC Physical Performance Academyの平澤でした。
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