電話会議システム | 法律税務研究会ブログ

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 私は大阪の弁護士なので大阪近辺の裁判所の事件を受任することが多いですが、遠方の裁判所の事件を受任することもあります。では、遠方の裁判所の事件を受任した場合に、裁判の期日があるたびに毎回裁判所に出頭するのかというと必ずしもそういうわけではありません。

 民事訴訟法170条3項は、「裁判所は、当事者が遠隔の地に居住しているときその他相当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、最高裁判所規則で定めるところにより、裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって、弁論準備手続の期日における手続を行うことができる。ただし、当事者の一方がその期日に出頭した場合に限る。」と定めています。

つまり、当事者が遠隔地に居住している場合や訴訟代理人の事務所が遠隔地にある場合には、弁論準備手続という期日において、裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をする「電話会議システム」を利用できる場合があり、それを利用すれば裁判所に出頭せずに済みます。

電話会議システムでは裁判所に出向かずに事務所から音声だけでやりとりすることになるので、現場の雰囲気がわかりにくいというデメリットもあります。なので、現場の雰囲気を確認したいような大事な場面では実際に裁判所に出頭すべきですが、状況に応じて電話会議システムをうまく利用すれば時間等の節約ができ、とても便利です。

 このように遠方の裁判で便利な電話会議システムがあるものの、日本は諸外国に比べて裁判手続のIT化が遅れているようです。そこで、日本の政府の「未来投資戦略2017」において、「迅速かつ効率的な裁判の実現を図るため、諸外国の状況も踏まえ、裁判における手続保障や情報セキュリティ面を含む総合的な観点から、関係機関等の協力を得て利用者目線で裁判に係る手続等のIT化を推進する方策について速やかに検討」するとされ、日本の裁判手続についてもIT化が検討されています。電話会議システムが時代遅れの制度になる日が近いのかもしれません。

(清水 諒:弁護士)