『Colours』はゴールではなくスタート | ラフラフ日記

ラフラフ日記

主に音楽について書いてます。

日本人が大物外人ミュージシャンまたはプロデューサーと組むということについて考えてみた。

平井堅がベイビーフェイス、安室奈美恵が TLC、宇多田ヒカルがティンバランド、PUFFY がアヴリル・ラヴィーン&ブッチ・ウォーカー、最近では、SEKAI NO OWARI がニッキー・ロメロ、Perfume がディミトリ・ヴェガス&ライク・マイク………今も昔も他にもたくさん、書き切れないくらいあるだろう。

浜崎あゆみの最新作『Colours』には、レッドワン、ロドニー・ジャーキンス、アーミン・ヴァン・ブーレン、フェデ・ル・グランドという海外プロデューサーが参加している。

Colours (CD+DVD)/浜崎あゆみ


最初に挙げた例を見ると、自身の音楽性の延長線上にあるような人と組むことが多いのだろうか。新たな挑戦というより、本場に通用するか!?みたいな意図が強いのだろうか。

一方の浜崎あゆみは、「ええ?あゆとレッドワン?ロドニー・ジャーキンス?」という意外な感じがする気がする。浜崎あゆみをレディー・ガガと比較する人もいるので、意外に思わない人もいるかも知れないが。
アーミン・ヴァン・ブーレンとフェデ・ル・グランドは、あゆはリミックスやトランスも出しているし、アーミンとは去年の『UMF KOREA』でプレゼンターとして共演しているし、そんなに意外ではなかったかも知れない。あゆはロック色も強いから、方向転換に思った人もいるかも知れないけど。
(ああ、あゆってわかりにくい)

いずれにせよ、浜崎あゆみの『Colours』には、「ゴール」ではなく「スタート」を感じた。
本場に通用するか!?という、言ってしまえば「洋楽になる」ことを目指しているのではなく、かといってその逆で「邦楽に戻る」ことを促しているのでもなく、もっと何かこう、「その先」を見つめているような。

それは浜崎あゆみが自分と違う音楽性の人を選んだからだ!ということかも知れないけど、それならばその選択に意志があったわけで。でも、じゃあ、浜崎あゆみが自身の音楽性の延長線上にあるような人を選ぶとしたら、それは一体誰なのだろうと考えてみると、私はわからなくなってしまった。

よく言われるマドンナ? いやーーー、あゆはマドンナ大好きだろうけど、コラボとなると?
これまたあゆが好きなスマパン? いや、うーーーん。
もはや海外ではなく、ユーミン? 桑田さん? いや、小室さん?
どれもそうであってそうでないような気がする。

小室さんとは一緒にやったけど、あれも「ゴール」ではなく、「通過点」と感じたからなぁ。

それともいまだに、浜崎あゆみは、あの人のパチもん、あの人のパクリ、という認識で止まってしまっているのだろうか。

浜崎あゆみの延長線上にあるのが誰だかわからないということは、音楽的ルーツがわかりにくいということでもあり、そういうところが音楽ファンから疎まれる原因かも知れないが、ルーツに無頓着な音楽ではないと思うし、そこにオリジナリティーがあると思うんだが…。

きっかけは「本場に通用するか!?」でも「新境地開拓!!」でもなんでもいい。
「その先」の景色を見てみたいと思ってしまう。

『Colours』には、「これが浜崎あゆみ?」というのと「これが浜崎あゆみだ!」というのと両方感じるなぁ。


前にもチラリと書いた、浜崎あゆみの作品を多く手がけている CMJK 氏が、最近、SMAP やドリカムの作品を手がけているが、浜崎あゆみの作品では見ないなぁと思っていたら、二年以上前だが、CMJK 氏がこんなことを語っていた。

- cmjk - ザ・インタビューズ
「>一連のJ-POPに関する発言を読んで思ったんですがこれまで仕事をしてきたJ-POP~」

http://theinterviews.jp/cmjk/3613895

あゆの今回のような作品こそ、CMJK さんの出番!って思ったし、CMJK さんだったらどうなってたんだろうと思うし、さみしくも感じていたけど、これを読んだら、なんだかものすごく納得すると同時に、くすぐったいような、誇らしいような、そんな気持ちになってしまった。

「ここ10数年で最も数多く時間も長くお仕事させて頂いたのは
 みなさんもよくご存知かとは思いますが浜崎あゆみ女史です。

 彼女が世界で一番、こういう曲はCMJKは得意、こういう曲は苦手、
 というのを把握していると思います(苦笑)」


もうこの言葉だけで十分というか。泣くわ。

「10年間あゆちゃんに甘えてたんじゃないか」

そして、浜崎あゆみも今、新たな「スタート」を切ったんだ。

******

『Colours』の中身については書けなかったけど、また何回も書けばいいかということで、今回はこれで終わりにしたいと思います。あまり長くてもいけないなと最近反省しているのです(笑)。

そうそう、電気グルーヴの結成25周年記念ツアー「塗糞祭」に、初期メンバーである CMJK さんも全公演参加されるそうですね!