災害 | 中華の足跡・改

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ニュースによると、26日午前、中国で地震が発生した。
震源地は江西省の九江市付近で、マグニチュードは5.7。
湖北省、湖南省、浙江省、安徽省でも揺れが観測されたそうだ。
8000人以上の負傷と14人の死亡が確認されたという。


地震大国である日本に対し、中国ではほとんど地震が発生しない。
これはもう、地科学的な問題だから仕方がない。
ごくまれに中国でも地震が起こるようだが、ほとんどの中国人は地震を体験したことがないのだ。
小さい地震なら慣れきっている日本人としては、初めて「大地が揺れる」という現象を体験したときの恐怖感は量りがたい。
もっとも、俺自身いわゆる「大震災」を体験したことはないから、あまりえらそうなことをいえたクチじゃないのだが。


ただ。
ちょうど今、日本では耐震構造の偽造問題が非常にホットなニュースとなっているが、それはつまり地震の発生を大前提として建築が行われていることの証左でもある。


だが、基本的に中国の建物は、地震災害を想定していない。
農村ではなおさらである。
レンガ造りの建物というのは、地震に対しては非常に脆いところがあるのだ。
今回の地震で倒壊した建物は8900棟にのぼるといわれている。


香港に行ったときに驚いたのが、この地震対策完全無視のビル設計だった。
香港という土地は、決して広くない上に、山も多い。
自然、活用できる土地が限られてくるのだが、なんとか有効活用をはかろうと、高層ビルが多い。
それも、山の斜面に容赦なく高層ビルやマンションを建てる。
見た目からして、危ないことこのうえない。
あそこを大地震が襲ったら、とんでもないことになるんじゃないか――と、思った。
もっとも、素人目にそう見えるだけで、実は専門的な耐震技術が使われている可能性もあるのだが・・・。


さて、この地震については、日本ではあまり大きくはとりあげられていないので、詳しい状況はわからない。
現地の様子がどんなものなのか――特に治安状況がどうなのか、個人的には興味がある・・・というと、ちょっと不謹慎かもしれないが。


公平に見て、日本人は、災害時のマナーというべきものが非常にいいらしい。
いわゆる火事場泥棒というものがほとんどない。
行政はともかく、ボランティアの動きなども多く、速い。
理由の一つは、地震というのはいつでもどこででも起こりうるもので、明日は我が身かもしれないということを本能的に理解しているからかもしれない。


ひるがえって、たとえば数ヶ月前にハリケーンに襲われたアメリカ。
ハリケーンは無論天災だが、その後は略奪や暴行がまかりとおる無秩序地域と化してしまったのは記憶に新しい。
国民性といってしまえばそれまでだが・・・。


そんな意味で、以前から、もし中国でこういう天災が発生したらどうなるか――というのは、関心のある命題だった。
俺個人の予想では、都市部で発生したら、相当な大混乱が起きるかもしれないな、とも思っていたのだが。
今回は震源地が農村ということなので、状況はだいぶ異なるだろう。


中国国内でのニュースの扱いが少し気になるが――ただ、もし暴動や略奪があったところで、そのまま報道されるとも思えないが・・・。