(元)無気力東大院生の不労生活

(元)無気力東大院生の不労生活

勤労意欲がなく、東京大学の大学院に逃げ込んだ無気力な人間の記録。
学費を捻出するために、不労所得を確保することに奮闘中。
でした。

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 マルクス・ガブリエル『新実存主義』を読了。

 

 岩波もマルクス・ガブリエルに手を出したわけだが、確保したのはマルクス・ガブリエルとその他の哲学者とのやりとりからなる本の翻訳。
マルクス・ガブリエルと哲学者のディスコミュニケーションが目立ち、消化不良というのが率直な感想。
 何でも邦訳を出せば良いわけではないと思う。

 

 

 

 

 伊藤邦武ほか(編著)『世界哲学史2』を読了。

 

 8巻シリーズの第2巻。
 対象となる時代区分は前1世紀から後6世紀で、主に宗教から哲学が立ち現れてくる時期に当たる。それ故に、この巻では宗教について論じつつ、そこから哲学的な議論が切り出されるという体裁の章が並ぶ。
 歴史を取り扱う以上、こういう構成にならざるを得ないのは仕方がないが、哲学史ということで言うと、少々物足りない巻であった。

 

 

 

 

 ジョナサン ハスケル、スティアン ウェストレイク『無形資産が経済を支配する』を読了。

 

 無形資産を正面から取り上げた書として、今後も参照されていくことになるのではないかと思わせる。ただ、手堅くまとまっているが、その分、このテーマに通じている人であれば特に新しい知見を得られるようなことはないかもしれない。
 今後の世界の経済活動を見通すという意味でも一読に値する。

 

 

 

 

 末木文美士『日本思想史』を読了。

 

 日本思想史の本というよりは、日本史と宗教史に思想史上の著作をまぶしたという感じ。当然、思想史上の著作について、その内容に踏み込むことは少ない。
 入門的に読むには悪くないが、類書を読んでいるのであれば、あえて手に取る必要はない。

 

 

 

 

 伊藤邦武ほか(編著)『世界哲学史1 』を読了。

 

 これから8巻まで、「世界哲学史」を構想するというのだから壮大な取り組みである。
 第1巻は、哲学の誕生に関して、これまで「古代~」として取り上げられてきたテーマが各論者によって概説されるが、上手くまとめきれずに紙幅が尽きたと思ってしまう章が多かったように思う。
 スタートの巻としてはイマイチな気もするが、次巻以降は楽しみ。

 

 

 

 渡瀬裕哉『なぜ、成熟した民主主義は分断を生み出すのか』を読了。

 

 研究業績が欲しい研究者がアイデンティティの差を「発見」する。人の目を引きたいマスメディアがその「発見」を取り上げて「増幅」させる。その「増幅」を選挙活動に結びつけて得票につなげようとする政治家。それぞれは合理的な活動かもしれないが、結果としてアイデンティティによる分断が作り出され固定化される。
 特にアメリカから世界に向かって拡散されるアイデンティティの分断を鮮やかに描き出して見せた好著。
 後半はFacebookの「リブラ」や中国の「デジタル人民元」といった仮想通貨に話題は転じていくが、これが新たなアイデンティティの分断あるいは統合をもたらすものとして位置付けられている。
 現在起きていることから今後起きそうなことまで、類書にはない独自の視点から読み解く景気を与えてくれる。

 

 

 

 

 

 ウィリアム・パウンドストーン『世界を支配するベイスの定理 ―スパムメールの仕分けから人類の終焉までを予測する究極の方程式―』を読了。

 

 ベイズの定理を書いた本ではない。扱うテーマは終末論。
 終末までの時間を計算で予測できるのか否か。その計算に関わるところでベイズの定理にも言及されるが、正面からその解説があるわけでもない。
 著者パウンドストーンは、これまでも興味深いテーマの本を数々出版しており、この本もテーマ設定は良かったと思う。ただ、議論が飛びがち。果ては宇宙論まで言及される分野は多岐にわたる。部分部分で、もう少し結論のようなものを得てから、次に進んで欲しかった。
 
 結局最後の方で「〇〇年」という年数が提示されることになるが、このあたりの計算こそ、もう少し丁寧に論じられると納得感が増す。

 

 

 

 

 野口竜司『文系AI人材になる: 統計・プログラム知識は不要』を読了。

 

 AIとは何ぞやということの雰囲気を軽くつかむという意味では適当な本だが、それ以上ではない。
 喩えて言うと、スタート前の準備運動をするための着替え、くらいの段階。
 本当にAIについて初めて何かを読むというのであればうってつけの本だと思うが、そういう人がこの本にたどり着くのか疑問が残る。

 

 

 

 

 Manuel Pedro Rodriguez Bolivar  et al.(eds.)『Governance Models for Creating Public Value in Open Data Initiatives』を読了。

 

 オープンデータに関する各国の事例研究を行う論稿が揃う。題名に「Initiatives」とあるように、どのように政策的にオープンデータを主導していくのかということが課題として位置付けられているが、この点について必ずしも明確な回答はなされていない。
 どちらかと言うとオープンデータの取り組みが進んでいない国が取り上げられている印象があり、先進事例を見たときにリサーチクエスチョンに対して、どのような回答が提示されるのか気になる。

 

 

 

 Svenja Falk et. al (eds.)『Digital Government: Leveraging Innovation to Improve Public Sector Performance and Outcomes for Citizens』を読了。

 「Digital Government」とは何たるかを論じる論稿が収録されておらず、いわゆる電子政府政策の事例を取り扱った論稿が並ぶだけ。e-governmentではなく、digital governmentとする、その事由が知りたいところなのだが。