・北京に馳せ参じたアフリカ48ヶ国 ~中国陣営の拡大としたたかな中国の世界戦略~ | アジアの真実
2006年11月05日

・北京に馳せ参じたアフリカ48ヶ国 ~中国陣営の拡大としたたかな中国の世界戦略~

テーマ:中国・その他ニュース

中国、資源狙い援助攻勢 北京でアフリカサミット開幕:産経
 【北京=福島香織】中国とアフリカ諸国42カ国首脳による中国・アフリカ協力フォーラム首脳会議(サミット)が4日、北京で開幕、中国は約100億ドルの債務減免など破格の対アフリカ優遇措置を発表した。さらに双方の貿易額を昨年の397億ドルから2010年までに1000億ドルに引き上げるという。参加国には人権問題や腐敗で知られる独裁国家も名をつらね、人権よりも資源囲い込みなど実利を重んじる中国外交の姿勢が明確に打ち出された。

 中国のアフリカ援助は、人権状況改善や民主化推進のカードとしてODA(政府開発援助)や債務減免を行っていた欧米の努力を無にする結果にもなり、欧米から「新植民地主義」「新帝国主義」などの批判が噴出している。

 胡錦濤国家主席が演説で発表した中国からの対アフリカ優遇措置の主な内容は(1)09年までにアフリカ援助規模を06年の倍に増やす(2)3年以内に30億ドルの優遇借款など(3)中国企業のアフリカ投資促進のための基金(50億ドル)設立など-8項目。

 この会議には、ダルフール住民虐殺で国際的非難を受けているスーダンのバシル大統領、腐敗政権で知られるジンバブエのムガベ大統領、内戦が続いたアンゴラのサントス大統領らも参加。首脳らが一人ずつ進み出て胡主席に握手を求める様子は、中国皇帝に謁見する朝貢国を連想させ、中国がアフリカの新たな“宗主国”であることを国内外に見せつけた。

 しかし、こうした協力はアフリカの権力者と結託した利益搾取の構造を生み、必ずしも現地の住民は恩恵にあずかれていない。ジンバブエのぜいたくな大統領府は中国の無償援助1300万ドルで建てられ、見返りとして中国企業が数億ドルの水力発電プロジェクトなどを受注した。

 中国企業が投資したザンビアの炭坑では低賃金で地元労働者が働かされ、7月に大規模な暴動が発生。中国企業の安価な中国製品がアフリカ市場に出回ったことで欧米や日本のODAで建てられた工場が倒産、失業者が逆に増えるという現象も起きているという。

 そのため欧米メディアからは「19世紀の帝国拡張政策がアフリカで再び起きている」(英紙ガーディアン電子版)「中国の『単刀直入』な投資政策が欧米の築いてきたアフリカとのきずなを損なっている」(同タイムズ電子版)と批判が噴出。

 しかし、中国外務省は対アフリカ援助については「内政干渉はしない」との立場。さらに「かつて植民地主義の奴隷役を経験したアフリカ、中国の人民が最もはっきりと植民地主義をわかっている」(劉建超報道官)と強調し、中国とアフリカ諸国の結束を非難するのは、旧宗主国・先進国の狭隘な理屈だと反論している。


 中国らしい彩色で飾られた大きな会場で、アフリカの50ヶ国近い首脳閣僚が集まり、胡錦涛主席が一人一人に対して握手をしている映像を、本日ニュースで見て、非常に恐ろしいものを感じました。上記記事にもありますが、まるで年に一度中国皇帝に謁見する朝貢国のようでした。これは、記事にあるように資源を獲得するのが主目的ではありません。それはむしろ副産物的なものでしょう。主目的は、アメリカや日本、西欧諸国といった西側諸国、さらにはかつての盟友であるロシアを中心とした東側諸国という枠から脱し、独自の世界戦略を打ち立てている中国にとって、少しでも多くの国家を自らの陣営に引き入れ、味方を増やすことでアメリカやロシアといった大国と対等に渡り合っていこうとする意志が強く感じられます。その為に弱小国家に対して金をばらまきながら恩を売り、自陣営に引き入れようとしているわけですが、今回のニュースを見ると、それが予想以上に成功していることに驚かされました。アフリカに存在する53ヶ国のうち、今回閣僚も合わせて参加したのが48ヶ国。実に90%以上の国が中国の元へ馳せ参じたのです。中国が第三国に対してこれ程までの力を持っていること、そしてしたたかな中国の世界戦略が着々と進んでいることに対して、正直私は驚きました。

 さらに中国がしたたかな所を付け加えるとすれば、恩を売り”中国陣営”に引き込むことを達成しつつ、上記記事にもあるように石油資源の確保や、大規模公共工事を受注するなど、資源的金銭的な面でもしっかりと実を取っていることです。さらに、日本には対しては強硬な反日政策を取りつつ、多額のODAを引き出すことに今年も成功しています。48ヶ国ものアフリカ諸国へ中国版ODAをばらまく力がある国に対して、日本がODAを出している。これ程滑稽な構図があるでしょうか。


 普段は日中関係という狭い範囲においてのみ”中国”という国を考えることが多いですが、今後はその裏に見え隠れする、中国の世界戦略というものを常に意識しながらこの国と付き合っていかなければ、大局を見誤ってしまうことは確実です。


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参考書籍:
怒りを超えてもはやお笑い!日本の中国援助ODA―誰も知らない血税3兆円の行方
青木 直人
4396611242

覇権か、崩壊か 2008年中国の真実
中嶋 嶺雄 古森 義久
4828409750

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