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 一般的に「マリリン・モンロー」はセックス・シンボルと言われていますが、わたしに言わせれば彼女は「童女」です。可愛子ぶっているのではなく、可愛いのです。彼女はいつも無防備です。その潔さに魅かれますが、その無邪気さに痛ましさを感じます。

 一方で、彼女の輝きには銀幕スター以上のなにかがあります。ただ、そこにいるだけで「人の心を楽しく優しくさせる力」があるのです。しかし、ひとりの女性としては、球界の紳士、ジョー・ディマジオ(サイモンとガーファンクルの歌詞にも登場)、当時の知性派第一人者、作家・アーサー・ミラーを伴侶にしてもその不安から解放されることはありませんでした。彼女に、底知れぬ闇があったことを感じます。にもかかわらず、彼女は少しもその闇を観客に見せることはなく、スクリーンで、彼女は常に愛を与え続けていました。

 そこで、本作品。わたしは、マリリンを演じられる人なんているわけないと思っていましたから、本作品が公開されると聞いた時も「誰ですか?そのチャレンジャーな女優さんは?」と思ったくらいです。ところが、トレイラーを観て驚きました。ミシェル・ウィリアムズがうまい。もちろん、演出もよかったのだと思いますが、マリリンの可愛らしさと無邪気さ、同時に脆さと不安定さがよく表現されていると感じました。一番いい表情はトレイラーにありますから、時間のない方は是非トレイラーだけでも観て欲しいなと思います。きっと作品を観たくなります。

 作品のストーリーは公式サイトを見て頂くのが一番と思いますが、ざっと言うと、マリリンが彼の大俳優ローレンス・オリヴィエと共演するために英国に渡り、その撮影期間中にあった淡い恋物語を、その相手となる青年コリン・クラークの視線で語るという展開。

 
 それにしても、あの名優オリヴィエをここまで困らせるなんて見事だ!マリリン!この映画を観てから、「王子と踊り子」をDVDで観まして改めて彼女のカリスマ性に驚愕しました。別格です。

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$ナナカマドのランプ-王子と踊り子


何回撮り直しをしなければならなかったのかは分かりませんが、最終的にこの映像が撮れたのなら文句はないでしょう。ねっ、オリヴィエ監督!

原題:
MY WEEK WITH MARILYN
公式サイト:http://www.marilyn-7days-love.jp/

追伸:ヴィヴィアン・リーはもっと美人だよー。