最初に見つけた共通点は、"朝が苦手"だということだった。主人が仕事に出る朝でも起きられず、朝食も出さずに送り出してしまうことも、度々あった。

世界王者がいるとは言え、その日も例外なく私は朝寝坊をする。「行ってくるね」という言葉で飛び起き、彼を見送るけど、まだ頭は働かない。

"結弦君はまだ寝てるみたいだよ"

と言い残す彼の言葉で、改めてこれが夢ではないのだと再認識するんだけど、その前にいつの間に結弦君呼びなんだと、心の中で総ツッコミをする。

 

ボサボサ頭を軽く結び、顔を洗った。どうしよう、なんて悩んでる割には随分すっきりした顔してるじゃない、なんて鏡の向こう側の自分に話かけながら、キッチンに向かった。

 

朝はご飯なのか、パンなのか、そもそも朝食を食べるのだろうか。起こすべきなのか、起きてくるまで待つべきなのか、何の前情報もなかった。

インタビューだとそんなこと聞いても何にもならない、と質問からは外していたけど、こんなことになるなら聞いておけば良かった。

 

そうこうしているうちに、か細い声で"おはようございます"と言いながらノロノロと彼が姿を現わす。

「すみません朝が苦手で

「私もさっき起きた所です」

 鳥でも住んでるんじゃないかと思いたくなるほどボサボサ頭でソファに座りこむ。

「髪の毛乾かさずに寝たでしょ」

あははと優しく笑う彼。

 

 

 

 

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