最初、USB DACなるものを知った時、
「こんな小さなもので音質なんて変わるのか?」
と半信半疑だったが、その考えを撤廃させてもらう。
今回は中国のオーディオメーカー、シャンリンが新発売したUA1Sをレビューしていく。
そもそも、なぜドングル型DACが必要になるのか
スマホやパソコンにはすでにDACというものは内蔵されている。
デジタル機器なので当然、音声ファイルもデジタルで記録されており、イヤホンでそれらを聴くためには、DACというものを通して、デジタル(D)信号から耳で聞けるようにアナログ(A)変換、コンバート(C)されてイヤホンへ信号を伝える。
これがDACの役割である。
しかし、オーディオ機器ではないスマホやパソコンは、筐体の大きさやコストの関係上、音質に拘られていないDACチップが内蔵されているため、こういった外付けのDACをわざわざイヤホンとの間に接続するわけだ。
このドングルはもちろんオーディオ用に制作されたDACチップ、及び音質に特化された部品が使われているため、高音質になるわけだ。
その上、イヤホンジャックがあるスマホが少数になっている昨今、有線イヤホンをスマホに挿そうとしたら、必ず変換アダプタが必要になる。
そしてドングル型DAC市場が伸びてきたわけだ。
シャンリンのUAシリーズはUA3、2、UA5とUA1があり、このUA1SはUA1の後継モデルとして今年に登場したものだそうで、進化点としては、ボディに継ぎ目がなくなったことと、ケーブルが脱着式へ変更、そしてDACチップも新しくなったようだ。
早速開封。
中身は
本体、OTGケーブルUSB-C to C、USB CからAへ変換するアダプタ、そして紙。
本体も軽いため、有線イヤホンの延長としても屋外で普通に使えるのは良い。
私はブラックを選択。ほかにもグリーンがある。
写真を見てお分かりの通り、全体的にブラックでシックにまとめられている。
あのセンスのない金色のハイレゾマークも黒の筐体にグレーでシンプルに印刷されているので命拾いしている印象。
気になる音質
音の迫力、臨場感はわりとすっきりとしている印象を受けたのだが、それでいて飽きないような音作りになっているのは、低音が程よくプッシュしているからだろうか。
鳴らしにくいで有名なイヤホン、final E5000と一緒に視聴してみたのだが、iPhoneの音量メモリ7割くらいで充分ならせている印象だったので、駆動力はiPhone直挿しよりは格段にパワーアップした。
パソコンと接続してみても問題なく駆動した。
音質に大きな変化は見られなかったものの、ホワイトノイズやプチプチ音が大幅に削減され邪念が減り、音楽へより一層集中できるようになったのは嬉しいところ。
そのお陰か、より音の曇りが減り、スッキリ、かつパワフルになった。
音質に関しては上を見ればキリがないが、シンプルな装備でイヤホンなどを手軽に高音質で聞きたい場合はとてもいい。
総評
お値段7700円でこの音が出るのならば非常にコスパは高い。
音に関しては弱ドンシャリ傾向でモニターライクではなく、ウォームで聞き心地の良いサウンドだが、飽きが来ない音に仕上がっているので長く愛用できそうだ。
筐体もコンパクトなので外出先などでは重宝しそうだ。
メリット
- 気持ちの良い弱ドンシャリサウンド
- お手頃価格
- コンパクトな筐体で持ち運びに便利
- ケーブルが着脱式なのでiPhoneにも〇
デメリット
- iPhone直挿しよりは音は良くなるのだが、正直、微々たる変化であること
- Lightningケーブルが付属していないのでOTGケーブルを別途用意する必要がある
- 4.4㎜バランス接続はついていない