さて、琵琶湖に出ると毎回目についてしまうのが、誤った操船をされている方々
レンタル受付に簡単な操船説明の看板を置いてありますが
今回は湖上で良く目にする光景を題材に説明させていただきます。
長文になりますがお付き合い下さい。
まずダントツで多いのが「スムーズな発進が出来ていない方」
受付を済ませ、タックルをボートに積み込み水路をゆっくりと進んで行く・・・
「水路を抜ける数分間がワクワクして好きなんです」とおっしゃるお客様が結構多いですし
私もその一人なんですが問題は、その後・・・ 水路を抜けて、いざスロットルを全開に
その瞬間、船首は大きく空を向きウイリー状態 しかも前見えないし遅いし何じゃこれ
数十秒後、何とかボートが水平になってスピードが上がってきたが
今度はバタバタ暴れてロデオ状態 さぞかしストレスだと思います
高馬力のエンジンだとパワーにまかせて無理やりプレーニングしてしまいますが
低馬力エンジンだと、ひたすらウイリーが続いてしまいます
原因はトリム調整にあります。
手順としましては、まずスロットレバーにあるトリムスイッチのDOWNを押してエンジン角度を
一番下にします、ちょっとだけ下げるのではなく、必ず一番下まで下げて下さいネ
エンジン角度はこんな感じ
これが水平
エンジンを下げたらボタンを離して、スロットルを全開に
少しだけ船首が上がり、数秒で水平になります。 そしてボートが安定したらトリムスイッチの
UPを押してエンジン角度を上げて下さい どれくらい上げるのがベストなのか・・・
ボートの種類、エンジンとのマッチング、湖面の状態、スピードなどで最適なトリム角は
変化するので絶対的な正解は無いのですが、基本的には水面に対して水平の状態です
たまに湖上でエンジンカウルを遥かに越える高さの水飛沫を上げているボートを見かけますが
見た目は派手でカッコ良く見えますが推進力をロスしてます トリム上げすぎです
(もしくはジャック上げすぎ)
続きまして、べた凪にも関わらず延々と船首を大きく上下させながら走っているボート
遠くに居てもエンジン音が「ブワーン、ブワーン」と響いて聞こえてきます
これも、トリム角の問題なのですが、ボートのスピードとトリム角が合っていない状態です
スピードが遅い(エンジン回転数が低い)わりに、トリムが上がり過ぎていると起こります。
スピード(エンジン回転数)に応じてトリムを上下操作していれば、起きないのですが
もし、なってしまった場合この状態でスロットルを空けると、さらに大きく暴れてしまうので
ここでもトリム調整が必要です。
走りながら、一度トリムを下げてスロットルを開けスピードを上げます。
しばらくすると姿勢が安定するので、それからトリムをUPさせるとスムーズに走れます
そして、最後に滑走状態から正しく停船出来ていない方です
先ほどのパターンの延長なのですが、船首が大きく上下を繰り返してから停船している方
この乗り方をしている方は、多くの場合ボートのリヤデッキがビチョビチョに濡れています
停船する時にご自分が起こした引き波を、被っているんですね
滑走状態から、スロットルを緩めるだけで止まろうとすると、こうなります
停船時は、徐々にスロットルを緩めながら同時にトリムを下げていくとスムーズな停船が出来ます
それでも強風で波が高い場合などは、引き波を被る可能性があるので停止直前に後ろを見て
波を被りそうなら、軽くスロットルを吹かして波を逃がしてやれば完璧
以上、大きく3つのパターンについてお話しましたが、発進時と停船時の操作ミスに
ビルジポンプを操作しないと言うミスが加わっただけでボートは簡単に沈みます
トリムを下げずに発進
プレーニング出来ずに何か変?と思いトリムを下げずに
スロットルを抜いて止まる
引き波を被って船体に水が溜まる
ビルジポンプで排水しない
上記を数回繰り返す
その度に水が溜まり、どんどんボートが重くなって水を被りやすくなる
沈没!
このパターンに悪天候が重なると、もう最悪です
ちなみに正しく乗っていても様々な条件で船体に水が溜まる事がありますので
雨天以外でも、こまめにビルジポンプを操作して下さいね
ボートによってスイッチの位置が違うので、お分かりにならない方はスタッフにお声掛け下さい
多くのレンジャーシリーズの場合、水が溜まっていればこの穴から排水されます
(勿論、ボートによって違います)
水が止まれば必ずスイッチをOFFにして下さいね、モーターが発熱していざと言う時に
使用不能になります
そして操船時は絶対にキルスイッチのランヤードコードを身体につけて下さい
二次的被害を防ぐ為にも絶対ですよ
文章では中々、お伝えしにくい部分も多い&説明下手なのもあって、分かりにくい内容だったかも
知れませんが、出船前にスタッフに尋ねていただければ詳しく説明させていただきますので
お気軽に声を掛けて下さい。
正しい操船技術を身につけて、快適なボートライフを楽しんでくださいませ