いつもお立ち寄りいただきありがとうございます♡

前回の投稿、たくさんのいいねとコメントとメッセージ、本当にありがとうございました。すっごくうれしかったです♡ まだお返事ができていないタイミングでの投稿、いつものことながらお許しください。

 

惜しくも受賞を逃しましたね。でも満身創痍にもかかわらず7人で晴れ舞台に望めたことは、もうそれだけで素晴らしい奇跡でした(近場で感染者が出ていたに違いないグクを先に渡米させてHYBEの知恵も奇跡の内でしょう)。これでもかと上を目指してきた彼らに、まずは健康に留意して今を楽しむことだと、神様が原点回帰を促しているかのような数週間だったように思います。

 

実はこの投稿、2月に彼らが受賞するのことを想定して書き始めたものだったのですが、受賞を逃した今、改めて感じることばかり書いていたので少しだけ書き加えて投稿します。

 

グラミー賞2022】BTSがレッドカーペットを闊歩。ジンさんは左手に包帯、他のメンバーが隠すような“神対応” | ハフポスト アートとカルチャー

 

生まれて初めてバンタンという名で初舞台

3年前 初舞台での思いをもう一度思い出すよ

相変わらず大邸の田舎者ラッパーとそう変わらない でも

アマチュアという言葉にプロって重ねて書いた

あんなにやりたがっていたステージでのラップをやって踊ったとき

まだ生きてるんだと気づいて

うんざりできつかった通勤だって我慢できた

周りの人たちが見守ってたから

身体が痛くても耐えられた 歓声が押し寄せたから

デビュー前後での違い アイドルとラッパーの境界に生きていても

相変わらず俺のノートには韻が詰まってる

楽屋とステージの間では ペンを持って歌詞を書いて

こんな俺が お前らの目にはどう変わって見えるんだ

ああクソ 俺は変わってない

俺が変わっただと? 伝えとけ

変わらず本質を貫いて 今もラッパーをやってる

3年前と変わらず今もラップをして歌ってる

じゃあな

 

彼らが昨年11月末にグラミーにノミネートされ、LAでのコンサートを終えたあと、そのまま長期休暇に入り、思い入れがあったはずのMAMAへの出席を見送ったとき、新旧東西?いろんなファンがいろんな感情に苛まれる様子を見て、私は密かに我が身を振りかえっていました。畑も、挑戦の規模も全然違うので、比較するのもおこがましいのですが、私自身も渡米を目指しているだけに、彼らに集まったネガティブな意見がとても興味深かったし、アジア出身のアジア人が欧米社会での成功を求めるときというのは、今までお世話になった地元の人々にこういう視線を向けられるのだな、としみじみ感じて、私も自分が思っている以上に感謝の気持ちを大切にしなければならないと思ったのです。   

 

「遠くに行ってしまった」「彼らは変わってしまった」「以前の彼らがよかった」というようなことは、彼らがいわゆる世界の音楽シーンで前進するたびに、ある程度言われてきたことだとは思いますが、私も職場で渡米を持ち出すたびに、どうして日本じゃダメなんだ、と言われることがたくさんありました。そのたびに私は答えに困って、自分がとても悪いことをしているような気持ちにもなりました。だって、日本がダメなわけではないから。日本は大好きだし、日本にいる家族も、友人も、一緒に働いてきた仲間も、先輩もみんな大切だから。捨てるつもりも、踏み台にするつもりもなければ、むしろ、これ以上ないほど大切に思っています。ここにいれば幸せな生活を送れるだろうし、日本にいたって挑戦できることはたくさんあります。

 

逆にアメリカなんかに行ったら、どんな苦労を強いられるかわからない。どんな罵声を浴びせられて、どんな風に傷つけられるかもわからない。周囲に絶望して、自分に失望して、人間を信じられなくなるかもしれない。ナムジュンだって、見えない壁の厚さと高さについて語っているし、きっと、言語がわかるほどに気づいてしまう、救いようのない苦痛が太平洋の向こう側では待っている。今回のグラミーだって、差別だなんて言い訳は絶対に口にしたくないぐらいかっこよかったけれど、逆にそのせいで改めてある種の「限界」を感じたのは私だけではなかったはず。だから、少なくとも私自身は身の一部を引きちぎられる思いで日本を離れるのです。

 

なぜか。

 

それを説明しようとすると、きっと、上の段落の繰り返しになってしまうのですが、つまり、どんな世界が広がっているかわからないから、行きたいと思うし、わからないからこそ、目指す価値があると思うのです。いろいろ想像しようとしたって、どんな苦労を強いられるかは行ってみないとわからない。でも、周囲に絶望して、自分に失望しても、その先に見える希望があるかもしれない。自分が想像もしなかった幸せの形があるかもしれないし、裏切られても、また信じる強さに出会えるかもしれない。自分が多少の痛みに耐えれば見られるにちがいない、そういった景色を見に行きたいと思うのです。

 

正直怖かったよ でかい声で叫んでたけど

「俺を証明してやる」って

ペンと本だけ持ってたガキが世界を驚かせてるなんて どうかな

世間の期待値と釣り合わないんじゃないかって恐れてた

俺を信じてくれてた人たちみんなを裏切ってしまうんじゃないかって

重い肩を張って初めてのステージに上る

一瞬の短い静寂 息を整えて

俺が見てた人たちが今では俺を見守ってる

いつも見上げてたテレビの中の人たちが今じゃ俺の下にいる

走馬灯のようによぎる間もなく 1回きりの演劇は始まってしまった

3分で蒸発した俺の3年間の血と汗にまみれたマイクとの熾烈な神経戦

何十秒かだけだったけどしっかりぶちかましたよな

まじで俺はホンモノだってこと

「おいお前 てめえの夢はなんだ」

俺はラップスターになることだ しっくりくるだろ

そして幕が降りた瞬間にあの歓声

お前の心は読めたよ 読めたんだって

疑問符の代わりに浮かんだ微笑み

何も言わずにメンバーたちは ただ俺の肩を叩いてくれた

つい数日前のことのようだが 20の夜が過ぎ去った

アンチには言いたいことを言わせとけって

どうせ奴らはその日暮らし

お前らがキーボードで遊んでる間 俺は自分の夢を満たしてきた

サングラス ヘアスタイル 貶す理由はわかってる

いずれにしたって20歳でお前より上手くいってる俺だ

 

そしてこういう風に考える私を作ってくれたのは、まぎれもなく今までの私の人生に関わってくれた人たちなのです。海外で出会った人もいれば、日本で出会った人もいるし、もうお互いに忘れてしまった人もいれば、ふとした瞬間に思い出して会いたくなる人もいます。そんな彼らへの一番の恩返しは、彼らが与えてくれた夢を、つまりは、今の自分が見てみたいと思う景色を、あきらめないことだと思うのです。

 

だから、こんなことは私が言うまでもないのかもしれないけれど、BTS(というよりバンタン)にとって、アジアが大切でなくなったわけではないと思います。アジアが大切だから、ルーツが大切だから、支えてくれた人が大切だから、より高みを目指すのでしょう。愛情を注いでくれた人たちに感謝しているからこそ、自分の限界に挑戦しなければならないと思うのでしょう。そして与えられた温もりの中にいれば幸せになれることがわかっているからこそ、何も補償されない世界で、幸せを見つけたいと思うし、あるいは逆に自分が誰かにささやかな幸せを届けられる、そんな人間になりたいと願うのでしょう。

 

僕は生まれながらにして歌手なんだ

少し遅くなった告白だけど断言するよ

いつも遠くでぼんやりとしてた夢が今、目の前にある

僕は生まれながらにして歌手なんだ

もしかしたらまだ早い告白だけど

それでも幸せだよ 僕は大丈夫

 

俺らが走ってきた日々

俺らが共に過ごしてきた日々

3年という時間で みんなでひとつになった心

流した血と汗が俺を濡らしてる

ステージが終わった後 涙がにじむ

毎秒 自分に念を押すんだ

初心を忘れないように

いつも俺らしく

最初の自分に恥ずかしくないように

だから俺たちは行くよ

もっと上へ上へ上へ

 

彼らの原点にタイムスリップできるこの楽曲、原曲は黒人アーティストのJ コールがさらに5年前にリリースしたBorn Sinner(生まれつきの罪人)だということを私はこのたび初めて知ったのですが、バンタンバージョンと比較して歌詞が抽象的なおかげで汎用性があるというか、コールの人生を事細かに知らなくても伝わってくる重厚感がある曲だと思います。10年後にアジア人アイドルグループがグラミーにノミネートされる世界がやってくるなんて知るはずもなかったであろうコールが書いた一人の黒人のストーリーの一部を抜粋します。

 

繰り返し円を描きながら リハーサルなしの人生を生きてる

もし今日死んだら それは仕事由来か プライベートか

それが俺の最後の一呼吸なら 俺は幸運だ

俺の人生には意味があったから

 

教会で神を拝んだことなんかないけれど どうか慈悲を

あなたが俺を多才で円熟した人間にしてくれたから 筆記体の文字ように

あなたが目的をもって俺を選んだのは知っている

だからこの詩に魂を込めよう

 

俺は生まれながらの罪人

完璧になんかなれるわけがない

金目当てに唇を舐める女に弱いし

でも俺たちがストリートでたむろしてたとき

人殺しになるなんて誰が思っただろうな

 

先生たちは黒人みんなが無価値で

暴力的で絶望的な存在みたいに扱ってたよな

大学の壁の「精一杯の自分になれ」なんていう軍への勧誘ポスター

見えてはいたけれど気づかないふりをした

 

ティファニー(コールが最初に失った幼馴染)の冥福を祈る

これが今まで書いた中で一番リアルな歌詞かはわからない

でも最もリアルな奴が書いた歌詞だってことは確か

サインをして封をして

いつの日か君が見つけてくれると期待した

いつの日か戻ってきてすべて巻き戻してこう歌ってくれると

 

俺は生まれながらの罪人

でもそれよりはマシな姿で死ぬって断言するよ

君はいつも俺が望むところにいてくれた

ここにいてもいなくても (俺はここにいた)

俺は罪を犯して生まれてきた

でもそれよりはマシな生き方をしてるって断言するよ

 

こんなこと君がどうでもいいと思っていても

俺は気にしない

 

以前、BTSは運命についてそれぞれ以下のように語っていましたね。

 

グク:唯一変えられないもの

ユンギ:自分自身で正解を作っていく試練

ナムジュン:自分の一番近くにあって自分で探してこそ見えるもの

ジン:数知れない分かれ道の中で、結局自分の選択により探し出した一つの道

テテ:かくれんぼをするように簡単には姿を見せてくれないもの。かくれんぼをしながら自分を前進させるもの

ホソク:日常的には意識しないが人生の重要な瞬間にこれだと悟るもの。道しるべ

ジミン:探し出すべきもの。探し出してみせると思えば、迷ったすべての時間も運命になる

 

「運命」というと、「宿命」という言葉も思い出しますが、岩波辞典によると、運命とは「人間の意思とは関係なくめぐってくる吉凶禍福」であり、宿命とは「前世から定まっている運命」のことを指すみたいです。とすると、グクが「運命」と呼んでいるのは「宿命」に近いのかなと思いますが、その他のメンバーの発言を見ると、いずれも「運命」とは「自分で探し出すもの」と考えています。生まれた瞬間にパッと天から与えられるものなんかではなく、自分で努力して探し出さなければ手にできないもの。

 

つまり、どんな人間もそれぞれの「宿命」のもと一生懸命に生まれてきて産声をあげるわけだけれど、きっと生まれつきの歌手なんていないし、生まれただけで決められた道が目の前に見えている人なんていないのだと思います。生きていれば誰だって、選んだ道が違ったかもしれないと思うこともあるし、理不尽な仕打ちに挫けそうになって初心を忘れてしまうこともあるでしょう。大切な天命と思った夢が白けて一生懸命になれないこともあるかもしれないし、あるいは、自分には夢なんて大それたものは最初からなかったんじゃないかと、虚しさに苛まれることもあるかもしれない。

 

僕は生まれながらにして歌手なんだ

少し遅くなった告白だけど断言するよ

いつも遠くでぼんやりとしてた夢が今、目の前にある

僕は生まれながらにして歌手なんだ

もしかしたらまだ早い告白だけど

それでも幸せだよ 僕は大丈夫

 

でも生まれてきた以上は、自分なりに頑張ったといえる日々を積み重ねていきたいと、これらの曲は思わせてくれる。

 

誰も見ていなくても、神様さえ気づかなくても、汗水垂らして努力することは無駄じゃないし、そうやって生きていたいとBTSは思わせてくれる。

 

せめて、自分に正直でありたいと。宿命に負けず、ちゃんと運命を探して、天命と呼べるものを信じて全うしてみたいと、そう思わせてくれる。

 

そうすれば、自分がこの世界を去るときには、自分が生まれてきたときより、ほんの少しだけ世界は素敵な場所になっているはずだから。

 

ありがとう、こんな大切な気持ちを思い出させてくれて。

君たちに出会えてよかった。

ノミネーション、心から、おめでとう。

 

BTSメンバーのデビュー当時の画像・年齢・実力!苦しい下積み時代も

 

最後まで読んでくださってありがとうございました♡♡♡