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In The Soop、実はやっと少しずつ見始めました。しかも何となくEpisode2から見るという。。。バギーに乗ったグクテテを照らす夕日はまさに青春の輝きのすべてを沈みゆく太陽に集めたような美しさで、ボールに首ったけのバムもかわいかったし、ジミンの愛すべきバスケ練習も、ユンギ先生の論理的で冷静な熱血指導も、テテのイマイチな演奏を気にも留めないホソクの自由なプールサイドダンスも、突如諦めの境地に達して完成しなかったナムジュンの風景画も、妙にスリル満点のジンの塩抜きと独特で破壊的な(?)貝の調理方法も、全部見どころでしたが、もっとも印象に残ったのは、チェットベイカーに憧れるテテのトランペットレッスンでした。

 

ここでいつものtoo much informationですが(今日は特にTMI多いです!)、昨年はじめ、65歳になったのを機に父がチェロを始めました。毎日30分欠かさずに練習し、数か月後に癌が見つかると、今度は何かを惜しむように、さらに熱心に練習に励むようになりました。課題曲はベットミドラーのRose。切ないメロディーのところどころで弦にノコギリでも当てているかのような演奏だったのですが、私はそれを映像に残したいと思い、カメラを向けました。すると、こちらの涙も乾くような剣幕で父が嫌がったのです。思えば、私自身も高校時代にギターを弾き始めたときには人前で練習するのに少し抵抗があったように思います。

 

それだけに、テテがほぼ最初の一音からカメラの前に晒してくれるのは素敵だなと思ったのですが、考えてみれば、彼はVライブでも決して上手くはないピアノを披露してくれたり、思わず親近感を抱いてしまうような側転の練習を躊躇なく見せてくれる人でしたね。そんな彼が先生に「枯葉」を弾いてもらうシーン、ただただ聞き入る彼の表情を見て、グクの言葉を思い出しました。すぐにいろんなことをやってみたくなって手を出してしまう自分と比較して、テテは欲が少ない人だと語ったいつかのインタビューです。

 

もちろんテテだって、できることなら自らトランペットを弾けるようになりたいと思ってレッスンを受けているわけですが、彼はそれ以前に、心地よい音楽がこの世界に存在しているというだけで満たされる人なのだろうなと思ったのです。それが誰の音かはさして重要ではない。

 

もしかするとむしろそれがフツウなのかもしれませんが、ある意味で短気な父の遺伝子を引き継ぐ私は、何か弾けるようになりたいと思うと、できるだけ早く自分の音にしてしまいたいという欲が先に立って、ある程度弾けるようになるまでは楽しむ余裕を失うぐらいまでに根詰めて練習する傾向があります。今は時間がそれを許さないことが多いですが、それは生活というかライフスタイルの隅々まで見られる傾向で、たとえば、先日の投稿を書いてから懐かしくなって読み返したメモにはこんな言葉が残っていたのです。

 

当直中に自分が役立たずだとうんざりする。

死ぬ人がたくさんいると自分も死にたくなる。

でも部屋に戻って放心状態になったときにふと思うのは、すべての欲を捨てなきゃならないということだ。

命を救いたいとか、役に立ちたいとか、愛されたいとか、そういう一切合切の欲を捨てる以外に生き抜く術はない。

それは自我への執着を捨てること。

 

何だか大袈裟な文章ですが、当直明けはそういう心境だったのでしょう。。。

 

先生の演奏を聴くテテには、この「自我への執着」がカケラもないように感じられて、わたしは思わずはっとしたのです。彼の右足が刻むビートと、頬杖をついた顔に浮かぶ小さな幸せの影。それらは今まで何度もいろんな場面で気づいたはずのことを改めて気づかせてくれました。無欲な人間は美しい、と。そしてきっと、無欲な人に見えている世界は美しい。

 

Autumn Window | Autumn scenes, Fall pictures, Autumn leaves

 

The falling leaves drift by the window
The autumn leaves of red and gold
I see your lips, the summer kisses
The sun-burned hands I used to hold

枯葉が舞い落ちる 窓の外で
赤と金に色づく秋の枯葉
あなたの唇 夏の日の口づけ
その頃握ってた 日焼けした手

Since you went away the days grow long
And soon I'll hear old winter's song
But I miss you most of all my darling
When autumn leaves start to fall

あなたが去ってから一日が長くなった
そしてもうすぐ懐かしい冬の歌が聞こえてくる
でも一番あなたに会いたくなるのは
秋の枯葉が落ち始める頃

 

今年は秋の気配が、駆け足の冬に飲み込まれてしまったみたいに急に寒くなりましたが、今頃テテが練習しているかもしれない「枯葉」を聞いて、せめてその時間だけは欲を忘れた秋空のような心でありたいと思いました。憧れは風に預けて。

 

チェットベイカーのトランペットバージョンももちろん素敵なのですが、せっかくなのでクラシックギターの哀愁が際立つこちらの演奏もいかがでしょうか。

 

お付き合いいただきありがとうございました♡