いつもお立ち寄りいただきありがとうございます♡

 

今回はタイトルからも明らかなとおり、直接BTSに関する投稿ではありませんが、私が彼らに抱くのと同質の憧れを抱いている外科医という人種について書きたくなったので、お付き合いいただければ嬉しいです。

 

If Jimin Ruled The USA | K-Pop Amino

 

全身麻酔をかけられ横たわる患者さん。頭側には麻酔科医が一人、右側に血管外科医が2人、研修医が1人、動脈瘤の治療のために透視下でステントを留置しようとしています。すべての視線が集中する先は患者さんの血管とステントの位置関係を示すX線画像、注入する造影剤が血管の正確な場所を教えてくれます。ここだ、と場所を決めると外科医は隣に立つ研修医にステントを開くよう指示します。紐を引っ張るだけのこの作業を行う研修医、途中で少し不安に思いますが、開き始めたステントの位置はもはや修正しようがありません。そして外科医が一言、「らじこ見たか。ステントを開くってのはな、男の射精と一緒なんだよ、始まったら終わりだからな」

 

上記は私が研修医だった時の一コマです。ご紹介すべき場面は他にいくつもあったし、どうせ下ネタならせめてもっとウィットに富んだものもたくさんあった気がしますが、唐突に頭に浮かんだシーンはなぜかこれでした。テレビドラマに出てくるようなスリルのかけらもない地味なオペもしばしば。でもこうして、患者さんにはとても聞かせられないような会話を繰り広げながら時に深夜まで働く外科医たちは、翌朝のオペまでに時間があれば、夜の街に繰り出し、湯水のようにお金を使うのです。もちろんすべての外科医がそうというわけではありませんが、研修医の私は、彼らのそういったライフスタイルを最初は少し不謹慎だと思いながら、しかし底抜けの体力でそのライフスタイルを維持する彼らにある種の尊敬の念を抱くようになりました。

 

ドルドル 一日で使い切ってやる

走って走って 自分で稼いで浪費する
走って走って走って走って

必死になって稼いだ金

残さずすべて 俺の腹の中へ
塵を集めて使い果たす快感

ほっとけって 使いすぎたって

狂ったやつみたいに明日貯金をはたいたって

もう明日はない

未来はすでに抵当に入れた
もっと俺の金を使え
友よ 最近どうよ

おごってやろうか
 

ドルドル 一日で使い切ってやる

走って走って パーティーみたいにバラまいてやる

ドルドル ネズミの穴に陽が差し込むまで

日が昇るまで

 

「未来を抵当に入れて」という詞、外科医も同じだと思うのです。それは派手なお金の使い方というだけではなく、たとえば深夜の急患、アドレナリンを体中に駆け巡らせて何時間もの緊急オペを施行する時、それは命の前借のようなことなのだと、彼らの額に光る汗を見て感じたのを思い出しました。明日の自分の命がどうなるかもわからないような刹那的な生き方をする人間が持つメスで切られたくないと思うのが患者さんの心情でしょう。でも私が知る限りでは、彼らはどんな借金をしてでも目の前にいる患者さんのことだけは救ってしまうのです。そして時には、メスを置いて、摘便までしてくれる。私が今でもこの糞まみれの儀式に心を弾ませてマスクを三重にしてでも耐えるのは、尊敬する彼らのような体力はなくても、優しさはもっていたいと思うからです。「耐える」などという言葉を連想させない爽やかな笑顔を向けられる摘便のプロを目指して(?)。

 

YOLO YOLO YOLO yo *YOLO = You Only Live Once (人生は1回きり)*

YOLO YOLO yo

使い切る快感よ
YOLO YOLO YOLO yo

俺の金はどこだ

全部使い果たせ

YOLO YOLO YOLO yo

パーティーはどこだ

全部使い果たせ

俺の金は?

パーティーは?
俺の一週間は月火水木金金金
口座は底なし鍋

毎日のように水を注ぎこむ

いっそ壊してしまえ

心配するには若すぎる

今日のところは心配するよりGO
怖くなって貯金なんか始めたらクソになるだけ

使っちまえよ

 

YOLO, YOLO, yo という歌詞を聴いていたら、先輩に会いたくなりました。今もきっと、明日を抵当に入れながら、1回しかない今日という日を精一杯生きている彼ら彼女たちに、久しぶりに連絡してみようかと思います。

 

最後までお読みいただきありがとうございました♡

 

 

追記:私自身は外科を専門とする人間ではありません。現行の研修制度では専門診療科を決める前に全診療科で研修をすることになっているので、その時にお世話になった先生方について書かせていただきました。要らぬ誤解を招いてしまって申し訳ありません。