作・演出・作成:阿笠清子

2022年10月2日 

堺市東文化会館メインホール

 

 

 

今日はお芝居を観てきました。

与謝野晶子、平塚らいてう、山田わか、山川菊栄の

4人の幽霊が現在に甦るという内容でした。

舞台のハイライトは当時の母性保護論争の再現です。

もっとじっくり、伊藤野枝らも交えて

これだけを題材に脚本を作っても面白そうです。

 

母性保護論争では

与謝野晶子と平塚らいてうの論議では

両者の子育てへの捉え方の違いが

明確になっていて理解しやすかったです。

 

与謝野晶子は出産し子どもを育てることは

個人の自由選択による私的な活動だと見なしています。

自分が選択した私的な活動ゆえ、

その責任は個人にあると考えています。

それゆえ、育てられないのなら

生むべきではないと主張しています。

 

一方、平塚らいてうは子育ての

社会、ひいては国会おける意義を重視し、

次世代の育成は公的な役割があると認識しています。

その為、国家が子育てを

経済的に支援するべきと論結しています。

 

両者の主張に一定の妥当性を認めながら

資本主義社会における構造を批判する

山川菊栄の論究はシャープでした。

山川菊栄の意見を聞いて

効率と利益を追い求める資本主義は

再生産労働と根本的に相いれないと思いました。

子育ては公的なものか、私的なものかという

議論は今でも大いに意味を持つと思います。

 

山川菊栄と山田わかはビジュアルも含めて

私の中のイメージとぴったりでした。

山田わかは他のメンバーと比べると

名前も知られていないので

取り上げられていて嬉しいです。

これを観た方で近代女性史に

興味がある方が増えることを期待します。

 

ただ女子大生と看護師の役名がないことが残念でした。

そして母性保護論争を通し

て想像力を獲得するという流れは説得力に欠けていました。

その点が少し残念でした。

 

脚本を書いた阿笠さんは与謝野晶子を題材にした

話をこれまで多数書いてこられ、

あえて女性だけが出演する芝居を作っているそうです。

本作品を本にもしています。

 

 

 

母性保護論争を詳しく知りたい方には

こちらの本もお薦めです。