HMS M.1 (EXTRAMODEL 1:100)
イギリス海軍M級潜水艦 M.1 ペーパークラフト
5月上旬より製作していたイギリス海軍M.1潜水艦
製作期間は12日程で完成です
戦艦並みの30cm砲を備える異例の潜水艦
大口径砲を搭載した潜水艦はいくつかの例がありますがその中でも30cm砲は
トップクラスの大口径です
配備されていた時期は第一次世界大戦時からその戦後の戦間期
この時代の潜水艦はまだ常時潜航できず、また魚雷は信頼性が低く高価な兵器であった事から
通商破壊のターゲットである商船などの非武装の船舶が相手なら至近で浮上し
搭載砲で威嚇して乗員を退避させてから撃沈する戦術が常でした
一方で商船側も自衛用の火砲を搭載したり、イギリス海軍においては
商船に偽装して逆に潜水艦を返り討ちにする擬装商船(Qシップ)の運用なども行い
潜水艦対策を行います
そんな潜水艦対策の流れの中でそれに対抗するために
潜水艦の水上火力を更に向上させる方向を模索したのが今回の
M級潜水艦となります
単装とは言え戦艦級の30cm砲、確かに命中すれば致命傷ですが
潜水中の再装填は出来ず、また砲身は僅かに左右に可動するのみでほぼ固定のため
照準を合わせるには船体ごと旋回する必要があるなど非常に使い勝手の悪い物でした
結局のところ潜水艦の水上戦とは潜水艦や魚雷の性能が発展途上の時点での
代替策に過ぎずそれらの発展に伴い潜水艦の戦闘の中心は水中からの水雷戦へと移り
砲撃潜水艦と言うコンセプトは過渡期の試行錯誤に終わります
3隻が竣工したM級潜水艦もM.1を除き主砲を撤去し別の用途に使用され
唯一主砲を残したこのM.1も訓練中の衝突事故により沈没
30cm砲は実戦で使用される事はありませんでした
さてそんな悲劇?のイロモノ潜水艦M.1号
メーカーはEXTRAMODELの1:100スケールモデルを製作しました
第一次世界大戦時の潜水艦としては大型の艦の上に
1:100と言うビッグスケールの為全長は90cmを超える大型キットです
今回はTwitter上での英国祭りコンペに参加するために製作しました
買ったはいいけれどなかなか手を付ける踏ん切りがつかなかったので良い機会を頂きました
フレーム部分はレーザーカット済みの別売り部品を使用
必須では無いですがフレーム部分だけでも相当のボリュームがあるのと
フーレム各部品の工作精度の誤差が全部組んだ時にバカにならない蓄積になるので
精度の良いカット済み部品があると大分製作ストレスは軽減されます、お勧め
同メーカーで同じく主砲を備えた潜水艦のスルクフ(1:200)を作った時には
このフレームの組立&工作精度の問題で後から発覚した歪みに苦戦しました…
フルハル潜水艦への苦手意識は大体こいつが原因、今回で克服できたでしょうか
因みにEXTRAMODELSというメーカーはポーランドの出版社
比較的低年齢向けと思われるディティールやギミックより作り易さを重視した
印象のモデルが中心のメーカーです
スケール統一によるコレクション性よりも一定コストで収録可能な最大サイズを意識しているのか
アイテムによってスケールがバラバラだったり
ラインナップされているアイテムが軒並み珍兵器だったりやや異色路線のメーカーです
同メーカーは日本の爆撃機なんてラインナップしてないのに
日本の誘導爆弾セットなんて出している時点で…
完成品の置場に困っている以外はなかなか楽しく作れた大スケールモデルでした
お次は何にしたものか・・・










