格差問題を考える
【送料無料】日本はなぜ貧しい人が多いのか |
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
日本の地方に豪邸街がないのはなぜ?北欧は本当に日本より年金制度が充実しているのか?人口が減少すると国力も衰退する?世界金融危機の影響はどうして日本で大きいのか?日本のエネルギー効率は断トツに高い?経済政策、少子高齢化、国際競争力、教育、年金制度について流布している通説を統計データと経済学的思想で「逆説的」に覆す。
【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 日本は大丈夫なのか/第2章 格差の何が問題なのか/第3章 人口減少は恐いのか/第4章 世界に開かれることは厄介なのか/第5章 経済の現状をどう見れば良いのか/第6章 政府と中央銀行は何をしたら良いのか
【著者情報】(「BOOK」データベースより)
原田泰(ハラダユタカ)
大和総研常務理事チーフエコノミスト。1950年生まれ。1974年東京大学卒。経済企画庁国民生活調査課長、同海外調査課長、財務省財務総合政策研究所次長などを経て現職。『昭和恐慌の研究』(共著、日経・経済図書文化賞受賞)、『日本国の原則』(石橋湛山賞受賞)などの著作がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
読みました。
原田氏の本も8冊目、あと残り2冊あります。
連続して読むと、同内容というかほとんど同じ箇所も多々ありました。
同じ本をあまり読み返さない自分には、読み返すのと同じ効果で好都合でしたが。
人口減少
年金
公共事業
格差
グローバリズム
など、通説をデータとグラフ、経済学的思考で覆すのがスタイル。
格差について。
統計的な検証によれば、もともとあった高齢者の格差が、高齢者の増加により大きくなっているそうです。
もちろん実感としての若者の格差を否定しているということではありません。(実際にデータでは30歳未満で格差は大きくなっている)ですが、この原因は構造問題ではなくデフレなど経済の停滞にあるとします。
グローバリゼーションも格差要因にあげられますが、賃金格差のデータでは高賃金国より、中低賃金国が拡大しているという、よくあるグローバリズムが途上国の低賃金による、先進国の賃金を引下げるというのとは違う結果をもたらしているのが現実ということです。
むしろグローバリゼーションは格差を縮小するといいます。貧しい国には先進国に商品を売ることで所得を得られ、先進国でも安価な商品により実質所得が高くなるからです。平均年収がいざなみ期以降減少したことも、九〇年代後半まで賃金の下方硬直性で下落しにくかった賃金が、雇用調整で失業者を増加させ下落したのでは。(デフレでは、企業にとって実質賃金は高くなっています。)
派遣が格差を増大させたというのも、1/3に増加した非正規にその原因を求めることが多いですが、これもその内容は派遣以外の非正規の増加があるようで、実体は収入の減少や失業で働きに出る主婦などが増加したことが要因とも言えるのではないでしょうか。
原田氏は格差を無理やりなくすことよりも、セイフティーネットが必要といいます。
政府の公共事業は非効率である。バラマキは悪くない。そのほうが人は受け取ったお金を合理的に使うでしょう。(ここでいう合理的とはその人にとってのことです)これは小さい政府とは違います。
年金のカット、生活保護の引き下げと対象の拡大などの必要性を感じます。