皆さんは旅における「沈没」という言葉をご存知ですか?
特に世界一周のような長い旅人であれば、一度は「沈没」を経験する、あるいは経験したのではないでしょうか?
今回はそんな「沈没」について考えてみます。
まず、旅における「沈没」とは?
Wikipediaから引用します。
長期間の海外個人旅行をしているバックパッカーなどが、旅行の本来の目的である観光を中断し、一つの街への滞在を目的としてしまうことを「沈没」と呼ぶ。
つまり、「毎日何をするわけでもなく無目的に一つの街に長期滞在をすること」と言えますね。「長期滞在」に具体的な期間はありませんが、自分や他人が沈没と思えばもうそれは沈没になるでしょう。僕の感覚としては、2週間以上の無目的の滞在はもはや立派な「沈没」です。
話は逸れますが、僕の手持ちの国語辞典(大辞林)で「沈没」と調べてみると、こんな結果が出てきました。
③の意味を見ると、ずいぶん昔から比喩的に使われていることが窺い知れます。もしかするとこれが派生して同義になったのかもしれません。言葉とは興味深いものです。
「沈没」する理由は?
さて、「沈没」の理由は人それぞれだと思いますが、最たる理由は「長期旅行の疲れによるもの」でしょう。その他考えられる理由として、その街の魅力に取り憑かれてしまったり、気の合う旅仲間ができて離れられなくなったり、あるいは本当に何もしたくない気分なだけだったりするかもしれません。
「沈没」しやすい街の条件として、いくつか挙げてみます。
個人的な感覚ですが、上位ほど重要度が高いように感じます。
①物価が安い
②食べ物が美味しい
③居心地の良い宿(日本人宿等)がある
④治安が良い
⑤気候が良く、街の雰囲気が良い。
⑥旅人が集まりやすい
⑦程よく観光場所やアクティビティがある
⑧(好きな人にとって)アルコールや葉っぱが手に入りやすい。
こんな感じでしょうか。
あと、最近では「ネット環境の良さ」も重要になってくると思います。あと「時間の流れがゆっくり」とか。
「こんな天国のような場所があるのか?」と思ってしまいますよね?
この広い世界にはたくさん「沈没地」があるんです。
だから皆そういう街に沈没してしまうのです。
まさに旅人にとってのバミューダトライアングルですね。
具体的な「沈没地」はどこ?
それでは、実際に世界に散らばる「沈没」しやすい街をリストアップしてみます。僕自身全て実際に行ったわけではないのですが、旅人の間で割りと有名な場所を挙げてみようと思います。(実際はこの他にももっと沢山あると思いますが)
・大理(中国)
・陽朔(中国)
・ラサ(中国)
・バンコク(タイ)
・パーイ(タイ)
・シェムリアップ(カンボジア)
・フエ(ベトナム)
・バンビエン(ラオス)
・ルアンパバーン(ラオス)
・カトマンズ(ネパール)
・ポカラ(ネパール)
・ゴア(インド)
・ハンピ(インド)
・プリー(インド)
・バラナシ(インド)
・マナリ(インド)
・イスタンブール(トルコ)
・ビシュケク(キルギス)
・ブダペスト(ハンガリー)
・ダハブ(エジプト)
・ナイロビ(ケニア)
・ラパス(ボリビア)
・クスコ(ペルー)
こうして見ると、インドが多いですよね。昔からインドは沈没スポットが多くて有名なようです。その他、物価の安い東南アジアや南米も沈没地としてよく候補に上がってきます。
この中でも最近僕がよく聞くのはエジプトの「ダハブ」ですね。
リゾート地なのに物価が安くて、居心地がよく、ダイビングのライセンスも格安で取得できるそうです。
「沈没」は是か非か?
さて、ここまでで「沈没」について理解できたと思いますが、この「沈没」に対して皆さんはどう思いますか?
「せっかく旅してるんだから、もっと有意義な時間を過ごすべき」
「一つの街に長くいることで現地のことを深く知れたり、ローカルの知り合いや旅仲間が沢山できるので全然アリ」
「程々に沈没するくらいならいいかも」
「旅の疲れを癒やすくらいならいいのでは」
「むしろ沈没したい」
などなど、いろんな意見があると思います。
僕個人的な考えは、「別に沈没も悪くはないけど(むしろ憧れる...)、2週間沈没してる時間があるのなら、3ヶ国くらい余分に周りたい」と思ってしまいます。
「沈没地を巡る旅」のススメ
「沈没」が良いか悪いかという議論は別にして、沈没しやすい場所というのは、言い方を変えると非常に魅力的な場所だとも言えます。(理由は上に書いた通りです)
そんな魅力的な街(沈没地)を巡る旅というのも面白そうですよね!世界一周を考えている方は是非テーマの一つに取り入れてみてはいかがでしょうか。
そして実際に「沈没」してみましょう(笑)



