葉酸は核酸の合成に必須の栄養素です。

葉酸が欠乏すると、赤血球合成が障害され悪性貧血を起こす恐れがあり、

妊娠初期に欠乏すると胎児の神経管閉鎖障害のリスクが高まります。

 

今回ご紹介する論文は精液中に円形細胞がみられる男性の治療に葉酸が有効かを投与前後の精液所見で比較検討したものです。

 

精液中にみられる円形細胞とは…

精液中にたまに精子以外の丸い細胞がみられることがあります。

これはまだ精子に分化しきれていない未熟な精子です。

 

対象は不妊症カップルの65人の男性

平均年齢は34.5歳

妻平均年齢は30.7歳

服薬期間は3ヵ月、投与量は1日15㎎

 

結果は

治療前平均精子数:9.72±1.13×10⁶/ml

治療後平均精子数:17.20±1.10×10⁶/ml

 

治療前平均円形細胞数:8.41±1.07×10⁶/ml

治療後平均円形細胞数:5.24±1.08×10⁶/ml

 

治療前運動率:15.33±1.10%

治療後運動率:29.95±1.07%

 

精子数、運動率が改善し、円形細胞数も減少しています。

また治療後6ヵ月間で24人が妊娠、17人が出産に至りました。

 

葉酸の1日の推奨摂取量は240㎍とされています。

(厚生労働省: 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書)

女性の場合、妊娠を計画しているもしくは妊娠初期の場合、240㎍+サプリメント等で400㎍が推奨されています。

また普段の食事には栄養バランスに注意してください。

成分によっては1日の摂取量上限を簡単に超えてしまうものもあります。

 

例として、レバーは100gあたり葉酸1000㎍を含んでいる優秀な食材ですが、多量に摂取するとビタミンAの過剰摂取の危険がでてきます。

(ビタミンAの1日当たりの摂取量700~900㎍RAE、上限1500㎍RAE

レバー100gあたり14,000㎍RAE)

ビタミンAの過剰摂取は胎児奇形の可能性があり、妊娠中の方は摂取量に注意してください。

 

精子の形成には約3ヵ月かかると言われています。

まずは3ヵ月間を目安に取り組み、難しい場合はサプリメントの服用を考えてはいかがでしょうか

 

参考文献:Folinic acid in the treatment of human male infertility.

Fertil Steril. 1993; 60: 698-701