最近また記事をアメトピに掲載していただきました。
ありがとうございます。
たくさんの方に読んでいただいているようです。ありがとうございます。
アメトピ経由で訪れていただいた方には以下の自己紹介も読んでいただけると嬉しいです。
私のような者でも「バイリンガル習得」とか「英語学習」について意見を求められたり、取材されたりすることがあるのですが、今年は...というか、しばらくはそのような依頼はお断りしています。
このブログでは実名は出していないのですが、読んでくださっている方の中にはリアル友もいるので、しばらくは娘の例を母親目線で書くぐらいにしておこうと思っています。
ただ最近、やたらと「帰国生入試の廃止 縮小」に関する記事やSNSでの書き込みを目にするので、ちょっと個人的な感想を書いてみたくなりました。
実際のところ、「帰国子女」という定義は私にはよくわかっていないのですが、文部科学省の定義によれば就学時に少なくとも1年、日本国外で教育を受けた人ということになります。私のように就学前(2歳〜)に海外に住んで、就学時には日本にいた人は「帰国子女」にはならないわけですね。
そして「何歳から何歳まで(期間)」「どこへ」「どのような教育を受けたか」によってかなり個人差が出ると思われます。そして「帰国子女」というくらいだから、日本に帰国していなくてはいけないわけで、大学入学時まで日本に帰国していなければ、日本国籍保持者であっても「留学生」と同じ扱いを受けるべきなんじゃないかというのが私の考えです。
ただしいくつかの大学が「英語だけで学位が取れるプログラム」を提供していて、留学生であれば、日本語力がなくても英語だけで入試を受けて、大学に入ってから日本語を学習すればいいそうです。もちろん日本語力も高ければ英語だけで学位が取れるプログラムに入っても日本語で授業が受けられたり、さまざまなアドバンテージがあるでしょうが、入学時には日本語力を問われない学部も数多くあります。
以前は「英語圏で、英語による教育を何年か以上受けていれば、英語の試験結果も出さなくていいし、AO入試(現在は総合型入試)の要領で、書類選考で合否を決めていたのが、これからは英語の試験の点数や英語圏の学生が受ける標準テスト(SATやACT)の結果と学校の成績などもださなくてはいけなくなったということのようです。
英語だけで学位を取れるプログラムの場合、教える人の英語力の問題もいろいろ話題になりましたが、このEMIという教育方法が大学で推奨されて10年以上になります。最近では日本語力も英語力もあるバイリンガル話者がアメリカと日本の両方の大学で学位を取って日本の大学で教えていたりするので、ひと昔前に言われた「英語で授業をやっているだけで、学びが浅い。教授側の英語力に問題がある」という例は少なくなってきたそうです。
親の仕事の関係で、幼い頃に海外に帯同させられ、自分の母語とは異なる言語で学習しなくてはいけなくなり、多くの場合、日本語でも学習を続けているお子さんたちが大学入試で優遇されなくなることに不満を持っている保護者の方や当事者がSNSなどに書き込んでいるのだと思いますが、私にはちょっと違和感があります。
我が子のように産まれてから今まで、ずっとアメリカで英語による教育を受けた子供でも、途中から違う国で教育を受けた子供でも、産まれた時からずっと親から習った母語だけで教育を受けた子供でも、大学で何語を使って何を学ぶかによって、同じように選抜されるべきだと私は思います。英語だけできれば「英語で学位を取れるプログラム」に難なく入れるのでもなく、日本語だけできれば「日本語で学位を取れるプログラム」に誰でも入れるわけでもなくして、大学が「ほしい人材」にどれだけ合っているかを証明できる手立てが必要ですよね。学力の場合は、これまで日本の大学は独自の試験を作って受験させていたわけですが、これからは共通テストを含む統一テストによる判定の仕方も増えてくるでしょうし、アメリカの大学のように標準テストで学力を測るのではなく受験者の可能性をなんらかの方法で探り、合否を決める大学も増えていくかもしれません。
だから「英語圏に住んで、英語で教育を受けたから、日本の大学に入りやすくしてください」とか「異文化でもまれて、苦労して二言語を習得したのだから、大学受験が有利でないとおかしい」とか言うのではなく、どんな環境であれ、自分が与えられた環境でどれだけ自分ががんばったか、そしてその経験がどれだけ大学で活かされるかを見てもらえるように努力したらいいんじゃないかと思います。
それと同時にいろいろ考えさせられるのが二重国籍や日本の在住外国人問題。本当に我が子は日本に住んで「アメリカで生まれ育った日系人」のアイデンティティを保持できるのでしょうか。言語よりも文化の壁が大きいような気がします。
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