内田洋子著『サルディーニャの檸檬』読みました | J'aime・・・

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私の好きな台湾、五月天、そして宝塚。
好きなものに囲まれた日常の出来事を書き留めていきます。

綺麗な表紙に惹かれて手にした本、内田洋子著『サルディーニャの檸檬』読みました。

クローバー作品紹介クローバー
イタリアの日常に潜む美しいものを描く
イタリア在住40余年の著者が描く、あまりにドラマチックな15話。ルネサンス時代から続く港町で、ペストの時代の感染との戦いに思いを馳せる『リヴォルノの幻』、サルディーニャ島でローマ時代から続く養蜂家一族の知られざる生を描く『香草』。代々本を行商してきた村人と、素朴で味わい深い食生活を描く『旨味』、極東で宣教する老牧師との対話を描く『聖痕』ほか深い人間模様を味わえる15編。
 
コーヒー 感想 コーヒー
 イタリア…、随分昔に2週間~3週間かけてほぼ一周した国。夏の暑い時期だったので暑さの記憶が大きい。よくぞ倒れずに歩き回ったもんだと自分を褒めたいくらいの旅でした。スリにあいそうになったナポリの地下鉄、ミラノでは隣で信号待ちしていた黒人男性がジプシーの子供たちに囲まれてボコボコにされました。なぜ、私を狙わず、おじさんを狙ったかいまだに不思議。お釣りの計算が合わないバチカン市国の郵便局(公務員やん)、出っ腹のおっちゃんが、くそ暑い中、コート着てておかしいなと思ったら、露出魔だった(笑)。「第三次世界大戦やるときはドイツ抜きででやろうぜ」とドイツ人の前で話しかけられたフィレンツェの宿。ヴェネツィア行きのクーラーが壊れた国鉄車内でストのため数時間も缶詰に。熱くて死ぬかと思った。そんな思い出が多い国。食べ物は世界一美味しいと思うけど、この国がローマ帝国のように世界のトップに立つことはないと思った。そんな印象のイタリア。だからイタリアに関する本を読んだことがない。地名や気候からくる感触に疎いのだけれど、著者の内田さんの文章がとても美しく優しいので、その光景や空気の感触、匂い、食べ物の味が五感に沁みてきました。人それぞれの生き方、悲しく切ないのだけれど、そのなかで、その人らしく生きている、その人を自分の目でしっかり捉えている内田さんの感性が伝わる一冊でした。イタリア人のファッションへのこだわりなど知らなかったこともたくさんありました。お国柄って面白い。
 何かと偏りがちのアタシ。もっといろんな国の色んな本を読んでみよう。そう思いつつ、フランス関連の本があったらつい優先しちゃうんだよね。もちろん台湾もそうだけど。