皆さん、こんにちは!
LinuxとPCをこよなく愛する与太郎です。
昔ならば考えられない気温となり、
体温と同じくらいに、暑い日々がつついていますが、
皆様は、いかがお過ごしでしょうか。
是非、水分をこまめに、熱中症には十分気をつけて
お過ごしください。
そういえば、今年の梅雨、何だかあっという間に過ぎてしまい
梅雨独特の長い雨期が、いつの間にか無くなっていましたのは
驚きました。温暖化の影響でしょうか・・・
はじめに:中古HDDの「中身」ってどうなってるの?
前回、HDD復旧ツールの驚くべき力をお話ししましたが、
実はその時、私はもう一つの大きな疑問を抱えていました。
「中古ショップやオークションで売られているHDD(SSDも含む)って、
本当にデータが完全に消えてるんだろうか?」
ということです。
見た目には空っぽに見えても、もし復旧ツールを使ったら、前の持ち主のデータがゾロゾロと出てきたら…?
これは、個人のプライバシー侵害にもつながる非常に恐ろしいことです。
企業の情報漏洩が社会問題になっている現代において、個人のPCの記憶媒体への危機感は持っておくべきだと感じています。
そこで、この疑問を解消するため、そして皆さんへの注意喚起も兼ねて、ある実験をしてみることにしました。
仕事帰りに某中古ショップへ直行し、80GBのHDD(復旧処理の時間を考えて一番小さいサイズを選びました)を購入。
(ショップ名等は伏せさせていただきます)
そして、USB外付けケース(愛用の玄人志向さんのもの)にセットし、PCに接続。
今回は「WonderFox Soft」社の「RecoveryFox AI」というツールの無料版を使って、
この中古HDDの中に、復旧できるファイルがあるか否かを徹底的に調べてみたいと思います!
(もちろん、このツールの本来の目的は、うっかり削除してしまったファイルや破損したファイルを復旧することですよ!)
1. なぜ中古HDDの中身を調べようと思ったのか?
最近、情報漏えいのニュースをよく耳にしますよね。
企業は個人情報や機密情報の取り扱いにとても敏感になっていますが、
私たち個人のPCなどの記憶媒体は、企業のそれと比べると、
安全対策が甘くなりがちではないでしょうか。
もし、見た目は空っぽの中古HDDであっても、
復旧ツールを使えば過去のファイルが簡単に見えてしまうとしたら…
最悪の場合、前の持ち主の個人情報が流出するリスクが潜んでいるかもしれません。
これは非常に怖いことです。
私自身、以前に
「うっかりファイルを削除してしまった」
「しばらく使っていなかったHDDのファイルが破損して開けなくなった」
といった経験があるので、
データ復旧ツールの重要性は身にしみて感じています。
今回の検証は、中古HDDの潜在的なリスクを探ると同時に、
そうした困った時の「お助けツール」としてのデータ復旧ツールの有用性を示す目的も兼ねています。
(皆さんは、本来の目的である「うっかり削除やファイルの破損からの復旧」で活用してくださいね!)
さて、今回使う復旧ツールは、先ほども紹介した「RecoveryFox AI」です。
公式ウェブサイトを見て、使い方が簡単そうだったのが選んだ決め手です。
無料版でも制限はあるものの、まずは試してみる価値はあると思い、
早速ダウンロードして実行してみました。
RecoveryFox AIの主な機能
「RecoveryFox AI」は、以下のような多彩な機能で、あなたのデータ復旧をサポートしてくれます。
幅広い復旧シナリオ
誤って削除、フォーマット、パーティション損失、ウイルス攻撃、
システムクラッシュなど、様々なデータ損失の状況に対応します。
多彩なファイルタイプ
写真、動画、音楽、ドキュメント(Word, Excel, PowerPoint)、
メール、アーカイブファイルなど、ほぼ全ての種類のファイルを復元可能です。
様々なデバイスをサポート
ハードディスクドライブ (HDD)、SSD、USBドライブ、SDカード、
デジタルカメラなど、様々なストレージデバイスからデータを復旧できます。
高速スキャンと深いスキャン
素早く失われたファイルを見つける「クイックスキャン」と、
より深くドライブを掘り下げて見つかる可能性を高める「ディープスキャン」を搭載しています。
プレビュー機能
復元する前にファイルの内容を確認できるプレビュー機能があり、
必要なファイルをピンポイントで復元できます。
2.いざ検証開始!RecoveryFox AIでの復旧手順
それでは、いよいよ検証を開始します。手順は非常にシンプルでした。
①まず、PCにインストールしたRecoveryFox AIを起動します。
②中古の80GB HDDをUSB外付けケースにセットし、PCにUSB接続します。
③RecoveryFox AIの画面に、接続されたHDDが認識されるので、それを選択します。
このあと、次のような設定もしました。
(デフォルトのままでもよいかも)
④「スキャン」ボタンをクリックして、復旧可能なファイルを探し始めます。
上記の次に、AIスキャンが始まります。
結構簡単なのがうれしいですね !
⑤スキャンが完了すると、復旧可能なファイルがリストアップされます。
何と、1/3程終えたところで、何と「90812件ファイルが検出」と表示が出たので、
これは厄介になりそうと思い、ここでいったん中断いたしました。
想定外に、多くの見つかったようですので、怖くなりました
もともと購入した際には、何もない空のドライブでしたが・・・
とはいえ、ちょっとだけ見てみたい欲望に駆られて復元後、
プレビューをしようといたしましたが、選択したファイル数が多すぎたのか
操作上の手違いか、やはり無料版ということなのか、ビュアーで見ることは
かないませんでしたが、今思いますと、その方がよかったかもしれません。
もし、見てしまったら、今後どうなることやら・・・
いやはや、これには非常に冷や汗が出ました
3. 驚くべき事実が発覚!まさか、こんなに…!
上記と重複いたしますが、スキャンが始まり、待つこと数分…
画面に次々とファイル名がリストアップされていくのを見て、
私は正直、驚きを隠せませんでした!
全くもって、尋常ではない数のファイルが洗い出されてきたんです。
本当に驚いています!!
ファイルの種類も画像、文書、動画など多岐にわたります。
もちろん、全てが完全に復旧できるわけではないでしょうが、
それでも相当数のファイルを復旧できることが確認できました。
これが個人情報や企業の機密情報だったらと考えると…
本当に厄介な事態になりかねません。
無料版のため、実際に復旧して中身を見ることはできませんでしたが、
この事実だけでも十分な衝撃でした。
これは、私たちが思っている以上に、中古の記憶媒体には前の持ち主の情報が
残っている可能性がある、ということを強く示唆しています。
4. なぜ中古HDDにデータが残るのか?「削除」と「消去」は別物!
今回の検証結果は、皆さんにぜひ知っておいてほしい非常に重要な事実を浮き彫りにしました。
それは、私たちが普段行っている「削除」や「フォーマット」が、必ずしも
「完全にデータを消去することではない」、という点です。
一般的なファイル削除や、Windowsなどで手軽にできるクイックフォーマットでは、
HDD上からデータが物理的に消えるわけではありません。
実際には、ファイルへの「アクセス経路」が消えるだけで、
データそのものはHDD上に残されたままなんです。
データ復旧ツールは、その残されたデータを読み取って、
あたかも復活させるかのように表示しているわけです。
だからこそ、見た目は空っぽの中古HDDであっても、
復旧ツールを使えば過去の持ち主のデータが簡単に
見つかってしまう可能性があるのです。
5. データ流出の危険性!あなたの情報、悪用されるかも?
今回の検証で明らかになったように、中古の記憶媒体には、前の持ち主のデータが残存している可能性が常にあります。そして、そのデータは悪意ある第三者によって悪用されるリスクを常に背負っていると言わざるを得ません。
過去には、実際に中古のPCやサーバーのHDDから、個人の情報が流出し、大きな社会問題になった事例が数多く報告されています。これは決して他人事ではありません。
実際に起きたデータ流出の恐ろしい事例
・神奈川県庁のHDD流出事件(2019年)
これは特に有名な事例で、神奈川県庁がリース契約を終えて返却したサーバーのHDDが、
データ消去を請け負った業者の社員によって不正に持ち出され、
ネットオークションで転売されました。
購入者がHDDの中身を復元したところ、
個人の税金情報、職員の評価、行政文書など、
非常に機密性の高い情報が大量に含まれていたことが発覚し、
社会を震撼させました。
この事件は、データ消去の重要性と、業者選定の難しさを改めて浮き彫りにしました。
参考情報: 神奈川県庁のHDD流出事件からの教訓 リース契約時の注意点と事業者の責任対策
・企業や個人のPC・HDDからの情報流出
神奈川県庁の事例のような大規模な事件だけでなく、
個人間での中古PCやHDDの売買、
あるいは廃棄時にデータが不完全に消去されていたために、
前の持ち主の社内文書、個人の写真、メール、顧客情報などが流出する事例は、
数多く報告されています。
例えば、フリマアプリで購入した外付けHDDに前の持ち主の社内文書が残っていた事例
(ラック社の情報流出)や、医療機関の診療報酬明細書が
残された中古PCが見つかった事例なども存在します。
参考情報: 私物ハードディスク売却後に起きた社内情報の流出についてまとめてみた - piyolog
参考情報: 総務省 | 中古パソコンによるデータの漏洩 | 国民のためのサイバーセキュリティサイト
海外での驚くべき調査結果
海外でも同様の調査が行われており、
中古で販売されたHDDの約60%に前の所有者の情報が残されていた
という報告もあります。
これは、データが適切に消去されていて、
全く復元できなかったHDDがわずか26%だったという結果とともに、
この問題が世界的な規模であることを示唆しています。
これらの情報が悪用されれば、なりすまし詐欺、金銭的被害、
プライバシー侵害、企業の信用失墜など、
取り返しのつかない事態に発展する可能性があります。
6.大切なデータを守るために!「復旧ツール」の活用と「消去」のプロフェッショナルになろう
では、私たちはどうすれば大切なデータを守れるのでしょうか?
答えはシンプルです。
「自分の身は自分で守る」意識を徹底し、データの「消去」に責任を持つことです。
記憶媒体を手放す際(売却・廃棄など)
個人がPCやHDD、SSDなどの記憶媒体を手放す際は、
必ず専用の「データ消去ツール」を使用してください。
単にフォーマットするだけでは不十分です。
データ消去ツールは、データを何度も上書きしたり、
特殊なパターンで書き込んだりすることで、
復旧ソフトでも読み取れないように、
データを完全に抹消してくれます。
最も確実なのは、物理的に破壊することです。
企業の場合、データ消去の専門業者に依頼し、
消去証明書を発行してもらうのが一般的で、
これは企業としては必須の対応となります。
中古の記憶媒体を購入する際
今回の与太郎の検証で、驚くべき事実が発覚しました。
中古のHDDやSSDを購入した際は、たとえお店で初期化済みとされていても、
必ずご自身で「データ消去ツール」を使い、
徹底的にデータを抹消してから使用してください。
そして、最終的にその記憶媒体の安全に対する責任は自分にある、
という意識を持ちましょう。
7.今回使用した復旧ツールについて:万が一の備えに
今回の検証で、中古HDDの恐ろしさを目の当たりにしましたが、
同時に「RecoveryFox AI」のようなデータ復旧ツールの強力な性能も実感しました。
製品情報: RecoveryFox AI
URL: https://www.wonderfox.jp/
価格プラン例 (2025年7月時点) :
・1週間ライセンス: 7,980円(税込)
・1ヶ月ライセンス: 9,980円(税込)
・1年間ライセンス: 20% オフの11,980円(税込)
・永久ライセンス: 30% オフの15,980円(税込)
個人的には、永久ライセンス版がおすすめです。
初期費用はかかりますが、私たちがPCを使う以上、
「うっかりファイルを削除してしまった」とか
「ファイルが破損して開けなくなった」といったトラブルは、
いつ、どのタイミングで発生するか分かりません。
そうした「もしもの時の保険」として、
こういったツールがあると非常に心強いと、
今回の経験で改めて認識しました。
私の今後のPCライフ(Linuxメインですが)にも、
欠かせないツールとなりそうです!
【余談】
HDDとPC間をUSB経由で接続する際に必要なHDDケースですが、
未だに愛用の玄人志向さんのものを使用し続けています。
いい加減購入しなければいけませんね。
それこそ、いつ、どのタイミングで、大切なファイルを
うっかり削除してしまったり、ファイルが破損して
しまったりするかわからないですから…。
早く環境を整えるため、早急に検討しなければいけませんね。
【重要なお知らせ】
データ復旧ツールの限界とリスク
今回の検証も含め、データ復旧ツールを使う際には、
いくつかの重要な注意点があります。
完全に復旧できるとは限らない
ファイルの破損状況や、データが上書きされてしまった
度合いによっては、全てのファイルを復旧できないことがあります。
ファイルが破損している場合がある
復旧できたとしても、ファイル自体が破損していて開けなかったり、
内容が一部欠けていたりする場合があります。
自己責任での利用
データ復旧作業は、非常にデリケートな作業です。
誤った操作は、かえってデータを失う原因にもなりかねません。
もし不安な場合は、専門業者に依頼することも頭の片隅に入れていただければと思います。
8.まとめ:安全なデジタルライフのために
今回の「中古HDD検証」は、私にとって非常に衝撃的な経験でした。
見た目は空っぽでも、そこには前の持ち主の「痕跡」がしっかりと
残っている可能性があるという事実。
これは、中古の記憶媒体の購入・利用、そしてPCを売却・廃棄する際の
データ消去の重要性を、改めて私たちに教えてくれます。
「RecoveryFox AI」のようなデータ復旧ツールは、
うっかり削除やファイル破損から大切なデータを救い出すための、
本当に強力な味方です。
私の今回の検証でもその能力を改めて実感しました。
もしもの時のために、ぜひ一度無料版を試してみてはいかがでしょうか?
マニュアルは、こちらをご覧ください。
また、何よりも大切なのは、日頃から定期的なバックアップをしっかり行い、
大切なデータを守ることです。
そして、記憶媒体を手放す際は、今回の教訓を胸に、
必ず専門のツールでデータを完全に消去する。
この二つの鉄則を忘れずに、
安全で快適なデジタルライフを送っていきましょう!