退職することは決まった。
ぼんやりではあるが、自分の生き方もなんとなく見えた。
しかし、何をやるかは決めていない。


ていうか、決まらない。


焦る気持ちはそんなに無かったが、決めなきゃマズイだろう。



世の中の起業をする人達には色んなタイプがいると思う。


成長産業で会社を大きくする人
衰退産業でやり方を大きく変えて成功する人
一気に会社を大きくする人
小さな会社を長く存続させる人
物をつくる人
物を売る人
・・・


挙げればキリが無い。



自分はどんなタイプなんだろう、と考えると、間違いなく売る人だろう。
高校、大学と理系出身ではあるが、物を作れる気がしない。
メーカーを立ち上げる方なんて、ほんと凄いと思う。



起業する時に考えておかないといけないことは山ほどある。
考えて考えて、やる段階になったら、あとは野となれ山となれだ。



何かにヒントを得ようと思い、ドラッカーの本を3冊ほど、
ランチェスターも、もう一回読み返してみた。



昔だれかが言っていた。起業するときは最初が肝心。
やり始める前に、どれだけ大局で考えて方向性を見出せるかが重要だと。



それならマーケティングの観点から考えようと、


PEST (政治、経済、人口構成、技術の進化の英語の頭文字)


SWOT分析 (もし~なら、強みは?弱みは?、そしてどうなる?機会と脅威を事前に予測する)


5ForcesAnalysis (事業戦略の5つの影響、業界の事を考える時に良いかも)


3C (自分、お客さま、競争相手の英語の頭文字)


BP (ビジネスプロセス、今当たり前な仕事の流れの中に機会を見出す)


といったフレームを使い、精一杯考えてみた。


















ダメだ、ぜーんぜんわかんねぇ。





10年間Rで働いてきて、何も出てこない。



なるほど、よほど意識的に自分につけたい能力を磨いていなければ、
独立したときには通用しないということか。



なかなか自分の得意分野を見つけられないこの時期に、
もしこれ以上、決断が遅かったら致命的だったと、ちょっとした恐怖を感じた。



その点、そこまで年をとっていないので、今なら、もしダメでもやり直せる。
会社経営を頑張って頑張って最後の最後にダメだったとしても、
食べていくには、まだ選択肢が残されている。
体力もそんなに衰えていないし、年収が半分に、いや1/3になったってイケル。



そう考えれば、この退職の決意は虫の知らせだったのだろう。





一方で、10年間Rで働いたおかげで見えたこともあった。



それは、いい会社とそうじゃない会社の見分け方。



仕事上、数百社の経営者の方々やその会社の社員の方々を見ることが出来た。


会社は、


「誰がやるか」 によって魅力的にもなり、そうじゃなくもなる。
そして、その次に大きな影響を及ぼすのは 「どうやるか」 だと思う。
どうやるかを間違えると、仕事は楽しくなくなる。
最後が 「何をやるか」 だ。何をやるかなんて、顧客の要望次第だ。
世の中の正式な順番は知らないけど、おいらはこれでいい。



「誰がやるか」



お前と一緒にやっていきたい、そう言ってもらえるような人にならなければ。



しかし、もう30年も経った今から挽回は出来ない。



これまでから判断される事は仕方ないとして、これからどう生きていきたいかは、
ハッキリと決める必要があるだろう。



どう生きたいか?



正々堂々と。


人に恥じないような生き方を。


潔く生きたい。


・・・










かっこよく生きたい!









創る会社は、かっこいい奴らの集まりにしよう。









会社が出来る10ヶ月前、それだけが決まっていた。










つづく。。。