幼い息子は現在、ハサミに夢中である。

そうは言っても、本物のハサミを貸すと、切ってはいけないものをザクザク切るので、

幼児用のプラスチックの、紙しか切ることが出来ないハサミを与えている。



昨日のこと。



なかなか切れ味が悪いプラスチックのハサミで、

上手く紙を切れずに、うーんと唸っている息子が、



「切れん!」



と、腹の底から怒りの声を上げた。

10分ぐらい格闘した後の事だった。



しょーがねーなー、と思い、



「どしたん?あー、ここをこうやって切ってみ」



と、紙の切り方をレクチャーしてやると、

一生懸命、手の角度を変えたり、紙の向きを変えたりしている。



「切れん!」



もう無理やわ!という感じだった。



Namizo- 「頑張れよ、こうやってこうやるんよ」


息子 「だって出来んもん!」


N 「こうやれば出来るよ」


息子 「もういらん」


N 「そーかー。じゃ、貰うよ」


息子 「いやー」


息子 「何でとうさんだけ出来るん?」


N 「テクニックかな~」



そう言うと、辛抱切らしたのか、スクッと立ち上がり、

おもむろに息子がキッチンの方に走っていく。



逃げやがった!



そう思ったら、





















息子 「とうさーん、テクニックどれ?」






スプーンやフォークなどが入っている引き出しを開け、

テクニックを必死に探していた。