先日AudioProjectさんが「100Vの電源品質は、問題起こす程(普通は)悪くない」と題した記事をブログにアップされていました。

 自分もそう思います。

 その記事を読んでもなお信じられないと言うか疑う方がいらっしゃるとは思いませんが、念のため電力会社がどのような電気を供給するよう義務付けられているかと言うことと、オーディオ機器メーカがどのような電源条件で機器を設計製作するよう指導されているかを明確にしておきたいと思います。

1. 電力会社は電気事業法第二十六条第一項と電気事業法施行規則第三十八条(電圧及び周波数の値)(注)により、維持すべき標準電圧を以下のように定められています(抜粋)。

  百ボルト    百一ボルトの上下六ボルトを超えない値 
  二百ボルト  二百二ボルトの上下二十ボルトを超えない値

2. オーディオ機器メーカーは電気設備学会の定める弱電機器として、製品の定格電圧に対して±10%の電圧範囲内で正常に動作するよう設計・製作されています。

 これにより、電力会社の供給電圧が標準電圧内で変動しても、オーディオ機器は正常に動作するように造られていることが判ります。

 よって、AudioProjectさんが言うように、「100Vの電源品質は、問題起こす程(普通は)悪くない」となるのです。

 もっとも家庭内で電気配線による電圧降下が問題になるほどの危険な使い方をしている場合は当然別の話になりますですので注意が必要ですね。
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注) 検索すると、「電気事業法施行規則第四十四条」と紹介しているサイトが数多くあります。

 例えば、日本電気技術者協会の下記リンク先のように...

 しかしながら、第四十四条は現時点の最新版では(振替供給条件の届出)に代わっているので、第三十八条(電圧及び周波数の値)が正しいと言えます。

 電子政府の電気事業法施行規則第三十八条のリンクを下記に記します。
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 難しい質問や要望を頂いても上述以上のことはお答えいたしかねます。どうぞご容赦ください。