前回記事の続きです
ウイルスってのは
大変小さいので
自身でタンパク質を
合成できないんですね
だから
動物とかの細胞内に
してっと侵入して
自身の情報を
(DNAとかRNA)
他人のプリンターで
増やしてもらうわけ
え?
そんなに簡単に
細胞に侵入できるの?
その辺は
科学です
細胞膜って
脂質とタンパク質が主成分
膜というと
サランラップみたいに
ビシッと固定された膜を
想像しがちだけど
平面流動的に
その形を保持している
だから、
親和性とか電荷とか
大きさとか
ある程度条件が一致すると
細胞膜が
その物質を受け入れるの
・・これ以上書くと
ガチの専門家たちから
指摘されそうだから
これくらいで・・
まあ、人間だけでも
37兆もの細胞がある
その一つ一つが
まるで丸ビルのオフィスビルの如く
個別認識カードで識別する
電子ゲートみたいな
ガチガチのセキュリティーシステムなんて
個々に持てるはずもない
ってのは
まあ想像しやすいかも
脱線しそう
話をまとめると
ヒトは古来から
ウイルスの細胞内侵入を許し
しれっとウイルスのRNAを増殖して
いやいやお前侵入者やろ?
って事で
体の免疫反応で
ウイルスをぶっ壊す
ってことを
繰り返し繰り返し
延々と続けていたわけです
去年風邪を引いたあなたも
一昨年インフルにかかったその子も
みんな一緒
体内で一定数
ウイルスのRNAを作って
体の仕組みでぶっ壊していたの
また脱線しそう
・・とにかく
mRNAワクチンの
アイディアは
突然舞い降りたものではなく
ウイルスを研修してきた過程で
その仕組みを応用できないかって
考え出されたもの
なんですよね
至極簡単に説明すると
ウイルスっぽいものを作って
先に免疫を作っちゃおう
って話
しかしですね
言うは簡単
やるは難し
なのは世の常で
いくつもの
超えなきゃいけない壁
があったわけ
でも、
これまで培われてきた技術が
一つの目的のために
集結されて
ワクチンを作り出した
それはまるで
青々としげる大木の枝葉を
下まで追っていくと
巨大な幹にたどり着くみたいで
調べていくと感動する
ポエミーですね・・
この辺り
またまた専門的な話に
進んでしまいがちなんだけど
主なる壁は
1)そもそも相手の設計図が手に入るか?
2)ウイルスっぽいものを作れるか?
3)いかにmRNAを安定させられるか?
こんな感じ
しかし人類
新型コロナワクチン製作に
皆力を合わせて
マッハで壁を乗り越えたんですよ
文字数大丈夫かしら・・
1)設計図の話
ガンダムで例えるかなあ?
わかるかな・・
注)以下公式さんから
画像を拝借
シャア専用ザクって知ってる?
通称:シャアザク
ザクとは違うのだよ
みたいなセリフがあるんだけど
実際、ザクと違うわけよ
ザク
ワクチンを作るとき
あまりに一般的な構造を
攻撃ターゲットにすると
大混乱を起こしてしまいます
足の一部分なんて
あんま個性ないから
そこをターゲットにすると
自軍のモビルスーツ(MS)まで攻撃して
大変なことになる可能性がある
というわけで
そのMS固有の部分を
探し出して攻撃する仕組みを
考えなきゃいかんわけ
そのためには
シャアザクの設計図の入手が
必要不可欠
なんですよね
この設計図の入手と公開が早かった
もう1年前くらい
中国の対応って
色々ツッコミどころは多いが
これについては
非常に迅速だった
最近
変異株が!
ってニュースが
やたらと流れているけど
この情報を
逐一世界で共有してる
って話ね
まあ、ゲノム解析についても
詳細なところまで
わかるようになった技術が
あるんですが・・
・・これも脱線するわ
というわけで
相手軍の設計図が
すぐに手に入ったから
みんなでターゲットを
必死に考えた
ツノだ
というわけで
設計図入手はクリア
文字数足りるかな?
2)ウイルスっぽいものを作れる?
実はこれは
他の研究で
すでに使われていた技術
特に
遺伝子改変系の研究ね
この分野の進歩って
本当にすごいんですよ
ノックアウトマウス
って言って
一部の遺伝子を
使えなくした実験用マウスを
初めて作り出したのが
およそ30年前
私が産まれた後の話
現在では
ノックアウトマウスは
特定の遺伝子を
狙って潰すのが可能になり
製作時間がおよそ1/10になったし
特定遺伝子改変できるから
ノックインマウスなんてのも
作れるし
siRNAってのを
細胞内に侵入させて
RNAiって現象を起こして
細胞内RNAを分解することもできる
これは、
一定のタンパク質合成を
阻害する
ノックダウンって技術です
この技術さえあれば
特定の疾患に対して
mRNAをターゲットに
治療ができるのです
遺伝子改変はすでに
研究から
治療の時代になっている
これ
数十年もかけて
いろんな研究者が
確立してきた技術
それがついに
花開こうとしていたのよ
コロナ関係なしに
・・あれ?
さっきの文章を
読み返してみると
siRNAってのを
細胞内に侵入させて
そうなんですよ
ウイルスっぽい挙動で
細胞何に特定の物質を
打ち込む技術ってのは
すでにできてたんです
世の中に出るニュースの裏には
恐ろしいほどに
進化しまくった技術が
大量に使われていたりします
mRNAワクチンは
新しい新しい
とは言うものの
使われている技術そのものは
研究者達の間では
すでに確立したもの
だったりします
ちなみに
上記のノックダウン系の研究ですが
細胞内の
特定のmRNAを破壊する
RNAiという現象
元々は、
動物的な免疫機構を
持たない植物系で
見つかった機能みたい
その後、
魚類や昆虫
哺乳類からも次々と発見されている
本当に
生命って
絶妙なバランスで
せめぎ合いをしているんですね
ウイルスが侵入したとしても
簡単に増殖させない仕組みや
獲得免疫によって
発症前に焼け野原にする仕組みもある
また脱線しそう
さて、
とにかく大事なのは
シャアザクを倒す作戦の話
設計図は手に入れたし
スパイを侵入させるための
カプセルも手に入った
あとは、
設計図のコピーを
簡単に壊されないようにする技術
これが大変
とにかくこれが大事なんですよね
だって
mRNAはマジで
破壊されやすいから
だから、
2)で紹介した
siRNAの操作では
理論上は
カプセルの中に
DNAでもRNAでも他の薬でも
入れ込むことはできるけど
mRNAを入れることは
基本的にない
理由は不安定だから
3)いかにmRNAを安定させられるか?
が最大の壁でもあるのに
新型コロナワクチンの
危険を煽る人たちが
やれRNAが残り続ける
やれDNAに取り込まれる
なんて話は
かなり頓珍漢な話だと
内心思われているであろう
たしかに
mRNAを安定化させるために
両端を少しだけ
修飾されているわけだけど
上記の心配は
まあ、基本的にありえない
だって
1)RNAはそもそも
分解されやすいし
2)仮に分解されなくても
注射するmRNAから作れられるのは
病原性のないツノ部分だし
3)いわんや、
DNAに取り込まれるって・・
じゃあ毎年風邪引いてる人のDNAは
一体どうなっとるんじゃ?
って話になる
どの方向から来ても
ありえない話
まあ、
あれなんですよ
反ワクチン団体さんとかは
本当にそうなんですが
科学的思考がないからこそ
科学者が考えつかないような
本当に頓珍漢な心配事が
突然湧いて
出てくるもんなんです
だって、
反ワクチン団体さんのトップって
いまだに天動説
(地球は止まっていて
宇宙が動いてるって概念)
を信じているようなので、、
さてさて
大分記事が長くなったので
実際の副反応や
すでに六千万人が接種した
新型コロナワクチンの
効果やらなんらやを
次回に紹介します
私自身の考えは
その次の回になるかなあ
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