医療個人情報とブロックチェーン | kyupinの日記 気が向けば更新
2018-02-05 01:39:26

医療個人情報とブロックチェーン

テーマ:精神科一般

今日はちょっと変わったエントリである。

 

精神科救急や輪番で診療中、患者さんが運ばれてきた際、その急患がいかなる薬を服用しているのかさっぱりわからないことも多い。特に大量服薬により意識がないなど。患者さんの情報があるかないかでは大違いである。このような時、お薬手帳があるとかなりわかる。PTP包装が残っていれば服薬量が推定できる。通院している精神科病院がわかれば、電話で現在の処方くらいは教えてくれる。ところがクリニックへの通院だと深夜は電話が繋がらないのでこのような対応ができない。単身生活者や行き倒れの人では情報はかなり限られる。個々の患者さんの薬の情報の共有手段として、1つにブロックチェーンがあると思う。セキュリティ面のリスクはブロックチェーンの技術によりかなり軽減できる。

 

ブロックチェーンはビットコインの出現で一般に知られるようになった。ビットコインの歴史的な概略を記すと、2008年頃からSatoshi Nakamotoという人物により、暗号通貨ビットコインに関する論文が発表された。この謎の人物は日本名であるが日本人である可能性はかなり低い。というのは、その論文は非常に流暢な英語で書かれており日本語がいっさい出て来ないこと。また、彼がネット上に論文発表した時間を考慮すると全く発表しない時間帯が存在し昼夜逆転がなければ、北米の中央から東の緯度の国々に住居がある可能性が高いからである。一時、オーストラリア人の実業家が名乗り出たが否定的に考えられている。

 

ビットコインは本来、価値のないインターネット上の電子屑のようなものであったが、ピア・トゥー・ピア型のネットワークにより運営され発展した。中央政府なしでも改竄が非常に難しいことや、上限まで発行されてもたった2100万ビットコインしかないなど希少性もあるため、次第に投機の対象になった。

 

史上初、ビットコインが物品と交換された日は2010522日である。この日、実店舗のピザ店で、Laszlo Hanyeczという名前のプログラマーが2枚のピザを1万ビットコインで買っている。1万ビットコインは現在価格では日本円で90億円相当である。(1ビットコイン=90万円で換算)

 

その後20107月にMt.Goxがビットコインの売買のサービスを開始。当時のビットコイン価格は1ビットコイン=7円くらいだった。Mt.Goxはその後、杜撰な経営とハッキングで破綻してしまった。(実際は経営者による横領の部分が大きいと言われている)

 

その後、シルクロード事件やキプロス通貨危機などの事件を経て、元々無価値だったビットコインは暴騰、暴落を繰り返し現在の価格まで上昇してきたのである。(キプロス国民は通貨危機の際に自動的に預金が10%減らされた。資産家は10%以上減額されている。そのような経緯がありキプロスでは大学の授業料などもビットコインで支払える)

 

ビットコインは日本のように通貨が信頼されている国でほとんど必要性を感じない。その理由はインフレと無縁なので、日本円を持ってさえいれば安全性が高いからである。ところが、世界には、自国通貨が信頼されていない国の方がむしろ多いくらいである。

 

2016年くらいまでは、ビットコインの価格上昇は中国が牽引していた。その理由は、中国は驚異的な経済成長を遂げたが、資産家は人民元を信用していないからである。万一の時、国外でも通用する資産が持ちたいということだと思う。中国人が日本でマンションを買いあさるのは、いったん買ってしまえば、返却する必要がないのが大きい。(中国は返済義務がある)。

 

ビットコインは2017年に値上がりしすぎたことと、取引量が激増したことなどで次第に送金時間がかかるようになった。また送金手数料が増加したため、銀行振り込みに比べてのメリットが小さくなってきている。たとえばフィリピンの人たちは海外に出稼ぎに行く人が多いが、本国への毎月、数万円の送金のために支払う銀行手数料がバカにならないのである。また送金当日に届かない。ビットコインはインターネット上で送金可能なので、20173月頃だと50円ほどで一瞬~数秒で送金できた。ビットコインは海外への少額の送金に適していたのである。

 

ビットコインが世界で重宝された理由は他にもある。世界的に銀行口座を持たない人が多い。これは日本人にはちょっと想像できない。世界の25億人は金融サービスへアクセスできないらしい。ところが、彼らは銀行口座は持たないもののスマホは持っているのである。(世界の人口の80%以上が5年以内にスマホを所有すると言われている)

 

いつだったか、テレビでアフリカでラクダをスマホで買っている映像を観たことがある。アフリカに行くと、ドルとユーロは通用するが日本円は使えないという国も多いらしい。

 

ビットコインを始め仮想通貨は2017年に歴史的な値上がりをし、2018年になってかなり大きな暴落に見舞われている。ビットコインは株などのようなファンダメンタルを持たないため、適正な価格がわかりにくい。ビットコインは110万でも高い感じだし、100万円でも今の発行数が1500万枚しかないのなら、そのくらいでも良いか?といった感じである。つまり、慣れてしまえばいくらでも違和感がないのではないかと思う。

 

ビットコインはドルや日本円のように中央集権的でない通貨である。それに対しリップルはそうではない。ビットコインは中央集権的ではないもののマイナー(コンピュータの計算力を提供し報酬を得る人たち)の意向が支配し、完全に分散的とは言えない。マイナーの利益が優先されて、なかなか送金が早く安くならないところがある。

 

先週くらいにコインチェックという日本でも大きな仮想通貨取引所がNEMというアルトコインのハッキングに遭い日本円を含む全て出金を停止してしまった。ただしコインチェック内がどのように預かり資産を扱っていたのかわからない状況で、金融庁が同社に立ち入り検査をする事態になった。預かり資産はひょっとしたら1兆円を超えるかも?といった規模である。

 

コインチェックで出金ができなくなったユーザーは気の毒としか言いようがない。一般に仮想通貨を購入すると自分のハードウォレット(レジャーナノやトレザー)に入れ、ハッキングされないように用心するのが普通だが、昨年末からの新しい参加者は、その辺りの警戒が甘かった面がある。また、仮想通貨にはハードウォレットで扱えないものもあり、自分のパソコンにサイトからウォレットをダウンロードし自分で管理しなくてはならず、ある程度の英語力やIT知識も必要とする。

 

銀行と仮想通貨取引所の大きな相違は、通帳に当たるものも自分で用意しなくてはならないことだ。また取引所からウォレットに送金するさいのリスクもバカにならない。昨年2月頃、poloniexというアメリカの取引所から自分のノートパソコンのウォレットに送金したところ、偶然フリーズが起こり、そのいくばくかのコインはブロックチェーンの闇に消えた。

 

つまり仮想通貨を扱っていると、いろいろな操作で潜在的リスクがあり、ストレスフルなのである。

 

今回のNEMのハッキングでわかったことは、多くの仮想通貨は匿名でありながら、完全に匿名とは言い難い機能を持ち合わせていること。つまり仮想通貨に比べると、円やドル札の方がずっと匿名性が高い。たとえば1万円札を手に入れた際、10日前とか1年前に誰が持っていたか全くわからない。一方、ビットコイン、イーサリアム、ネムなどは、自分のウォレットに入る前の経路がずっと辿っていけるのである。

 

今回のハッキング事件は、はからずもブロックチェーン技術の大きな可能性を知らしめている。

 

将来、ブロックチェーン上に個人の医療情報を記録することで、救急医療などでぜひ必要な情報が共有できるようになるはずである。

 

参考

日本人が記憶できる強いパスワードを作る方法

 

 

 

 

 

 

 

 

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