来年も来なくちゃいけないですか?という質問 | kyupinの日記 気が向けば更新

来年も来なくちゃいけないですか?という質問

この時期、今年最後の診察の際、挨拶をされる人が多い。たとえば「今年もありがとうございました」などである。

 

たまに統合失調症の患者さんでタイトルのように「来年も来なくちゃいけないですか?」といった質問をする人がいる。今年から治療を始めたのならわからないでもない。しかし、この人は昭和の時代から通院しているのである。

 

いかに疾患と治療の必要性が噛みあっていないかがわかる。

 

また、このように服薬の重要性がわからないのに、通院と服薬が続くのも驚異だと思う。この辺りも実に統合失調症っぽい。

 

森田療法などの実施の際に統合失調症の人は対象にならないなどと記載されていることがある。これは統合失調症の人の苦悩はその人の体の実感や思考に噛みあっていないからだと思われる。だから不適切なのである。

 

一般的な思考の流れ、AからB、そのあとCといった起承転結的なものがチグハグニになっていることがある。

 

ある患者さんは、さまざまな異常体験や行動異常があり医療保護入院になった。その人は、すべての窓を外から見えないように塞ぐ、イヤホンを常に付けている、テーブルの下に隠れる、電話線を切るなど家族の手に負えないような症状がみられたものの、全てのことは理由があり、実際に誰でもそうするでしょうといった反論をしていた。

 

これなどは、

1つ1つはそういうこともあるよねだが、総合的には十分に精神病

 

といったところである。

 

このような症状が抗精神病薬で改善するのもまた驚異だと思う。中世にはこれといった良い方法がなかったからである。