若い人の幻聴にラミクタールが効くメカニズム | kyupinの日記 気が向けば更新

若い人の幻聴にラミクタールが効くメカニズム

時々、患者さんから「ラミクタールは幻聴に効くんですか?」と尋ねられることがある。これはもちろん、ラミクタールの服用後、急激に幻聴が減少した人しか言わない。

 

このブログで時々記載しているが、ラミクタールは中毒疹が出なければ、欠点の少ない非常に良い向精神薬である。てんかんや双極性障害以外にも、広汎性発達障害や神経症にも補助的に精神症状を改善する可能性がある。

 

患者さんの中で電話中に幻聴が混入し始め、話が分からなくなるといった訴えをする人たちがいる。このような人たちは、統合失調症と診断されていたとしても、幻聴を自我異和的に訴えている点で中核的な統合失調症の精神症状と異なる。彼らは情報の伝達の混乱とか、2つ以上のタスクがうまくこなせないストレスなどで生じているように見える。

 

このタイプのある意味、器質性色彩のある幻覚はラミクタールが効いておかしくないのである。(広汎性発達障害やADHD

 

そのようなことから、普通はあまり出ないはずの抗精神病薬でEPSの副作用が出ている人ほど試みる価値があると言える。また、ラミクタールの量も12.5㎎隔日とか少量で劇的に効いたりする。

 

そうなる理由は、ラミクタールは幻聴を生じる脳の座にはあまり関与せず、単に整流しているだけだからだと思う。

 

つまり半導体のダイオードみたいなものだ。

 

ラミクタールの25㎎の半量の隔日投与は、その人の精神疾患の本質を見せてくれる点で、非常に有用な処方スタイルだと思う。