Red Hot Chili Peppers - Live at Slane Castle | kyupinの日記 気が向けば更新

Red Hot Chili Peppers - Live at Slane Castle


Red Hot Chili Peppers - Californication

読者の方からたまには音楽の記事をアップしてほしいといったメールが来る。特にモリッシーの記事の希望が多い。

モリッシーは音楽もそうだが、読者の方にはそれ以外でも共感できる人もいるようで、特別な人気がある。モリッシーのような海外のアーティストは日本ではあまり知られていないのもあると思う。

今回はRed Hot Chili Peppersを選んだ。Red Hot Chili Peppersはアメリカのバンドだが、ボーカルのAnthony Kiedis(アンソニー・キーディス)が環境保護団体のシーシェパードのスポンサーをしていることもあり、ややアップしにくかったことがある。

個人的に、Red Hot Chili Peppersは初期のアルバムはあまり好みではなかった。Red Hot Chili Peppersは基本的にはアルタナティブ・ロックに入ると思うが、色々な要素も混入していて、今のスタイルは極めて現代的で親しみやすいロックだと思う。

彼らの転換期は、結成メンバーのギタリスト、Hillel Slovak(ヒレル・スロヴァク)がヘロインの過剰摂取で死亡したことが深く関係している。アンソニーは、自分が(麻薬で)死んでもおかしくなかったという。ヒレル・スロヴァクの死亡後、アンソニーの楽曲はより情緒的なものになり、名曲と言って良い作品が増えた。

ロックの業界では、黎明期よりヘロインで死亡する事件が結構多い。ヘロインは違法薬物でも最凶と言われており、特に厳しく取り締まられている。オランダで日本では間違いなく麻薬に扱われる違法薬物の販売が許されているのは、ヘロインのような強い有害性を持つ薬物を流通させない意図がある。

つまり、軽い毒を許可し、強い毒がはびこるのを防ぐと言う方針である。オランダは、それがうまくいっていると自負している。

ヒレル・スロヴァクの亡き後、Red Hot Chili Peppersは、ギタリストがなかなか定着しなかった。その理由は、誰もヒレル・スロヴァクの代わりができなかったからである。

ところが、その後、歴代でも飛びぬけて天才と考えられるギタリストが加入した。ジョン・フルシアンテである。彼はライブ演奏を見る限り、あたかもよく画家が描くようなイエス・キリストのような風貌である。

ただし、キリストとの大きな相違は、ジョン・フルシアンテもある時期、麻薬にはまり、バンドを脱退して治療を行わなければならなくなったこと。日本公演中に突如、帰国しているが、これが大きかったと言われている。その後、治療を終えてバンドに復帰したが、現在は再び脱退している。

今回、最初に挙げた映像は、2003年8月アイルランドのスレインキャッスルの前に広がる敷地で行われたRed Hot Chili Peppersのライブ演奏である。

Red Hot Chili Peppersは最強のメンバーが集まる優れたバンドであるが、この日は特にジョン・フルシアンテを始め、コンディションが良かった。このライブはいかなるRed Hot Chili Peppersのスタジオアルバムより優れていると思う。

スレインキャッスルは、他のロックバンドもたまに演奏を行っているが、近年はなかなか許可が下りないらしい。環境の問題と維持費がバカにならないのもあると思われる。このライブはまだ明るい時間から始まるが、上の演奏ではもう日が暮れており、メンバーも暑さのあまりほぼ上半身裸になっている。Californicationは、後半に演奏された楽曲である。

なお、アイルランドはヨーロッパの中でも特別に悲しい歴史がある。イギリスの最初の植民地だった上に、長期にわたってイギリスへの重要な食料輸出国であったこと。アイルランドにおける特に悲惨な事件は19世紀のジャガイモ飢饉であろう。

ジャガイモは植えたことがある人はわかるが、ジャガイモをいくつかに切って、そのまま畑に植える。そうするとやがて芽が出てきて成長し、光合成を始め、それで得たエネルギーで再び多くのジャガイモが生育するのである。(無性生殖)

ジャガイモが南アメリカ大陸からヨーロッパに持ち込まれた際に、特にアイルランドでは遺伝子的多様性がなく、何らかの原因で疫病が持ち込まれた際に、なすすべがなかった。どのように疫病が伝染するのかよく理解できていなかったこともある。

アイルランドの農作物は、極めてジャガイモの割合が大きかったことや、飢饉の間もイギリスへの食料輸出が続けられたこともあり、全人口の少なくとも20%が餓死ないし栄養失調による疾病で亡くなった。またこの結果、全国民の10~20%が国を捨てて移民したといわれている。

また、最も悲惨なことは、飢饉の続いた5年間、アイルランドは食料の純輸出国だったことである。いかにイギリスに搾取されていたかわかる。

なんとアイルランドは、飢饉直前の1840年に約800万人ほどであった人口が、現在でも460万人しかいないのである。ヨーロッパでもこの時代に人口減少した国は滅多にない。

なお、1997年にイギリスのトニー・ブレア首相は追悼集会において、1万5千人のアイルランドの群衆を前に、当時のイギリスの責任を認め謝罪の手紙を読み上げたと言われている(初めての謝罪)。


Red Hot Chili Peppers - Otherside

Othersideの演奏の直前、アンソニーやベーシストのフリーが観客に向かい、君たちはどこから来たのか聴く場面がある。ダブリン、コーク、ウォーターフォード、シャノンなどを挙げているが、都市をいう度に、観客がわっと沸くものの、どの都市も人口的には決して大きくはない。アイルランドはダブリン104万を除き、大きな人口が集まる中都市がほとんどない。アイルランド第2の都市コークが19万人。同国5番目の大都市、ウォーターフォードで4万9000人。シャノンに至っては、空港があるが、人口は9600人ほどである。


Red Hot Chili Peppers - Can't Stop

Can't Stopでは、ジョン・フルシアンテも歌っている。特に最後のあたりのフルシアンテのギタープレイに注目。彼のギターの枯れた音色が素晴らしい。


Red Hot Chili Peppers - Scar Tissue

このライブは名曲揃いで、つまらない楽曲など全然ない。特にこの楽曲ではジョン・フルシアンテのギター演奏が光る。全く、フルシアンテがいるかいないかでは大違いだと思う。


Red Hot Chili Peppers - Parallel Universe

Parallel Universeは、普通のスタジオアルバムではたいした楽曲ではない。しかし、この演奏では、ジョン・フルシアンテのギタープレーをアレンジ的に強調しており、稀有と言って良い傑作となっている。是非、パソコンではなく、オーディオで聴いてほしい作品。


Red Hot Chili Peppers - Havanna Affair

嫁さんがレッチリをアップするなら、Havanna Affair を挙げろとうるさいので特別に追加。気に入っているらしい。

この楽曲はラモーンズによるものである。ラモーンズの記事は過去ログにある。

(おわり)

参考
Sheena is a Punk Rocker

モバイルで映像が動かない不具合を修正しました。