現在のエビリファイ液の存在意義について | kyupinの日記 気が向けば更新

現在のエビリファイ液の存在意義について

過去ログでは、同じ薬でも「錠剤や細粒より、液剤の方がより鎮静的に振る舞う」といった記載がある。

これはリスパダール液やセレネース液でもそうだし、デパケンシロップにもその特性がみられる。つまり、その特性をいかした剤型を選択すべきである。

エビリファイは、当初錠剤と細粒が発売された。その後、エビリファイ液が追加発売され、しばらくたってOD錠が発売になった。

元々、特に少量ではエビリファイは鎮静が少ない薬物なので、液剤についてもOD錠の発売以降、「果たして意味があるのか?」という感覚を持ったものだ。

なぜなら、1ヶ月に必要な薬代は、エビリファイ液は極めて高価な薬物なため、最高量の30mg処方した場合、リスパダールコンスタ50mgとたいして薬価は変わらないからである。これは経口薬としては著しく高薬価と言ってよい。

エビリファイは他の剤型と何が異なるかと言うと、他の抗精神病薬やデパケンシロップと同様、より鎮静的に作用することだと思う。表立って大塚製薬が宣伝しないのは、たぶんエビリファイが最も鎮静しない抗精神病薬だと、常にアピールしていることもありそうである。

僕はエビリファイ液を処方していた人にOD錠に変更した際、何度か奇妙な現象に遭遇した。全ての人では起こらないが、エビリファイ液から普通の錠剤やOD錠に変更すると、それまでの鎮静が失われ、不穏状態が生じやすかったり、不眠になりやすいのである。そういう人は、多少、高価であってもエビリファイ液に戻した方が良い。

このエビリファイ錠とエビリファイ液の作用の相違については、何度かアメブロメールでも相談を受け、上に記載したように返答している。

自閉性スペクトラムの比較的若い人でも、そのパニック症状やかんしゃくにはOD錠より液剤の方が成功率が高いと思われる。

エビリファイ液の鎮静作用の良いところは、セレネースやリスパダールのように、パーキンソン症状が生じにくく、軽いことである。ただし人によるとアカシジアは出現する。それでも、このような副作用も経験的には液剤の方が出現しにくい。

エビリファイの液剤は、今もなお、存在意義があるのである。