エビリファイ、「うつ病、うつ状態」の適応追加見込み | kyupinの日記 気が向けば更新

エビリファイ、「うつ病、うつ状態」の適応追加見込み

エビリファイは、2013年6月下旬に「うつ病、うつ状態」の適応を取得するという話だ。おそらくだが、これまでの大塚製薬の方針から、大安の6月21日か27日になるような気がする。

大塚製薬のホームページを検索すると、2012年9月に、

「エビリファイ®」抗精神病薬として日本初
うつ病・うつ状態の補助療法の効能申請


という記事がアップされている。この記事から1年も経たず適応追加を実現したことになる。エビリファイは、プラセボと治験を行ったらしいが、実は、

新しい向精神薬にとって、プラセボは強敵である。

プラセボは、精神科業界では効き過ぎる薬物?なのである。だから、プラセボに勝ったと言うことで効能効果としては十分であろう。

エビリファイのうつ病、うつ状態への治療の手法だが、3mgから開始し15mgまで増やせることができるという。つまり、双極性障害や統合失調症の治療より上限が低い。

効能・効果の欄にはおそらく記載されないと思うが、SSRIやSNRIなどの抗うつ剤で十分な効果が得られない患者さんに推奨されるようである。

エビリファイは、統合失調症、双極性障害、うつ病など主要な精神疾患に処方できるオールマイティーな向精神薬になったが、その人に合う合わないは、また別な話。

結局だが、一部の患者が「効果がない」「副作用が出た」ということで、否定的に評価するのは、全く想像力を欠く視野狭窄な意見である。なぜそういう風に結論付けるのかわけがわからないと言える。

なお余談だが、あの強力な抗うつ剤、サインバルタは最初の治験で、プラセボに対し有意差が得られず「治験として」敗れている。

参考
単極性、双極性の激うつ対策本部
エビリファイはなぜうつに効くのか?(前半)
エビリファイはなぜうつに効くのか?(後半)
精神科医と薬、エイジング
この記事から考えるに、既にエビリファイは広く処方されていたため適応追加は新薬よりは容易だったと思われる。