重く薬が入ってるのに3ヶ月に1度しか来院しない | kyupinの日記 気が向けば更新

重く薬が入ってるのに3ヶ月に1度しか来院しない

結構な量の向精神薬を処方していて、3ヶ月に1度しか来院しない人がいる。結構な量とは、例えば、

サインバルタ 40mg
リフレックス 15mg
ロヒプノール 2mg
ハルシオン  0.25mg
メイラックス 2mg


このような処方。この処方で1ヶ月処方して、3ヵ月後に再診するのである。結局、この患者さんは年間4回しか来ない。

いったい、その3ヶ月間はどのように薬をやりくりしているのか不思議と言えた。

主治医はこんな時、平均して少量しか飲んでいないか、数日に1回しか服用していないのでは?と思う。

実際、仕事のない土日とか、連休中は飲まないと言う患者さんがいる。このような人がいることを見ても、向精神薬の離脱はインターネット上で叫ばれているほど大きいものではないことがわかる。(確かに離脱が酷い人もいるが、そのような人は、そうではない人に比べむしろ少ないか稀なのである)

上に挙げた処方の患者さんは、3日に1度とか、2日に1度しか服用しないらしい。それで済んでいるんだから、たいしたものである。

僕は、そのような飲み方をする人はハルシオンは向かないので、他の薬に変更しましょうか?

と助言したが、ハルシオンは効くからそのままで良いという。

主治医からしたら、処方日数以下で早めに来院する人も困るが、このように平均して滅多に来ない人も、どうしたものか?と思案するものだ。

このように滅多に来ない人の一般的な処方は、

デパス 3mg


とか、

ソラナックス 1.2mg

だけ処方しているような人の一部でみられる。僕はデパスもソラナックスもなるだけ使わないタイプの精神科医なので、この処方は明らかに他院からの転院患者さんである。

このような患者さんは、1日当たりデパス0.5mg錠を6錠貰っているものの、日々、調整して数錠飲むことで、数ヶ月は持たせている。ソラナックスも同様である。つまり病状もかなり軽い。

こういう人なら、あまり不思議に思わないわけ。

しかし、最初に挙げた処方で、数ヶ月に1度しか来院せず、しかもある程度、定期的に来院しているのが凄いと思う。このような人はやがて来なくなることも多いからである。

ひょっとしたら・・
服薬してもしなくてもあまり体調が変わらないとか・・


と言ったところ、「薬を飲むと気分が改善するしよく眠れるので必要」という。病院にかかるようになって、仕事がかなり楽にできるようになったので服薬は続けると言うのである。

本当に、色々な服薬の仕方をする人がいるものである。

1度だけだが、3日に1度だけ服薬するように言われている患者さんが転院して来た。その人は10日分処方して、約1ヵ月後に再診する。

その薬は、もう何だったか忘れてしまったが、わりあい離脱があるとされている薬だったので、前主治医のその指示も含め、驚いたことがある。

精神医療の世界も、意外に広いと感じたものだ。