デパス、ソラナックス、ワイパックス | kyupinの日記 気が向けば更新
2013-01-13 16:30:09

デパス、ソラナックス、ワイパックス

テーマ:リボトリール
このうち、デパス、ソラナックスは転院した人に、よく処方されている薬。

デパスに関しては、内科や整形外科などからの転院の人もよく服用している。たぶん、他科の医師には、かなり処方しやすいんだと思う。

今回の記事のテーマはなぜかリボトリールになっている。この意図だが、最後まで読むとわかる。

タイトルだが、これら3つが処方されている人は、転院してもほとんど止める気がないこと。だからそのまま使っている。

本人が止めたいと言えば、それなりに止める作戦を考えるが、止めたいなどと言う人は100人に1人くらい。完全にファンになっているのである。

自分の場合、新患にはデパスなど処方しない。何らかの経過で、デパスを処方することはないとまでは言えないが滅多にない。経過中、かなり対応に困ったときである。

単極性、双極性の激うつ対策本部」という記事の中の個人的意見に、「デパス付加」という笑えるものがある。このように書いていることこそ、あまり使っていない証拠である。

安易に処方しない理由だが、基本的に患者さんも自分もだが、楽をしないためである。

いきなり良くなって心証が良いとは言え、誤魔化している感じが相当にするから。同じような理由で、ほとんどドグマチールも処方しない。

ドグマチールを使うケースは、使えば、嘘みたいに今の酷い症状が消失するのがわかりきっていて、すぐに必要でなくなるような人である。

結局、自分が最初から診ている人にはデパスなど処方していないのに、他の病院から来た人にはいつまでもこの3つが残る結果になる。

いつまでも止めない理由だが、それらの薬が明確に悪影響を及ぼしているケースは、意外に稀で、一生飲んでも無問題に見えるため。

細かいことを言えば、高齢になればベンゾジアゼピンの筋弛緩作用は相対的に重くなり、転倒しやすくなる。ロヒプノールが高齢者に用量制限されているのはそのためだ。しかし、高齢者でロヒプノールを飲んでいる人は、若い頃から統合失調症や非定型精神病で重い人が多い。だから高齢になり服薬し始めた人と同じではないし、車椅子やほぼ寝たきりなどで、筋弛緩作用が問題になりにくくなっている。

過去ログにもあるが、ベンソジアゼピンは肝障害がほとんど出ない。また肥満を来たし脂肪肝になることもない。

本人が止めたいと言わないのに、こちらから無理に止めさせるのはどうかと思うのもある。抗不安薬は、服薬するかどうかは任意のものである。

自分の場合、ベンゾジアゼピンは眠剤で使うか、日中に処方するなら抗てんかん薬であるリボトリールを処方する。あるいはメイラックスくらいである。不安が強い人や統合失調症の人にはレキソタンなどを使っている。

近年の精神医療の傾向としては、不安はベンゾジアゼピンより、抗不安作用を持つ他の向精神薬が処方されるようになった。なお、ベンゾジアゼピンは海外で叫ばれているほど有害な薬物ではないし、あのように言っているのは、特にヨーロッパの人は、向精神薬が基本的に嫌いなことが大きい。(ハルシオンの記事を参照)。

従って、タイトルの3剤のうちデパスとソラナックスは出番がほとんどない。ワイパックスもほとんど使わないが、前者2剤よりはまだ処方する。(参考

そういえば、過去ログに「リボトリールはベンゾジアゼピンでは唯一、社会不安障害に有効」という記事がある。

なぜリボトリールなのかというと、リボトリールは抗てんかん薬の中ではかなり服薬しやすく、不安に効果があり、しかも半減期がかなり長い。また、特別な病態の人を除き、0.5mgだけで十分なのがよろしい。

しかも、止められない人がほぼいない。(←重要)

過去に自分の患者さんでこれが中止できなかった人が1名だけいる。この人の場合、リボトリールを止めようとすると、どうしてもむずむず足症候群が出るため中止できなかった。本人によると、初診する前に既にこのむずむず足症候群があったという。治療しているうちにいつの間にか消え、そのことを忘れてしまっていた。ところが、リボトリールを中止しようとした際に、0.25mgより少なくすると再現したのである。

注意したいのは、ベンゾジアゼピンの離脱で難渋する人は、かなり稀であること。少なくとも経験的はそうである。これは、ベンゾジアゼピンで離脱を経験した人がインターネット上で、大きな声で宣伝しているため、誇張して捉えられている。ベンゾジアピンごときで離脱で苦しむ人は、他のSSRIやSNRIでもたぶん離脱症状に苦労すると思われるので、なお更、向精神薬が危険に見えるのであろう。

おそらくだが、ネット上の人々は、平均的な向精神薬の忍容性に及ばない人が多いのである。これはネット上に広汎性発達障害の人が集まりやすいことも関係している。だから、日常臨床の精神科医の印象と乖離が生じるのである。(参考

リボトリールは、むずむず足症候群に有効だが、日本では正式な適応がない。日本で適応が取れている薬物は、ビ・シフロールとレグナイトだが、リボトリールで効いているものを、わざわざ高価な薬を使う価値がない。

ビ・シフロールとレグナイトは、副作用的にリボトリールより価値が高いわけではないし、不安に効かないからである。レグナイトに関しては、ガバペンのプロドラッグなので、多少はうつや不安に効くと思う。多少ね。

このように考えてみると、半減期が短く、ファンになりやすいデパスより、精神科医的にはリボトリールの方が好ましい。リボトリールはその実力に比べ、評価されていない向精神薬の1つである。


その理由だが、リボトリールはベンゾジアゼピンなので、抗精神病薬のEPSを抑えるなど、他の薬物の副作用を軽減する面もある。1剤で2つ以上の仕事をこなしている場合も多く、例えば上記のむずむず足の人は、社会不安障害に加えむずむず足にも効いている。このようなメリットのため、デパスより遥かに有用だからである。

ニセモノの双極2型を治療していると、完治する前段階で、リボトリール単剤の時期が出現する。

やはり、リボトリールは抗てんかん薬であり、躁状態に効かないものの気分安定化薬の特性を持ち合わせているためと思われる。

ラミクタールはほとんど躁状態に効かないばかりか、躁転の副作用を持ち合わせるくらいなので、リボトリールを気分安定化薬と呼びやすくなってきたと思う。

ラミクタールが気分安定化薬なら、リボトリールもプチ気分安定化薬である。

参考
向精神薬の離脱症状と精神科医
ベンゾジアゼピンを止めないとリストカットは治らないのか?
レグナイト
ハルシオン
線維筋痛症のテーマ

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