アリセプトのジェネリック | kyupinの日記 気が向けば更新
2012-03-05 23:05:53

アリセプトのジェネリック

テーマ:認知症
2011年11月28日、アリセプトのジェネリックが発売されている。アリセプトは世界で広く発売されているアルツハイマー型認知症の薬で、日本ではこの薬以外に認知症の進行を抑える薬がなかったため、多くの患者さんに処方されていた。(今でも処方されている)

過去ログにも記載しているが、アリセプトは認知症が出現した初期に使うと、少し脳の機能が復活する。アルツハイマー型認知症の場合、最初に家族に気付かれるのは健忘だが、例えば、いつも日記をつけていた人がぱったり止めるなど、そのタイミングで初診すると日記を再開したりする。

こういうケースでは、アリセプトはやはり効くこともあるのを実感する。

アルツハイマー型認知症の場合、既に進行した場面で受診することも稀ではなく、そういう人にアリセプトを処方してもあまり意味がない。薬代がもったいないだけでなく、副作用の恐れもあり使わない方がむしろ良い場合もかなり多い。

一般的には、アルツハイマーだけでなく種々の認知症に処方しても、全然効かなくてもおかしくない薬がアリセプトなのである。(←重要)

アリセプトはコリンエステラーゼ阻害を通して効果を発現する。アリセプトは近年はレビー小体型認知症などに効くことが話題になっているが、もちろんアルツハイマー型認知症に今でも結構処方されている薬である。

レビー小体型認知症の場合、劇的に効果が発現するケースもある。ある日、リエゾンで高齢の女性に、アリセプトのジェネリック(ドネペジルOD)を処方してみた。

その女性は、「シーツに虫がいる」と幻視を訴えていた。その話がちょっと面白い。

部屋の中に虫がたくさんいて、その中に親分がいる。自分で叩いている。

という。この話は架空のものでもなく、その年の夏に自宅で同じような出来事があったらしい。初診時に、

抑肝散    7.5g
ドネペジルOD 1.25mg


処方してみた。その後、1週間ほどで虫は消えてしまったようなのである。アリセプトのジェネリックでも、効く時はやはり凄いものだと思った。その診察時の彼女の話だが、

男の人が来て、部屋の掃除をしてくれた。それでいっぺんに虫がいなくなった。

らしい。このオチは思わず笑ってしまうというか、個人的にずいぶん和んだ。このような物語性のある幻覚もレビーっぽいが、彼女が真にレビーかどうかはあまり興味がない。とにかく良くなればそれで良いから。ドネペジルOD処方後、精神面はかなり穏やかになった。これは看護、介護者全員の意見である。このようにアリセプトは効く時は効く(なんだそりゃ?だが)。

アリセプト(ドネペジルOD)の副作用だが、よく見られるのは消化器症状(吐き気、食思不振)である。消化器症状を放置してそのままアリセプトを処方し続けると消化性潰瘍になることがある。心臓にも悪影響を及ぼしQT延長なども来たしうる。また、過去ログではFTDではかえって精神症状を悪化させる面があると記載している。(前方型では、認知症の人の精神症状を悪化させうる。)

あまり意味がない人は中止し、抑肝散かフェルガードくらいを処方しておくのが無難である。

フェルガードはこのブログでは初めて出てきたが、保険適応がないもののエビデンスもある認知症へのサプリメントでアマゾンでも買える。毎日使うには高齢者にはやや高価なのが難点。

フェルガードは自然のものから作られているので、副作用がほとんどないのは良い。フェルガードの成分には主にフェルラ酸とガーデンアンゼリカの2つがあり、

フェルラ酸
βアミロイドの産生抑制および毒性を弱める。
フリーラジカルの抑制。


フェルラ酸が効くと便通も改善する。

ガーデンアンゼリカ
アリセプト類似の作用。つまり副作用もありうる。


フェルガードは興奮が目立つタイプの認知症に使い、ニューフェルガードは意欲が低下し不活発なタイプの認知症に使う。だからニューフェルガードは認知症の興奮状態には使わない。(←重要)

フェルガードはアリセプトに比べ認知症のタイプを選ばない。だから、その点では例え効かなかったとしても使いやすいとは言える。(特に前方側頭型とレビー小体型認知症)フェルガードはいくつかのサイトで詳しく解説されているので興味のある人は検索してほしい。

ある時、僕の友人の治療で打つ手がなく困り果てて、フェルガードを使ってみた。(参考

なんとフェルガードを服用した翌日に希死念慮がうわっと出現したのである(もちろん中止)。このようにフェルガードは脳に作用しているのは間違いない。

最近発売された認知症の薬では、メマリーが傑出している。極めて少量で効果が出る上、5mgを越えて処方すると、かえってイライラしたり副作用が出る人もいるので、添付文書通り単調に増量するとかえって失敗することもある。

これは日本の高齢者はそこまで薬に強くないことが1つ。なぜなら2.5mgで穏やかになる人もいるからである。また、やはり治験時には医師が慣れていないこともあり、あまり薬が効かないんだと思う。(ジェイゾロフトのように)。(参考

アリセプトがそうだったように、メマリーも規則通り増量しないとレセプトで減点されるとしたら、これほど人間の忍容性の個人差を考慮しないルールはない。それは薬剤費の無駄使いだけでなく、患者さんの副作用の点でも有害である。

さて話は戻るが、今回のアリセプトのジェネリックは、先日アップしたリピトールのジェネリックに比べ製造が易しかったようで、33社が発売し競合している。

これは大変なカオス状態で、各社競争のあまり安売りをし、初めてジェネリックが発売されたにしてはかなりの薬価差益があるようである。

アリセプトは高価なわりに効かない薬と認識されているところがかなりある。

例えば、ある老人を介護保険の施設に入所させようとしたら、

アリセプトを服用している人はお断り。

と言われることがある。これはアリセプトが高価なのと、どうせ効かないと思われていることが大きい。(アリセプトを処方されていると利益が減るから)

元々、アリセプトは薬価が高かったこともあり、ジェネリックも薬価に関してはかなり高価である。だからこそだが、アリセプトに限れば、急速にジェネリックへの切り替えが進みガンガン処方されてもおかしくない。

これはたいして効かないと思われているから、ジェネリックがかえって使われるという意味。

効かない薬のジェネリックは医師もジェネリックを処方するのに心理的抵抗が少ない。(副作用を考えると良いはずはないが)。

これはある種の「コペルニクス的転回」と言える。

参考
認知症のテーマ
レビー小体病とラミクタール

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