6人兄妹で5人が発病 | kyupinの日記 気が向けば更新
2008-11-11 20:49:40

6人兄妹で5人が発病

テーマ:プロピタン
僕の患者さんで6人兄妹で5人が統合失調症の人がいる(実はこういうパターンをどの病院でも必ず診る)。

その5人中、4人を診ているのだが、診ていない1名は他病院に今も入院中であり、詳しい病状は知らない。少なくとも精神科病院に長期入院しているのでそのレベルだと思っていた。うちの患者さんの4名は全員外来レベルなので、つまり治療がまだうまくいっているのだろう。

不思議なことに、この4名は薬がけっこう違う。1名はリスパダール。1名はプロピタンとリスパダール。1名はプロピタン単剤。あと1名はセレネースとセロクエルである。全員、量は多くはない。実はこれらの処方はもう5年以上前からほとんど変わっていない。

① 
アキネトン   0.5㎎
リスパダール  1㎎
セパゾン    2㎎


プロピタン   100㎎
リスパダール   1㎎
アキネトン    1㎎
ユーロジン    2㎎


プロピタン    80㎎


セロクエル    50㎎
セレネース    3㎎
アーテン     4㎎


上の①~④の人はいずれも他の薬は処方していない。

どうも最初はすべて前医、つまり先代の院長の処方と思っていたのだが、こういう風に見ていくと、リスパダールは僕が追加したわけで、僕の処方変更も含まれていることがわかる。(僕がうちの病院に来るまでリスパダールは採用されていなかったため)

この家系の人たちは、ジプレキサ、エビリファイが合わない。だからリスパダールなども使っている。面白いのは彼らにはプロピタンは比較的良いということだろう。特に④の人はセロクエルの前はプロピタンが処方されており、個人的にこれが長期的予後を良くしたと思う。この人に限れば、プロピタンよりセロクエルの併用が優れている。相手がセレネースだし。(参考1参考2

プロピタン80㎎の人だが、これを50㎎に漸減するだけで悪化する。しかし80㎎に戻すとしばらくしてかなり良くなるのである。この人にとって、プロピタン80㎎は必要かつ十分な量なのであった。これはリスパダール換算で、たった0.4㎎に過ぎない。

この4人のうち、④の人が最も症状が軽く、障害年金も貰わず、ずっと就労しており退職後も延長してまだ働いている。副作用は振戦、口渇、便秘など全くない。この人はやがて結構な額の年金を貰えるようになると思われる。

このような家系では、その子供も病気が出そうだが、必ずしもそうではない。④の人はもう還暦も過ぎているが、その子供は全員健康な上に、学力に優れ、とても才能があるんだな。しかも1人息子とかそういうのでもない。(複数人)

もう還暦を過ぎたような人なので、子供も若くはないわけで、もう統合失調症が発病するには、遅すぎるといったところ。実際、もう100%安全圏だろう。なにかあったとしても非定型病像だと思われる。

しかし・・

その子供の子供、すなわち本人の孫に当たる人たちが、大丈夫かというとそうでもない。このような統合失調症の遺伝形式は非常に興味深い。

最近そのような相談を受ける機会が立て続けにあった。つまり患者さんの子供はすべて健康なんだが、その子供(つまり孫)になんらかの精神疾患が発生しているようなのである。(まだ思春期で正体は不明。僕が直接診たわけではないし)

僕の患者さんで両親がともに統合失調症で、その子供3人がすべて統合失調症の人もいる。この家系は子供はすべて重く全員が入院中だ。僕が診ているのは1名だけで、その男性は過去ログでも出てくる。(参考のうち最後の人)他の2名は他病院で入院中なのである。

どうも、僕の患者さんだけは今後退院できる可能性を秘めていて、3人のうちでは最も病状が軽いと思う。(他の兄妹は面会時に見たことがあるので)

最初の話と矛盾するが、同じようなエビリファイ+リスパダールを他の兄妹にも試すべきと思っている。というか、使ってみたくて仕方がない。自分の患者さんでないのでどうしようもないのだが・・

ところで、上に両親がともに統合失調症と書いているが、本人はそうは思っていないんだな。カルテにはしっかりそのように家系図に記載があるので、先代の院長が目視で診断しているのである。つまり、その患者さんの父親は統合失調症ではあったが、治療をする必要がない程度で、しかも社会的にも成功している。(遺産がかなりあった)。

今日の内容は暗示的であり、今後、重要なテーマで再び「参考」に出てくるので憶えておいてほしい。


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