2007-04-29 13:01:40

アナフラニール、トリプタノール、ノリトレン

テーマ:ノリトレン
アナフラニールは、不安が強いうつ状態には非常に効果的で、さほど眠さもない。だいたいパキシルなどのSSRIでうまくいかないパニックは、アナフラニールくらいで治療するしかないと思う。アナフラニールは点滴をすることも可能なので、早く治療したいという面では非常に便利だ。アナフラニールは、不安に関してはけっこう即効性があるように思っている。うつ状態への効果もなぜか早い。副作用は、口渇、便秘などの自律神経系の副作用が普通に出現するが、これは個人差による。続けるのが難しい場合は、もう少し副作用が少ないアンプリットなどを選択せざるを得ない。

うちの病院では、3環系では、アナフラニールは結構出番が多い薬に入る。もともと人格障害系の人には抗うつ剤ならアナフラニールが定番なのである。(メジャートランキライザーなら現代社会ではセロクエルだと思う)最近、不安焦燥感、抑うつ、心因痛、事故多発傾向の人が入院して来たが、アナフラニールの点滴治療(内服も)で2~3日であっと言うまに良くなった。アナフラニールは、SSRI的な要素を持ち、抗うつ作用も備えた一風変わった3環系抗うつ剤なのである。

僕は、慢性疲労の訴えの人にも基本的にアナフラニールが合うことが多いような気がしている。「慢性疲労」自体、あまり典型的なうつ状態とは言えないと思っている。理由は、うつ病っぽい認知の障害なんて全然ないこともあるから。ただ難しいのは慢性疲労の人はアナフラニールだけで片付かないことの方が多いこと。

僕は今まで慢性疲労を主訴のうつ状態に関しては、一度も治療に失敗していない。こういう人は、やがて薬すら要らなくなる人もいるので、その点でも、うつ病とはかなり趣が異なっているように思える。こんな人は精神疾患と身体疾患の真ん中かどちらかというと身体面の方が近いくらいなんだと思う。だからこそ、抗うつ剤が必要でなくなるのだろう。こういう風に考えるとわかりやすい。

トリプタノールは最強と言える抗うつ剤で、重いうつ病の人はトリプタノールまで行ってしまうことが多い。眠さはあるが、次第にいくらかは慣れる。困る副作用は、尿閉や中毒疹などの副作用である。トリプタノールまで来た人は、トリプタノール50mgで良かったということが滅多にない。トリプタノール150mgまでいくこともしばしばである。トリプタノール150mgは最強の薬物の満額回答であるが、これでもうまくいかない人もいる。僕は稀に225mgまで処方するが、このレベルでは心電図の監視も必要で、これを長く続けることはしない。トリプタノール最高量でうまくいかない場合は、リーマスを加えるとか甲状腺剤を併用するとかトリプタノール以外で補わないとダメなのである。

トリプタノールでうまくいかない場合は、他の薬物を考える。最強の薬物でダメならもう打つ手がないように見えるが、そうでもない。人間はコンピュータのように均一にはできていないから。また、薬物でダメでもECTという選択肢もある。トリプタノールは強い抗うつ剤ではあるけど眠い鎮静系なので、こういう薬がかえってよい場合がある。不安感などを押さえ込んでいるから。

たまにトリプタノールを減量していると不安感が以前より出てきて、情緒的に不安定になる人がいる。病院に電話をかけて来て泣かれることがある。最近、トリプタノール125mgから75mgに減量したところ、そんな状態になって電話をしてきた女性がいた。薬を戻すか迷ったが、レスキューレメディを不安時に使うように指示して、そのまま様子をみていたら落ち着いてきた。今は75mgでも大丈夫だ。

<レスキューレメディ>
レスキューレメディは5種類のバッチフラワーレメディ(花療法)がブレンドされている。「スターオブベツレヘム」「チェリープラム」「ロックローズ」「インパチェンス」「クレマチス」。これら個々のバッチフラワーにはそれぞれ花言葉?のようなものがある。


29スターオブベツレヘム
「逃避」のバッチフラワーの1つ。現実があまりにも辛く思え人生の重荷に耐えられない。花言葉?は「感傷的、傷つきやすい」


6チェリープラム
「激情」のバッチフラワーの1つ。自分に向かう激しい感情、衝動的に自分や他人を傷つけたくなってしまう。花言葉は「ヒステリック、虐待、暴力的狂暴」


26ロックローズ 
「恐れ・悩み」のバッチフラワーの1つ。突然訳も分らずパニック状態におちいる。花言葉は「パニック、臆病、動揺」


18インパチェンス
「わがまま」のバッチフラワー1つ。他人に干渉されずに自分のペースで行動したい。花言葉は「マイペース、干渉されたくない」


9クレマチス
「逃避」のバッチフラワーの1つ。夢みるように楽しい空想の世界をさまよっていたい。花言葉は「夢心地・物思い」


トリプタノールの他の欠点として個人差があるけどけっこう太るということがある。肥満を考慮するならやはりSSRIが影響が少なくて良い。そう過食がないのに肥満することも多い。こういう傾向って、アナフラニールやアンプリットはそこまで思わないので少し差があるのだと思う。

ノリトレンは、アップ系の薬物でけっこう効く薬の1つである。これは方角みたいなものがあって、アモキサン>>ノリトレンは効果感じが似ているし、同じアップ系のアモキサンより良い場合があるので、うまくいくことがある。しかし、トリプタノールまで行ったあとは、ノリトレンでは難しいケースもしばしばである。アナフラニールからノリトレンに変更した場合でもそのほうが良いこともある。

数ヶ月前だけど、パキシル40mgで治療していた女性にパキシルからいきなりノリトレンに変更したことがある(もちろんパキシルを漸減したわけだが)。身体障害があり、アモキサンだとひょっとしたら変な不随意運動が出てきそうな気がしたのでノリトレンを選んだ。この患者さんは、ノリトレンでかなり気持ちが爽快になってスカッとしたらしい。

ノリトレンの補足
○ノリトレンはトリプタノールの代謝物。
○セロトニンよりノルアドレナリンの取り込みを強く阻害。
○他の3環系抗うつ剤に比べ副作用は少なめ(人による)
○焦燥感を起こすことが少ない。
○心毒性が比較的弱く、高齢者にも薦められる。
○他の3環系に比べ、治療域の範囲が狭い。
○至適血中濃度は50~150ng/ml(測定はメーカーじゃないと無理)
○最高血中濃度到達時間5.5時間。
○半減期26時間くらい。
○10mg錠と25mg錠が均等に使用されているらしい。
○昭和50年に調査されたノリトレンの処方量は患者80名中、30mgが32名、31~74mgが16名、75mgは26名、76mg以上が6名であった。


参考
アナフラニール
トリプタノール
ノリトレン
ルジオミール、アモキサン、アンプリット
抗うつ剤の最小治療量

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