第23回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦第9戦
「野次馬観戦編」
いつも同じような展開になる
と思っている私には用はない。
例え前回が最低でも最高でも、
2人がぶつかってどうなるかは
新しい自分と相手さんとの物語。
それは毎回新しい。
いっぱい観察して、いっぱい
感じたら、いっぱい味わう。
2021.11.30

●井山裕太 〇申旻埈(シン・ミンジョン)

●井山裕太 〇申旻埈(シン・ミンジョン)
前に負けたことは思い返さな
い。読めないとも思わない。取
られたことも思い返さない。
この二人は普通にそうだろう。
だから一層テンション高そう。
でも自分はどうか今読むとこ
ろはなさそう、今取られるとこ
ろは見当たらない、かと言って
何も考えないのは危険だ。また
何かを思い出す、人間だから。
初めの一歩は、なんだっけ、
エッ?普通に見ることじゃん。
上辺と右に白がある。黒の集
中は、どちらを白が伸ばすか
を待つ。
待ってたら白は右に来たの
で、黒は上に打ち込み。

上辺では白は3子の方か、2
子の方か、黒の集中は、どち
らを白が先に打つかを待つ。
なるべくなら格好よく待ちた
い。そして一層格好よく次の
決断をしたい。

ここでは白は上辺か右辺か。
白は右辺だろうか。

白は右辺に打ち、黒は上辺に
打診、そして左上から始まった。
切り違え、ここが肝心まずあ
せらないこと。目がうろうろす
ると怖いのだ。それは勝負の
時だからか?
切り違いだから、切れた2種
類の石があって、どちらか一
方を反対側よりも一生懸命に
打つはずだ。
ここでは左の方か、ふんふん。
「ガンバレ日本」。

黒は左をしっかりと打ち、次
に黒は白の手入れ待ち。

白が上辺に手を入れ、形を
決める打診の黒△は打たれ
た。二つの一間トビの間、白
はどちらからか。
よく見るほどに発見はいっぱ
い。目に力を入れるのではなく
、頭をどんどん回転するのでも
なく、落ち着いたふりをするの
でもない。
どちらから先に打つかに集中
して、上手いか下手かは次の
こと。

白の中央重視でこんな柄にな
った。そして白△に構えの種
が打たれた。
黒は隅の黒2子か中央タテ並び
2子かどちらの強化で応えるか。
がんばれー。まずは真ん中打て
ー、なんてね。目の肥えたファン
か、私。

黒△で中央の返事待ち。

中央の黒は3子に成った。そし
て左を打ち、黒の集中は、白1
子の整形を待つこと。

白は整形の途中、さて双方1子
ずつの強化法は?そしてどんな
図柄になっていくのか。

黒白共に石が増えこんな風に
なった。
右下から中央への白大模様に
、圧倒されたら気持ちは負け。
この対局者二人には無縁の思
いだけれど。
当然ここは、黒から入って生き
る勝負。ぴったりこの中で構え
ますと思っているから、こんな
大きさを許したに決まっている。
格好よかった。
もしかして、どこに入るかも決め
ていたか・・・

ここかーー打ち込みだった。
今は応援だから感動に身を
任せた。
対局中なら白が大ゲイマの
2子か、ケイマの2子か、どちら
から先に来るかの攻め待ち。

攻めに合わせて黒はノビキリ
で、切るなら切れと打った。
それでも切りか。

白94切りだった。黒は95と黒
2子の方を打った。もう一手黒
95の斜め右へ囲めばゲタ!!
なるわけないか。

黒は10子のチームになった。
相手からの攻め待ち。逆に白
9子のチームを攻めているの
か?どちらにしても、ここの成
長速度が勝敗を分ける。

左下へ打ちませんか、の催促が
来た。

中央へ打つと返事。隅どうぞ、
の隅待ち。

こんなことに・・・。
黒はまた真中へ打って、

こんなことに。ここは左か、
右か。
左へ受けた。

そしてここまで、隅の形はセ
キになり、白16子は1眼しか
なく、白7子の手数は2手にな
っていた。
151手完 黒中押勝ち
ものすごいバトルは理解不能
と見えたかもしれませんが、
伸びる石には物語があった。
そしてその中で決断が続いて
いた。
いつも来ていただき、
ありがとうございます。

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