決めました ユキチで頰を 撫でられて

 

揉め事は みんなユキチが カタをつけ

 

ヒョー柄に 染まるな あんたは まだ十五

 

ジイちゃんは 助けたヒョーに 食べられた

 

印籠を 忘れ 喧嘩を 止められず

 父のギャグ 笑うと 母に 睨まれる

 

 幸せに するというのは このことか

 

 遠い過去 ほじくる妻の 考古学

 

 全部言え 妻が かつ丼 出してきた

 

本日、4句紹介しましたのは

毎週土曜日、午後3時5分、NHK-AM ラジオにて

かんさい土曜ほっとタイム という番組の中での

ぼやき川柳アワー というコーナーがあり

入選句を書き留めておいたものです。

 

興味を持った方は、ぜひ番組お聴きやす。

 

いろは丸事件ーーー紀州藩と海援隊との蒸気船同士の衝突事件

その揉め事は、長崎で裁かれる事となった。

その折、長崎の巷で流行した唄があるので紹介したい。

 

 沈められたる  償い金は

 首をとるのが  よいざんしょ

 船を沈めた   その償いは

 金をとらずに  国をとる

 

七五調というのは口馴染みがよいものだ。

お座敷の余興として流布させたのである。

龍馬とその社員らの仕業である。

この計略により紀州藩は

損害賠償金を支払う羽目になり

歴史は”夜明け”へと近づいてゆく。

 

ささやかな七五調の唄が侮れない例である。

普及している都都逸には

 

 立てば芍薬 

 座れば牡丹

 歩く姿は  百合の花

 

と、美人を形容する例がありますね。

キャッチコピーなどには、よく七五調が使われているので

ここぞという時には、皆さんも活用されては如何でしょう。

 

 

 

春は花

 夏ほととぎす

  秋は月

   冬雪さえて

    すずしかりけり

ーーー道元ーーー

 

 春風の日本に源氏物語

 秋風の日本に平家物語

ーーー京極杞楊ーーー

 

わたしたち日本人の自然観というのは

こんな歌や俳句に残されているという一例です。

 

 そして、江戸時代に俳諧から、頭の五七五を独立させ

和歌の伝統やルールを破った句を詠む人物が現れます。

あの松尾芭蕉という人物です。誰もが知る句、

 古池や 蛙とびこむ 水の音

には、当時の常識として、蛙は鳴き声を詠むもの

というルールを破った革新的な一句だったのです。

そういう芸術性の革新においては、千利休に通じるものが

あるかもしれません。

 

 さて、そんな芭蕉翁に敬意を込めたパロディの一句を折り込んで

短歌にした

 夏草や 芭蕉とびこむ 最上川

 暑中見舞いは この句に決めた  ---山口明紀ーーー

をヤフーの検索サイトで調べると、なんと番外地というコーナーに

載っているのです。お後がよろしいようで。

ウンチクは いいから 早く そばを食え

食い逃げを 追った奴らも 戻らない

全部言え 妻が かつ丼 出してきた

料理にはふれず 器を ほめておく

 

と、食べ物関連の川柳を紹介させていただきました。

先月の十五夜を芋名月と呼ぶのに対して、旧暦の九月十三日を十三夜、栗名月と呼び収穫に感謝するのですが、近頃ではハロウィーンが盛り上がっているようです。市場規模もバレンタインデーにならぶほどの経済効果だそうです。

本日、9月15日は旧暦八月十五日にあたり、古来よりお月見をする日だ。もちろん年によっていつにになるかはマチマチである。一年を通して行なう伝統行事で旧暦に一番馴染み深いものではなかろうか。しかしながら、様々な行事を振り返ってみると、旧暦で行ったほうが相応しいものが幾つかある。例えば、桃の節句、新暦だと3月3日であるが、旧暦だとお花見の時期、花盛りの時となり女の子の節句に似つかわしい頃となる。七夕もそうだ。梅雨時よりも梅雨明けで夜空が眺められるときの方がいいであろう。古来中国より伝わった重陽の節句もそうだ。9月9日に菊を見かけるのは、花屋とお葬式の場ぐらいである。このように、五大節句日などは植物との関わりが深いこともあり、旧暦で行うのが相応と感じている方もいるのではあるまいか。

 それから、もう一つが赤穂浪士の討ち入りである。寒の入りも過ぎた満月の夜であればこそ襲撃に成功したものと思いたい。

 年賀状に”迎春”などと書くのも新年が立春の近くだった頃の名残なのである。何も奈良時代に帰って”春節”を祝おうと言っているのではない。季節感がちょとずれた背景には明治以降に西欧に習って新暦を導入したことを頭に入れておいて欲しいのだ。そういった需要があるのか、日めくりには、旧暦を載せているものがある。海を仕事場にしてはる方には潮の満ち引きがわかる暦の方が良いであろう。

そんなことに思いを馳せて、秋の収穫をお供えしてお月見を楽しんでみては如何だろうか?