京都・伏見から名古屋港までは130kmの道のりであった。

休憩抜きなら3時間といったところか。途中、道の駅関宿で休憩15分、そこでの買い物は船中での夜の楽しみとなった。松阪ハム400g千円なり。到着時刻が早そうなので、コンビニで赤ワインを購入、夕食はサンドイッチとそれらの予定。

 夜行の長距離フェリーに今のバイク(Dio110)愛称”雪風”で行くのは2度目になる。この愛称は、二十代の頃読んだSF小説『戦闘妖精雪風』からの名付けで5代目である。

 フェリー埠頭までは、国道1号線と24号線を使った。平日はトラックの走行量が多いので、週末を選んだ。

 乗船手続きを済ませると約1時間、手持ち無沙汰となった。

  乗船の 手続き済ませ 遅日かな   秋野

 旅日記を記していると道中で盛りを過ぎた桜の花びらが道端に

溜まっているのを思い出した。

  風神に 吹き寄せられし 花の屑   秋野

 今回の旅の目的、三つ目の日本三景である松島の観光、世界遺産の平泉・中尊寺の観光、最上川下り、そして、立石寺、と松尾芭蕉の足跡を巡る事により、『おくのほそ道」ではないが、俳句を交えた旅日記というか紀行文を残す事にある。

 ワイン一本分の酔いが回って、S寝台についた。スマートフォン、Wi-Fiなどの充電のために用意した三又ソケットが役に立つ。大きなうねりの中に、エンジン音が聞こえる。次からは一等にするかーまあ予算次第だがー

 アナウンスで目が覚めたが暗くて時刻がわからない。またまた用意した登山用のヘッドランプで腕時計を確認する。もうこんな時刻であったか。ラウンジの一角を陣取る。隣や向かいのソファーに座る人が来たら、お喋りするのもいいだろう。暇ですることがないのだ。

  朝寝して 時間たっぷり 船の旅    秋野