本当に人って残酷だね。
弟が亡くなる前、一生懸命生きようと頑張ってるのに…
『所詮は、病院の実験台だな』
そういった舅。
『私は昔から兄弟を何人も亡くしてるから、どうということないよ』
平然といった姑。
死んだから払えなくなったローンを見て、父が言った言葉。
『あいつはウチの人間じゃない』
涙ながらに、ショックで倒れた母まで。
『独身だったから、私たちが生きているうちに死んで良かった。
あなたに迷惑かけていたかもね。』
そんな言葉って…
私が聞きたかった言葉じゃない。
私が言いたかったのは、
『よく頑張ったね、つらいって一言も言わないで。
あなたと過ごした時間は、宝物だったよ。
ありがとう、お疲れ様。』
せめて私はそう言って、弟に余命を隠していたことを謝りたい。