暖冬とはいえ、寒い日が続いておりますが、風邪など召されていらっしゃいませんか?
先日伺った九州の研修旅行のご報告を盛り込みながら、ご紹介させていただきます。
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今回は、有田焼の透き通るような白磁の美しさの秘密、有田焼の原料についてレポートします!
有田焼の原料は陶石と呼ばれる石です。
↑泉山の陶石です。真っ白ですよね!
陶石は陶土と違い、白く、堅く、吸収性がありません。粉末状にし、水を加え練り上げることで、粘土状になります。
※豆知識
陶土は、陶器の材料です。
陶器は"土物(つちもの)"と言われるのでわかるように材料は"土"です。
↑泉山磁石場
有田焼は、1616年に有田町の泉山で陶石が発見されてから採石が始まりました。
泉山磁石場は、この400年間もの長い歴史の間削り取られ、山のほとんどが掘り尽くされ、今は白い磁肌を見せながら、静けさに包まれています。壮大で、歴史の1ページをみているようでした。元々は一帯全て山だったことが信じられません。
↑11月末に開催された「秋の有田陶磁器まつり」期間中に伺った為、普段は行けない奥の広場まで開放されており、採掘場を近くに感じることができました。
↑柿右衛門様式 染錦 獅子文皿 (1680年頃)
江戸時代の素朴で温かな素地も好きです。
大正以降の現在では、有田焼には、熊本県天草産の陶石を用いることが多くなっています。
天草陶石は砕きやすく形成可能な上、高い強度で製品は硬く、仕上がりの色は濁りがなくて美しく焼きあげることができるそうです。
他の土を混ぜずに、単独の陶石で磁器がつくれるのは、世界的にも泉山陶石と天草陶石のみだと言われています。
泉山の陶石は、自然が作り出した"奇跡の産物なのです。