祇園祭 其の参… 生神(いきがみ)様として迎えられるお稚児さん | 京都案内処~舞妓倶楽部 Official Blog~

祇園祭 其の参… 生神(いきがみ)様として迎えられるお稚児さん

こんばんは、舞妓倶楽部の新山です。

7月もそろそろ終わりですね。
日本全国本格的に暑く(むしろ熱く)なって来ましたから、
熱中症に気をつけて日々を過ごしましょう。

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それでは、今日のコラム、第八十四回目。
祇園祭の『お稚児さん』についてのシリーズ記事、
第3弾です。

第1弾はこちら。

第2弾はこちら。

ではでは、どうぞ♪

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

17日の山鉾巡行も炎天下の中、無事に行われ、
鉾の姿が消えた京の街並みです。

少し寂しい気持ちも残りますが、
24日には〈 あとの祭り 〉と呼ばれる
花笠巡行・還幸祭が行われ、祇園祭は続きます。

今年は、三連休と宵山が重なったために、
例年を超える観光客の皆さんが京へ集結されたそうで…
ホテルなどはとても予約のとれない状況だったようですね。

そんなお祭り気分に沸き立つ中、
山鉾巡行の先頭をゆく長刀鉾のお稚児さんは、
粛々と行事をこなしておられました。

13日に、八坂神社への社参の儀が行われました。
長刀鉾町より白馬にのって、お位をもらわれ、
いよいよ生き神様になられる儀式にに向かわれるのです。

京都案内処~舞妓倶楽部 Official Blog~-白馬のお稚児さん

八坂神社には、門で馬を下りて、自分で歩いて本殿にはいられます。

さぁ、いよいよ生き神様の誕生です!

そして… 17日のお位をお返しになられる儀式まで、
お母さんとの決別をも表すのです。

お位をいただいたお稚児さんは、
地面(靴をはかなければいけないところ)へ足をつくことは
許されなくなります。

先ほどは、
お稚児さん自身が歩いてこられた本殿から門までの道のりを、
強力(ごうりき)さんと呼ばれる人の肩の上に乗せられて
移動されるのです。

また、
女人がお稚児さんへ触れる事はもちろんのこと、
女人の触れたものを近づけることも許されないのです。
お母さんも例外ではありません。

この日からは、
お父さんや男衆(おとこしゅう)が用意されたお料理を
四方にしめ縄がはりめぐらされた部屋でいただくのです。

お風呂へは、
身体を清められたサラシでまき、お父さんが付き添われます。

山鉾巡行の日、
長刀鉾の上で結界を切られるお稚児さんを心配そうに見守る
お着物姿のお母さんらしき方を見つけることが出来ます。

なんといっても、まだ小学生です。
お母さんだけではなく、お稚児さん本人も
お母さんと距離は、近くてとても遠いことでしょう。

京都案内処~舞妓倶楽部 Official Blog~-長刀鉾巡業

しかし、
自分が生き神様として行動すべき自覚が、
お稚児さんに決まった日から徐々に生まれるのでしょう。

山鉾巡行の終着地点の新町御池通りで、
お稚児さんは長刀鉾から降りられます。

もちろん、鉾から降りるのも強力さんの肩での移動です。

京都案内処~舞妓倶楽部 Official Blog~-お稚児さんと強力さん

その後、八坂神社へとお位をお返しに行かれるのです。
そして… 普通の小学生へと戻られます。

きっとその夜は、
お母さんの手料理をお腹いっぱい食べられるのでは…!?

でも、一番ホッとされているのは、
無事にお稚児さんを勤めあげることのできた息子を
誇りに想われるご両親に違いありません…。 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

記事第1弾を読んで想像していたよりも
はるかに厳格な儀式の数々。

でも、そうですよね。
生身の少年が「生神様」になるわけですし。

第1弾はこちら。

第2弾はこちら。

祇園祭でお稚児さんをご覧になった方も、
残念ながら機会のなかった方も、

お稚児さん本人や親御さんをはじめとする周囲の人々が過ごした
2ヶ月近い期間に想いを馳せてみてはいかがでしょう?

では、また。

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