響奏の吟遊詩人メールマガジン  ♪ vol. 22 ♪音譜

2014年5月4日(日)
書き手:響奏の吟遊詩人 主宰 鍋島久美子

こんなに間近にメルマガを配信するのは、本当に珍しいことなのです。
書ける時には頑張ってみたい・・と思ったのでした。

クローバー

「音」は周波数で現されます。
又、私たちが何かを意志するとき、脳の周波数は必ず変化します。
紅茶を飲みたい・・と思うとき、私たちが「・・・したい」、という想いを持つとき、私たちは自動的に脳の周波数が変わっており、周波数を変えずには、何も出来ないのです。

今「音」に対して、様々な解釈の仕方や活用の仕方が世に出ているようです。
「音の響き」は勿論色々な周波数の組み合わせです。これに関しては、色々な側面から切り込む事ができますが、非常に注意深く!扱う必要があります。

しかし、例え遠い未来に向けてであっても、「音の響き」が、明るい架け橋をかけてくれるのは、
確かなことだと思うのです。
今回のメルマガ、どうぞお楽しみ下さいませ。

晴れ

また、本アドレスは、メルマガ送信専用アドレスですが、ご返信を、チラホラと頂戴いたします。ご返信は、歓迎致しております。よろしくお願いいたします。


目次
1)「響奏の吟遊詩人」のイベント情報旗
2)音楽家のちょっと面白いこぼれ話バッハ
3)鍋島くみこ プロフィール を兼ねて「透明な音」について霧
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1)「響奏の吟遊詩人」のイベント情報

2014年 5月10日(土)響きを楽しむ会+「風の歌」ミニコンサート
場所:テネモス国際環境研究会(埼玉)
吸引と放出の法則は、響きを発する時の意識の法則です。
透明な響きの秘密をお楽しみ下さいませ。

開場12:30 開始13:00~15:30
ご参加費 3,000円(専門家「菌とともだち」さんのお茶とお菓子付き)
皆様のご参加を心よりお待ちしています。


2014年 5月21日(水)響きを楽しむ会(東京都杉並区)
響きを聴くとき、発するとき、「意識の新しい視点」が響きによって導き出されてきます。
私たちの心の奥を、響き合いながら感じてみましょう。
開場13:00 開始13:30~16:00
場所 永福和泉地域区民センター 京王井の頭線「永福町」より5分
参加費 4000円 (専門家「菌とともだち」さんのお茶とお菓子付き)
参加費は、当日お支払い下さいませ。

今後の予定や詳細はこちら
http://wing-of-wind.com/
お申込みは、info[a]wing-of-wind.comまでお願い致します。[a]を@へ変更をお願いします。
当日のご参加でも大丈夫です。
皆様のご参加を、心よりお待ちしております。
  
2)音楽家のちょっと面白いこぼれ話ニコニコ
第19回 バッハあれこれ(7)バッハ

アルンシュタットでの職務のスケジュールは、非常にゆとりのあるものでしたが、その地での音楽活動に苦労が無かった訳ではありませんでした。

チャペル*  五線譜  大山

アルンシュタットの新しい教会は町の最も小さな教会でした。
その教会の聖歌隊はラテン語学校の生徒で成り立っていました。
教会での仕事の中に正式には含まれていませんでしたが、その他に合唱指導もする事になりました。

彼らはとても無能な生徒達で、その無規律さは、とても若い青年・バッハの手に負えるものではなかったのでした。

自分の音楽に対しては非常な統率力を発揮する彼も、自分より目下の暴れん坊たちを統率する事は難しかったようです。
練習を嫌がったり、良い趣味ではない人たちと一緒にいる時になど、すぐに頭に血がのぼってしまうのです。
それも相当のものだったようで、怒る度にその姿が滑稽で物笑いになる程だった、といいます。
彼の音楽に見られるように、彼独自の、強い信念や精神的な秩序の筋が通っていたが故に、許せなかったのでしょうね。

やぎ

彼より三つ年上のガイエルスバッハという生徒が、ファゴット(Wikipedia http://goo.gl/cKHAB)でとんでもない音を出した時、若いバッハは、足を踏み鳴らしながら「老いぼれヤギみたいなファゴットめ!」と、怒鳴りました。
他の生徒はドッと笑いました。(やはり酷い言葉ですね。)
その数日後、その生徒は、夜道を帰るバッハをステッキで襲いました。

いつもおしゃれで、必ず剣を持参していたバッハはそれを抜いて立ち向かいました。
シャツが切り裂かれるなど、相当な激しさだったらしく、物音を聴いた近所の人が間に入って、騒ぎは収まりましたが、もしそのままだったら・・歴史は変わっていたかも知れませんね。

炎の剣

そのような事態に怒ったバッハは、その合唱団の指導を断ってしまいます。
その教会の聖職会議は、もう一度引き受けてくれるようにと強く依頼しましたが、バッハは二度と引き受ける事はありませんでした。

気持ちを切り替えるように彼は4週間の休暇をとって、尊敬していたベームから聞いていた、ブクステフーデのオルガンを聴く為にリューベックの町へと向かいました。
http://www.youtube.com/watch?v=OxhzMt99zYM(オルガン演奏:ブクステフーデ)
ブクステフーデの人物像は以下の通りです。
http://goo.gl/KYFJw6(Wikipediaより)

チューリップ黄チューリップ赤

そして、ブクステフーデが指揮をしていた <夕べの音楽・アーベントムジーケン> を聴く事が出来たバッハは、合唱と楽器伴奏の完璧さに愕然とします。4週間の筈の滞在は、気がつくと4ヶ月を過ぎていました!

伝統的な旋律をどのように処理して行くか、シュヴァイツァーの分類によると、
1)各部分をフーガ的(http://goo.gl/s5oe6 Wikipediaより)に処理する「動機的な手法」と、
2)旋律を自由にパラフレーズする「装飾的手法」と・・、

そして、バッハはブクステフーデのもとで新しく、

3.)「幻想曲・ファンタジー形式」とも言えるものを、バッハは感じ取りました。
前の二つと違って、「幻想曲的ファンタジー形式」とも言えるものがどれだけ大きな自由を許しているのか・・、バッハは非常なる喜びと関心を寄せたことでしょうね。

4ヶ月に伸びてしまったリューベックの滞在も、婚約者のマリア・バルバラに会う為にアルンシュタットへと帰りました。

ひらめき電球

リューベックで聴いてきた演奏の影響で、彼の演奏は大きく変わっていました。
余りに自由な即興、風変わりな転調などは、教会の人々には受け入れられず、聖職会議は、あまりに風変わりな演奏をしないように命じました。それに腹をたてたバッハは、皮肉なやり方でその命令に従う事で、密かに仕返しをしたのでした。

クラッカーアップ

バッハに対する細かな嫌がらせが度重なって、彼はミュールハウゼンの町の教会へと転職する事になります。
そこでは、年俸85フローリンと、穀物と薪と魚類と、引っ越し手段まで提供してくれるのでした。

この頃のバッハの大きな創造性と自由な感情の力が、論理的な側面を越えてしまっていると思うのですが、このアルンシュタットにおいて、かの有名な「トッカータとフーガニ短調」が書かれました。
では、実際の演奏をお聴き下さいませ。

ヘッドフォンテレビ

始めは、ディズニーのアニメ「ファンタジア」でもおなじみの、往年の指揮者・レオポルド・ストコフスキーのオーケストレーションと指揮による「トッカータとフーガニ短調」・・非常に古い映像です。
(ニコニコ動画なので、上の方に文字が出ますが、よろしければ消してご覧下さい)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm895289
(楽しそうな指揮者と楽団員の想いが伝わりますね。)
ストコフスキーの人物像に付いては以下の通りです。
http://goo.gl/ExpL5 (Wikipediaより)
(おまけですが、ニコ動のこの演奏が終わった後、横に「展覧会の絵」の窓も表示されます。
聴いてみてください。幸せになります。)

次は、私の大好きな、アルベルト・シュヴァイツァーのオルガンの演奏でお聴き下さいませ。
やはり非常に古く、1935年の録音です。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm23192461
シュヴァイツァーの人物像に付いては、以下の通りです。(後半ストコフスキーになってます。)
http://goo.gl/js9A(Wikipediaより)

次回は、バッハが結婚もし、本当に創作活動を始めるミュールハウゼンでの生活が始まるのです。
演奏動画も含めて又、お送り出来ればと思います。
更に素晴らしい、普遍の音楽<バッハ>の生涯をお楽しみにして頂ければ嬉しいです。


3)鍋島くみこ プロフィール を兼ねて「透明な音」について波

佐々木先生のレッスンで学ばせて頂いた様々な事は、私の生きる道の大前提になっています。
声を発する・演奏する時には「音を聴く」ことは、当然のことです。

レッスンにおいて体験し、体験から徐々に腑に落ちてきたことは、「自分が認識していることと、表現されていること」に大きなズレがある・・という事でした。
そして、声を合わせて行くうちに感じ続けたことは、「徹底して聴く」ということには、<無限の奥行き>がある・・という事でした。

星空流れ星

響きを聴き続ける時、刻々と変化し続ける<内的感覚>は、音の響きと共に歩むからこそ感じることが出来るものです。

先生のレッスンで、その素晴らしい演奏を聴かせて頂いた米沢の方。
(余りにゆっくりのショパンを弾かれて、真っすぐ貫いた素晴らしい音を出された方)

その米沢の方のお世話で、地元の県民ホールで行われるコンサートに、演奏で出演する事になりました。
そのプログラムは、確かチェロソナタ、ラフマニノフのコンチェルトの二番と三番などだったと思います。

コンチェルトというのはオーケストラとピアノで演奏します。
このコンサートでは、オーケストラパートはピアノで演奏します。
私が弾くのはラフマニノフの三番のオーケストラパートです。
練習の為に先生のお宅で合わせる期間は、大体2ヶ月前後位だった様に記憶しています。

この曲はすさまじく難しい曲です。
まともに、今までの理解の仕方で練習したとしたら、ゆうに一年以上かそれ以上かかってしまうか、出来ないかも知れません。

五線譜  ピアノ

この曲は長いため、習得するのには必死で工夫をしました。
私が音大で習得したような弾き方が、フッと出てしまうと、先生は「聴け!!」とおっしゃいます。
先生の一言で、ドキ!!ビク!!っとします。

先生は決して妥協されません。
音大で学んだ事に決して捕われないよう・・、必死で・・徹底して曲の響き全体と流れを聴きます。


楽譜を読みながら、実際の演奏の音源を聴き、先生のお宅でソロのピアノと合わせます。
その友人は勿論、凄い早さで習得して行きます。難しい・速い・・とても大変でした。
(ですが、自分の中の何かが凄まじくワクワクしていました。)

オーケストラパートだけの部分を弾くとき、全体の響きのみを聴き、自分の古い常識的な弾き方を、かなぐり捨て続けました。
そのように弾くと、先生は「なんだ、出来るじゃないか。」と、そうおっしゃったのを覚えています。

ショック!

実際に合わせると、余りの速さに楽譜を目で追って行く暇がありません。
徹底して聴くだけ!そして、本番の為に米沢に行く日が近づいてきます。
前の晩は余り良く眠れなかったのを覚えています。

目夜の街

これからコンサートに向かうことになりますが、あまりに文章が長くなってしまいますので、今回はこの辺りでおしまいにしましょう。

このような、先生の元でのとても多くの体験から、「音の響きによる意識の深み」への人生の旅が、私の前に展開していきます。この旅が、どれほどの偶然とも言える、出来事を起こし続けて今の私がいるのか。

本当に不思議だという想いと、その幸せの訳を、皆様にお伝え出来れば、と思うのです。
次回のコンサート本番の模様を楽しみにして頂けますと嬉しいです。

響奏の吟遊詩人
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