In vitro fertilization, interpregnancy interval, and risk of adverse perinatal outcomes.

 

Fertil Steril. 2018 May;109(5):840-848.e1. doi: 10.1016/j.fertnstert.2018.01.019.

 

今回の論文は、体外受精による妊娠間隔における周産期リスクと周産期予後の関係について述べたものです。 

不妊治療を行なって、無事妊娠・出産した後、人によっては次子を考える方もいらっしゃると思います。

ご年齢やご家庭の事情によっては、なるべく早く次子を妊娠・出産したいと考える場合もあるかと思います。その場合、前の妊娠から次の妊娠までどれくらいの期間を空けるのが望ましいのでしょうか。WHOは妊娠と次の妊娠までの期間 interpregnancy intervals (IPIs)の推奨は、生産後は24ヶ月以上、流産・中絶後は6ヶ月としています(2005年)。WHOの推奨には体外受精治療中の患者に対する特別な推奨事項はありません。

 

では論文の内容です。

題名:In vitro fertilization, interpregnancy interval, and risk of adverse perinatal outcomes


目的:体外受精後の妊娠と、自然または体外受精以外の治療後の妊娠における、妊娠と次の妊娠との間隔とその周産期合併症について比較すること

 

研究デザイン:アメリカ合衆国マサチューセッツとミシガンの生殖医療調査と出生証明書を使用したコホート研究

 

患者:2000-2010年に登録された 1,225,718分娩 (体外受精 12,633分娩、体外受精以外 1,213085分娩)

 

言葉の解説

妊娠と次の妊娠までの期間 interpregnancy interval(IPI):直近の妊娠が終了した日から最終月経まで

preterm birth (PTB) :37週未満の早産,

low birth weight (LBW) :2500g未満の低出生体重 

small for gestational age (SGA):10%タイルの子宮内胎児発育遅延

 

主要評価項目:前回妊娠時が生産・非生産であった場合のIPIとPTB、LBW、SGAの関連を評価すること


結果:

前回生産で体外受精で妊娠したグループ

  IPI  12 ヶ月~ 24ヶ月 早産率 22.2% LBW率 14.1%   SGA率 9.7%

   上記に対して早産率

    ~12ヶ月  補正相対リスク   1.24 (95%信頼区間 1.09-1.41)

      60 ヶ月~ 補正相対リスク  1.12, 95%信頼区間 1.00–1.26

      LBW SGAについても同様の結果

前回生産で体外受精以外の方法で妊娠したグループ

   IPI  12 ヶ月~ 24ヶ月  早産率 6.4% LBW率 4.4%   SGA率 6.5%

  ~12ヶ月    補正相対リスク 1.19, (95% 信頼区間 1.16–1.21) 

       60ヶ月~   補正相対リスク 1.19, (95% 信頼区間 1.16–1.21)

       LBW についても同様の結果                               

 

前回の妊娠が非生産だったグループ

  IPI  12 ヶ月未満では 体外受精グループ、体外受精以外のグループとも PTB、LBW、 SGAリスク上昇と関連しない

  体外受精以外のグループの分娩ではIPI が60ヶ月以上で有意に合併症リスクが上昇する

 

筆者らは今回の結果となった理由として、以下のように考察しています。

IPIが短い場合、母体の肉体的回復が不十分であること、栄養の枯渇、精神的ストレス、児のケアや食事の世話、膣内細菌叢の修復が間に合わない。

期間が長い場合、母体年齢の上昇(特に40以上)、不妊症(癌、肥満、糖尿病の合併などによる)も影響する。

体外受精と体外受精以外で妊娠した場合に共通することとして、非生産後の妊娠では短いIPIによる合併症リスクは増大しない。

 

結論:体外受精と体外受精以外で妊娠した場合、どちらも次の妊娠までの間隔は12ヶ月未満と60ヶ月以上の場合に、より高い周産期合併症リスクと関連があった。

 

今回の論文から、体外受精による妊娠と次の妊娠の間隔が短い場合は、早産などの周産期合併症を起こすリスクが上昇することをよく認識して、1年以上は間隔を空けて治療に当たる必要があることが分かります。

 

京野アートクリニック 婦人科 小泉雅江

高輪医師部の菊池 卓です。

3月に引き続き、今月もビタミンD不足と不妊症の関連について調べた論文をご紹介せていただきます。

P.Triggianese et al .Vitamin D deficiency in an Italian cohort of infertile women..Am J Reprod Immunol;78:e12733 

https://doi.org/10.1111/aji.12733

ビタミンDはカルシウムとリンの吸収を促進し、それにより丈夫な骨をつくる作用が有名ではありますが、近年ビタミンD不足が免疫に与える負の影響と不妊症への関連に注目が集まっております。また、以前よりSLEや橋本病などの自己免疫性疾患に罹患した女性の妊娠率が低いことは知られておりましたが、本研究はビタミンDと自己免疫性疾患と不妊症との関連について検討しております。
 
研究の概要
期間:2013年から2015年にイタリアのポリメディカルセンターを受診された
対象:①不妊群:妊娠歴のない不妊症の方70名
    ②反復流産群:妊娠はするが出産に至らない方105名
    ③対照群:正常な方250名

評価項目
①自己免疫疾患の有無
②ビタミンDの値
(*ビタミンDそのものは代謝や脂肪組織への以降により大きく変動するため、測定が難しく代謝物である25(OH)Dを測定します)

 血清25OHDの基準値に関しては2011年の内分泌学会のガイドラインに基づいて、20 ng / mL未満を不足とし、7 ng / mLをより重篤な不足としました。

結果:
ビタミンDの値は、 
不妊群が反復流産群および対照群と比べて、有意に低く
不妊群(21.88±9.79)
反復流産群(25.74±11.17,P=0.03)
対照群(25.6±9.3,P=0.01)

25(OH)D不足の患者数は
不妊群が反復流産群および対照群と比べて、有意に多い結果となりました
不妊群(45.7%、32/70)
反復流産群(30.4%、32/105,P=0.04)
対照群(27.2%、68/250,P=0.03)

自己免疫疾患については、
不妊+非不妊群175人の女性のうち65人に自己免疫疾患を認め、
内訳としては
甲状腺自己免疫疾患が多く69.2%(45/65)であり、
不妊群は非不妊群より自己免疫性疾患の有病率が有意に高いものでした。
(52.8%対27.6%、P = 0.0004)。

また、全集団において自己免疫性疾患をもつ女性は、
持たない女性と比較してビタミンDの値が低かったです(P=0.04)。

多変量解析を行ったところ、
自己免疫性疾患は不妊症のリスクを2.2倍(OR=2.2)に増加させ、
ビタミンDを補充することは不妊症のリスクを0.9倍(OR=0.9)に有意に減少させました。

著者らは結論として自己免疫性疾患およびビタミンD不足は、いずれも女性の不妊症の独立した危険因子である。
つまり自己免疫疾患を有する患者さんは、自己免疫疾患とビタミンD不足という二つの不妊原因を抱えていると考えられています。したがって、ビタミンDの補充は特に自己免疫性疾患を有する不妊症女性の妊娠率を改善するために有用であるとしています。
※ビタミンDを補充することで、自己免疫疾患が治癒するということではありません。

補足:ビタミンD不足は不妊の原因になる以外にも妊娠糖尿病、妊娠高血圧症候群、胎児発育不全の頻度を増加させるとする報告もあります。
また、骨や歯を丈夫にすることは健康増進につながることからビタミンDの不足は改善することが望ましいといえます。
ビタミンDを増やすには①日光浴 ②食事から摂取するの2つの方法があります。しかし、我々現代人にとって①、②ともに難しいです。
① 日光浴に必要な時間ですが、国立環境研究所によると関東地方では夏は紫外線が多く5分程度でよいものの、冬は紫外線が少なく晴れていても20分以上日光を浴びる必要があります。また、注意点として日焼け止めを塗ってはいけません。SPF8の日焼け止めで92.5%、SPF15の日焼け止めで99%のビタミンDの合成を阻害するとの報告があります。

② ビタミンDが多い食品としては、きくらげや干し椎茸などの日に干したきのこ類、いわしやサンマ、サーモンなどの油の多い魚が代表的ですが、調理が難しく日常的に摂取するのは大変です。

 そのため当院では御希望があれば、まず採血にて25(OH)Dの測定をさせていただき、低値であればサプリメントの処方を行っております。
 採血は生理時期に関係なくいつでもできますので、気になる方は担当医にお伝えください。
 皆様のお問い合わせをお待ちしております。

                                           
京野アートクリニック高輪
産婦人科医師  菊池 卓

以前の論文紹介でもご案内しましたが、今回は、ビタミンDの効用について女性側だけでなく男性への影響、またヒトとしての健康への影響について紹介いたします。

ビタミンDは女性の生殖にとても重要で、ビタミンDが不足すると体外受精の妊娠率低下・習慣性流産への関連・新生児の体重や妊娠期間・妊娠高血圧症候群といった妊娠合併症・新生児の発育障害のリスクが高くなるとの報告もあります。

論文1:Vitamin D and assisted reproductive treatment outcome: a systematic review and meta-analysis
Justin Chu et.al.  Human Reproduction, Vol.33, No.1 pp. 65–80, 2018 


本論文は、ビタミンD濃度と体外受精成功率との関係についてのレビューとメタアナリシスで、11論文、2700名の女性について研究結果を統合、分析したものです。

25-OH ビタミンD濃度が不十分(20〜30 ng/mL=50~75 nmol/L)あるいは不足(<20 ng/mL=<50~75 nmol/L)の方と比べると、十分(>30 ng/mL=>75nmol/L)な場合には、7論文2026名のデータで出産率が、オッズ比:1.33倍、5論文700名のデータで妊娠反応陽性率が、オッズ比:1.34倍、11論文2700名のデータで臨床的妊娠率がオッズ比:1.46倍と有意に良好な結果となりました。なお、本解析では流産率には有意差は認められませんでした。

この論文では、体外受精を受けている女性の血中ビタミンD濃度は、妊娠率や出産率との間に関連があることを示しています。 ビタミンD不足の治療が、ARTを考慮した女性の治療に重要な条件であり、 この仮説を検証するためには、ビタミンD欠乏治療の利点を調べるための大規模な前方視的検討が必要と結論づけています。

妊娠を望む女性に、ビタミンDはとても重要なものですが、男性にとってはどうでしょう。

論文2:Vitamin D deficiency and low ionized calcium are linked with semen quality and sex steroid levels in infertile men
Martin Blomberg Jensen et.al.  Human Reproduction, Vol.31, No.8 pp. 1875–1885, 2016


本論文は、ビタミンD欠乏および低イオン化カルシウムは、不妊症男性の精液の質および性ステロイドレベルと関連しているとの報告です。

2011年〜2014年に1248人の不妊男性の調査結果で、ビタミンDが十分(>75nmol/L=
>30ng/ml)な男性は、ビタミンD欠乏(<25nmol/L=<10ng/ml)の男性に比べて運動精子数が66~110%と有意に増加していました。本論文は男性でもビタミンD欠乏は精液所見の低下をもたらすことを示しています。ビタミンDは精子の運動能力を高め、精子の細胞内へのカルシウム吸収を促すことで精子の受精能力の獲得に関与しています。男性もビタミンD濃度を測定し、不足していれば補充することで精液所見の改善が期待されます。

また、最近、血中ビタミンD濃度とがん罹患リスクについての報告が国立がん研究センターより発表されました。

論文3:Plasma 25-hydroxyvitamin D concentration and subsequent risk of total and site specific cancers in Japanese population: large case-cohort study within Japan Public Health Center-based Prospective Study cohort
Sanjeev Budhathoki et.al.,BMJ 2018; 360: k671 


本論文は、1990年に日本全国から5か所の保健所と1993年に6か所の保健所において、調査を行い、健診などで血液を提供された40~69歳の男女33736人を、2009年まで追跡した結果に基づいて、血中ビタミンD濃度とがん罹患リスクとの関連を調べた結果で、日本国内での多目的コホート研究となっています。研究開始から2009年までに、3,734人のがん罹患が確認されました。これに対し、同じ33736人の中から、4,456人を無作為に選んで対照グループに設定しました。

血中ビタミンD濃度を4群にわけ、血中ビタミンD濃度が最も低いグループを基準としたところ、血中ビタミンD濃度が2番目に低いグループから何らかのがんに罹患するリスクが統計学的有意に低下し、血中ビタミンD濃度が2番目に高いグループで最もがんに罹患するリスクが低下していました。また、血中ビタミンD濃度が最も低いグループを基準に、最も高いグループのがん罹患リスクを部位別にみたところ、肝がんの罹患リスクが統計学的有意に低下していました。また、最もビタミンD濃度が低いグループと比べ、他のグループは、ほぼ全ての部位においてがん罹患リスクが上昇する傾向は見られませんでした。今回の前向き研究から、血中ビタミンD濃度が上昇すると、全体のがんに罹患するリスクが低下することが示唆されました。

ビタミンDは脂溶性のビタミンの一つで、植物由来のビタミンD2と動物由来のビタミンD3がありますが、ヒトではビタミンD3が、活性型ビタミンDとして働いています。主な役割は腸からのカルシウムの吸収を促進し、吸収されたカルシウムを骨へ沈着させ、骨の成長や健康に深く関与しています。また、血中のカルシウム濃度を調節する働きもあり、骨への影響の他に、免疫やがん予防、生殖への影響といった多彩な働きをすることがわかってきました。
ビタミンDは、紫外線を浴びることにより体内で合成されます。週に2回、5~30分は日光を浴びることが推奨されています。また、食品では、魚類(かつお・まぐろ・あんこう、鮭)、キノコ(きくらげ・しいたけ)などに豊富です。
アメリカ内分泌学会では、妊娠中のビタミンD摂取は、37.5μg〜50μg(1500〜2000IU)を推奨しています。一方、2009年の国民健康・栄養調査では、日本人女性の1日平均摂取量は、わずかに7.0μgと報告されています。
妊娠率アップ、ご家族の健康のため、ご夫婦でビタミンD摂取をこころがけることも大切です。適正量がありますので、当院では採血でのビタミンD測定検査をお勧めしております。不足や不十分な方には、ビタミンDサプリメントも処方しております。
注意)持続的な過剰摂取は、体調不良(悪心嘔吐、食欲不振)、内蔵へのカルシウム沈着・石灰化の原因となることがあります。

京野アートクリニック 仙台医師部  戸屋 真由美
 


論文タイトル「The role of the endometrial receptivity array(ERA) in patients who have failed euploid transfers(正常胚移植にて妊娠不成功であった患者における、子宮内膜受着床能検査(ERA)の有効性について)」

論文名「Journal of Assisted Reproduction and Genetics, Jan 2018 」

著者名:J Tan, A Kan, J Hitkari, B Taylor, N Tallon, G Warraich, A Yuzpe, G Nakhuda
 
今回も京野アートクリニック高輪から、ERA関連の論文をご紹介します。

体外受精以上の治療において、無事に受精卵が着床し、胎嚢が確認され、
出産に至るために重要なことは、

・良好な質の受精卵(胚)
・良好な着床環境

が必要と考えられています。

受精卵側の染色体異常の有無を調べるための着床前スクリーニング検査は、世界では主流ではあるものの、日本では倫理的な観点から現在未だ臨床研究段階です。

そのため、正常な受精卵を戻しているにも関わらず、妊娠が成立しない方にとっては、
着床環境へのアプローチが非常に重要な意味を持ちます。

当院では、ERA(子宮内膜受容能力検査)や子宮内フローラ、子宮内膜炎の検査などを包括的に行っていますが、今回はERAに関する最新情報をご紹介します。

この研究では2014年から2017年にかけて、過去に正常な胚を移植しても妊娠しなかった方88症例にERAを施行しました。
その結果、過去に1回以上正常な胚を移植しても妊娠しなかった方のうち、22.5%が
「着床時期がずれている(Non-Receptive)」という検査結果となりました。

その上で、
①従来通りに凍結融解胚移植したグループ
過去1回以上正常胚でうまくいかない
→ERAを実施して、着床時期のずれがない
→通常通りの凍結融解胚移植を実施

②ERA結果に合わせて個別化した凍結融解胚移植したグループ
過去1回以上正常胚でうまくいかない
→ERAを実施し、着床時期のずれがあると診断
→個別に最適な時期に合わせた凍結融解胚移植を実施


結果
②の個別化した凍結融解胚移植グループの方が妊娠率・継続妊娠率が高い結果がでました。
(②個別化した移植vs①通常の移植)

着床率:76.5%vs53.8%
妊娠率:64.7 vs 42.3%

また、このグループには、過去1回のみ着床しなかったという方と、反復して着床していない方が混在しており、一般的には、後者のほうが不成功となる確率が高いことから、
反復して着床していないグループだけでの①②の比較も行われました。

これによると、

着床率: 66.7% vs 44.4%
妊娠継続率:58.3% vs 33.3%


という結果が得られたとのことです。
しかしながら、統計的な有意差は認められなかったと解説しています。

これは症例数が少ない点や、後方視的研究(治療を実行して、その結果を後から解析するタイプの研究)であったこと、対象となった患者年齢が若年であったこと、フォローアップした期間が短いなどが関係しています。

現在、ERAの実施施設は世界的にも増加しているため、今後より症例数を増やした大規模な研究、特に前方視的研究が求められることと思います。

この論文は、ERAと着床前スクリーニングを組み合わせた初めての研究報告です。
妊娠の成立は何か単一の要素で成り立っているのではなく、
良好な胚と良好な着床環境が重要と考えられていることから、
まず、正常な受精卵を選別することが重要であり、その上で移植時期の補正を行うことにメリットがあると著者らは強調しています。

また、正常かつ良好な胚でもうまくいかず、着床環境にずれがないという場合には、
それ以外にどのような問題があるのか、そうしたアプローチも今後必要になると
著者らは述べています。

今回の論文からも分かるように、やはり正常な胚を戻しても妊娠が成立しない場合、
着床時期がずれている患者さんが相当数存在し、改善の余地がある点に加え、正常胚の確率が高いと想定される若年の患者さんでなかなか着床に成功しない場合、ERAや子宮内膜フローラ検査を受けるメリットは十分にあると考えられます。

 
高輪副院長 橋本朋子

Hashimoto T et al. Efficacy of the endometrial receptive array for repeated implantation failure in Japan: A retrospective, two-centers study.(Reprod Med Biol 2017;16:290-296)

Moreno I et al. Evidence that the endometrial microbiota has an effect on implantation success or failure. (Am J Obst Gnnecol. 2016;215:684-702)


新年明けましておめでとうございます。医療法人社団レディースクリニックの京野アートクリニック高輪から論文を紹介します。今、話題沸騰の着床とERA(子宮内膜受容能力検査)・子宮内環境に関する内容です。

Hashimoto et al.では凍結融解胚盤胞移植3回以上妊娠しなかった患者50名の内、12名(24%)が子宮内膜のタイミングがあっていなかった(non-receptive)。
通常、ホルモン補充周期で黄体ホルモン(P)を投与して、5日目に移植します。12名の方の内、1名がホルモン剤の使用が不適切で、結果は増殖期であった。
それ以外は8名が12-24時間遅く、3名が12-24時間早く移植するよう指示がでた。
Non-receptive の10名に、その人にあったタイミングで移植したところ、5名が妊娠した。その内、2名が流産した。2名の内1名が絨毛検査で染色体検査をしたところ、
染色体異常を認めた。妊娠は受精卵側の要因が70%、子宮内膜側の要因が30%と言われます。したがって正常な胚を移植した場合に、このERAはさらに効果を発揮できると考えられます。他の論文をあわせて総合的にみると、3回良好胚盤胞を移植しても、着床しない場合、30%はタイミングがあっていないと判断しても良いと思います。
その個人にあった適切なタイミングで移植することにより、妊娠率が向上します。
費用:15万円+税

 

Moreno et al.の論文は子宮内フローラに関してです。

ラクトバチルスが90%以上占めていると、妊娠率が高いという論文です。当院でも検査可能です。

費用:30,000円+税

 

当院ではなかなか良好胚盤胞を移植しても妊娠しない場合、1)ERA 2)子宮内フローラ 3)ビタミンD 4)亜鉛  5)慢性子宮内膜炎(CD138) 6)子宮鏡をおすすめしています。

 

(京野アートクリニック 理事長 京野廣一)