浦臼山~樺戸山 | 独り言ちの山暦

独り言ちの山暦

「風の又三郎、又三郎、早く此さ飛んで来!」「この頂で赤道から北極までの大循環の自慢話を聴かせてくれ。」

 

       2022。5.29。

       昨日は久しぶりの雨の一日だった。

       農作物にとっては慈雨であったろう。半面、この日が晴れるか気が揉める

       朝は曇りであったが雨の予報はなかった。

        旭川を5時30分前に出て登山口には7時過ぎには着いた。

        ここは浦臼山への登山口である。

         行程計画は浦臼山から稜線を辿り樺戸山までである。

         KAKU先輩Gの山行に同行させていただいた。今日は5人の

         パーティで ある。

          準備を済ませ7時20分スタート。このころには日が差してきた。

        先行者は2組である。

        ゆっくりと登り始める。山菜も一応の目的であるから登山道の両脇

        に目を配りながらである。

         だが、山菜ではなく花々にKAKU先輩、MUROYさんは目が届く。

         花に出会うたびに立ち止まり「○〇花だね」と鑑賞。

        「???」なのは私。

        無粋だから花を愛でる文化とはそれなりの距離のある営みの中で過

        ごしてきた。

                   ミドリニリンソウだとか。

           10の花の内、分かるのは1割との低打率の有様だ。

          山歩きのスタイルが無骨であったのは仕方のないことかもしれないが

          そんな言い訳が空しく思えるのも確かだ。もっと緩やかに華やかに山

          と接しても良かったかもしれない。

           眼下に水が張られた水田が広がった。

           瑞穂の国。こんな風景が我々に時代に失われて仕舞わないことを

           思わずに祈る。

           三等三角点「点名 五ッ森山」。ここが地形図上の「浦臼山」だ。

        だが三角点から少し歩くと立派な山頂看板。

        三角点ではなく「浦臼山」頂上である。

 

         ここから稜線を伝い樺戸山を目指す。

          左手側に水田地帯を眺めながら気持ちの良い歩きだ。

         ピークを3つ越え4つ目のピークが樺戸山である。

         まず最初のピークco782を通過。登山道の両脇にはシラネアオイなど

         が咲き誇り気持ちを和まさせてくれる。

            思い返せばこの稜線を辿り隈根尻山まで歩いたのはもう

            10数年前のことである。

            2度目の今回は記憶も殆ど残っていない。新鮮さのみだ。

         一つめのピークco782から二つ目のピークco844までがきつ

         かった。

           1000m超えない稜線歩きだから「ルンルン気分で」と思ってい

           たのに、と強者のNAKAMさんも呟いた。

          登山道は明瞭でとても歩きやすい。

          シラネアオイの変種「白」。

           2つ目のピークco844を通過。

          目指す樺戸山が正面に。左は隈根尻山。

 

           MUROYさんが心から綺麗だ、と呟いた。

           今日の山がとても素晴らしいものになった、とも呟いた。

           「山桜」が満開。

           今年2回目の花見が我々へのもてなしである。

         3つ目のピークco861手前から。

          co861から樺戸山まで間には少しばかりの藪こぎがあった。

          だがそれは許容範囲のものだ。登山道をロストするほどで

          はない。

           目的地は近い。

          緩やかな登りの先が頂上である。

          眼下には美唄方面の水田地帯が広がる。

 

           目的の頂上「樺戸山」。

           登山道は隈根尻山へと続くが今回はここを頂点とした。

           隈根尻山の彼方にはピンネシリ、待根山が控えている。

           頂上で寛ぐことも無く下山を開始した。

           空模様が怪しくなったこともその一つの理由である。

           下山では復習するように花を観察した。

                            MUROYさんにその都度、名を聞くが覚えられない。

            カタカナの4つ以上はとても苦手だ、再確認する。

           名が分からなくても「綺麗なものは」は心に映える。

            なんとなく「ラクヨウバナ」だったかな?

            多分、違うだろうけどそんなように聞いたような?

            もう止そう。

            覚えられないものに執着するのは。

           よく見る花だから「〇〇〇」だと思う、けど。

            これは間違いなく演歌歌手「川中みゆき」の歌だろう。

           これほどに野に咲く「花」を観察したのは初めてである。

           そしてその名を耳にしたのも新鮮な驚きであった。

           「花」に出会いたいために「山」に登る。そんな素敵な登山もある

           ことをとても尊いものだと感服した。

           幼きころに形成された性格は変わり様ないだろうけど、心の襞の

           多様性は未だ豊かにできるかも知れない。「花」出会う「山」を目指

           せば。

           そんなことを信じられる人生ならまだ生きられる、と明日への勇気

           をもらう希望の一日となった。ご一緒いただいた皆様に感謝。

        総行程距離13.6Km。

        所要時間5時間23分。