2009.02.13(金)| 仲山今日子アナのblog一覧≫

この仕事をしていると、「ものづくり」にたずさわる方にお会いすることも多いもの。
そんな出会いから、「それがどうやってできていて、どんな風にすごいか」に、興味を持つこともたびたび。
特に、「食べる」ことが大好きな私。こと食べ物になると、とことん知らなくては気がすみません。
例えば、以前いた山梨の局は、ぶどうの産地。また、国内有数のワインの産地でもあります。


 

生産者の方々は、自分たちで、育て方から工夫して作ったぶどうをいかにおいしいワインにするかに、すべてをかけて打ち込んでいます。そんな姿を幾度となく取材するうちに、何も知らないで取材するのが申し訳なくなりました。「どう、おいしいでしょう?」と、手塩にかけたワインを飲ませてくれるのに、おいしいことがわかっても、どんな風に表現すればいいのか分からない自分が不甲斐なくて。それがきっかけになり、ぶどうの品種から醸造法まで、すべて知ろうと、ワインエキスパート(≒ソムリエ)の資格を取ったほど。


こちらが、ワインエキスパートバッジ☆

結構分厚い…あんなに勉強したのは何年ぶりだろう・・・(^^;)

こんな感じのことを勉強します

ワインの歴史からタイプの見分け方、料理との相性なども分かるようになり、食事がより一層楽しくなりました♪


「食べる」ことは、お腹が満たされ、栄養が摂れる以上に、「見る」「香りをかぐ」「食感を楽しむ」など、たくさんの要素が含まれている、とても大切なもの。

だから、もっと知りたい!

もうすぐバレンタインデーということで、この時期、デパートの特設会場でも、たくさんのチョコが売られているのを見かけます。

この時期に合わせて毎年行われている、年に一度のチョコレートの祭典、サロン・デュ・ショコラも、普段日本では手に入らない、珍しいチョコレートが売られているということで、行ってきました!


 

食べないからと言って困ることはないのだけど、食べると、ちょっと幸せ。
そんな、嗜好品であるチョコレートは、味と同時に、見た目も重要。
会場には、チョコレートで作られた、様々なオブジェも展示されています。



これが全部チョコでできてるなんて・・・!

 

美しくディスプレイされたチョコレート「作品」を見て、ショコラティエ(チョコレートを作る人)は、アーティストでもあるんだなと実感しました。

そして、大切な味の部分。会場には、チョコレートをカカオ豆の産地別にテイスティングできるコーナーがありました。

産地によって、ちょっとスモーキーでウィスキーのような木の香りがするもの、逆に柑橘類のようにやや酸味があり、すっきりした香りのもの・・・普段、「チョコレート」とひとくくりにしているものに、こんなに多様な世界が広がっていたなんて、と驚きました。

それと同時に感じたのは、ワインのぶどうも、チョコレートのカカオ豆も、食べ物は「土」で育まれるということ。土に根をおろし、その土地の養分を存分に吸い上げる。

今回は、日本初上陸という、ボリビアのカカオ豆100%の、ボリビア産のチョコレートも出品されていて、ボリビアの大地の味はどんなだろう?と、まだ見たことのない景色を思い浮かべながら試食させてもらいました。上品で深みのある、個性的な香りでした。

食べ物は、土から生まれる。それを食べる人間も、同じように「土」に育まれているのだな、ということに気づかされました。

そして、人の味覚は、産まれてきてから、これまで食べてきたものの積み重ねで作られます。海外のショコラティエの「作品」は、異なった土地に生まれ育ち、異なった食のバックグラウンドで育ってきた人の味覚で作られたもの。日本人が手直ししていない、その味をそのまま食べることは、一種の味覚の異文化交流。旅に出るような楽しみがあります。



こちらはベルギーのドゥヴァイヨル氏

 

さて、どれを買おう??

迷いに迷った末、いろいろな作り手の「スペシャリテ」(代表作)が詰まったボックスを買ってきて、「利き酒」ならぬ、「利きチョコ」をすることに。


 

 

チョコに、バルサミコ酢と苺??ひまわりの種のプラリネ??想像もしていなかった組み合わせで、「こんな味を食べるの、初めて、だけどおいしい☆」と、驚きの連続でした。

たった一粒の、小さなチョコレート。でも、作る人の「食べる人に、わくわくしてもらいたい、新鮮な驚きを与えたい、幸せな気持ちになってもらいたい」など、たくさんの思いがぎゅっと詰まっていることを、実感した瞬間でもありました。

アナウンサーの仕事も、番組という「ものを作る」仕事。
遊び心もたっぷりなチョコから、「ものを作るって楽しいよね」そんなメッセージを受け取った気がしました。



ジャン・ポール・エヴァン氏と