こんばんは。
森澤 恭子です。
2022年12月より品川区長です。
昨日、品川区のジェンダー平等推進フォーラムを開催。お茶の水女子大学の理事・副学長の石井クンツ昌子先生から「ジェンダー・イノベーション」について、元プロ女子サッカー選手でLGBTQ当事者の下山田志帆さんから「WAGAMAMAな生き方が未来をつくる」をテーマにご講演いただき、その後ディスカッションしました。
その中で、改めて私の中で気づきがあり、ぜひ若い人たちにおすすめしたいという気持ちで書きたいと思います。
それは、ぜひ一度海外に出てみて欲しい、ということです。
下山田さんから、一人の「我が儘」が、誰かのためや、未来のためになる、といったことや、性別だけでなく様々な「普通はこうあるべき」にとらわれないこと、などのお話があったのですが、誰もが自分らしく生きていく社会をつくっていくには、「おかしくない?」と思う一人の気づきが制度や仕組みを変えることにつながっていくというのは私も感じていたところです。
都議時代にSNSを通して、「こんな小さな困りごとを相談していいのか…」と恐縮しながらご相談いただくことがありました。そういった時に感じ、時にお伝えしたことは、意外と他の人も同じことで困っているかもしれない、誰かが声をあげなくては悪意なく見過ごされてしまうから、声をあげてくれてありがとう、ということです。まさに、昨日の下山田さんの一人の「我が儘」が誰かのためや未来のためになる、というのと同じです。
そういった中で、「こうあるべき」という同調圧力が強い日本では、仕方ないとあきらめてしまったり、下山田さんからも指摘がありましたが、日本では「我が儘」がネガティブにとらえられてしまうということでした。下山田さんかプレーしていたドイツのチームでは、「こんなに言っていいの?」というほど、選手が監督に対し自由に意見をしていたそうです。
「普通はこうあるべき」にとらわれずに、自分らしく生きるためにはどうしたら良いか。ひとつは、海外に出てみることだと思いました。
下山田さんもドイツの経験が大きかったとおっしゃっていましたが、私も、高校時代のアメリカ留学、そして、子育て中のシンガポール滞在の経験はやはり重要だったなと改めて実感しました。
日本の子育てをつらくしているのは、「子育てはこうあるべき」「母親とはこうあるべき」という「べき論」、世間の目ではないかと思っているのですが、シンガポールではその「べき論」から解放されてとても楽だったのを覚えています。そもそも毎日外食があたり前だったり、遅くまでベビーシッターに預けて働いていたり(もちろんそれを全て肯定するわけではありません)。また、アメリカのホームスティ先は私と同じ年の娘がいるシングルマザーだったのですが、金曜や土曜の夜には、よく着飾ってダンスパーティーに出かけていました。「母親」が自分の人生を楽しむという姿は、今考えてもとても新鮮です。
本当は「こうあるべき」というのはなくて、ひとりひとりが自分の望むような生活、人生を送って良い。日本で「あたり前」と思うことは、意外と「あたり前」ではない。そういうことには、同調圧力から解放された、海外に出てみると気づけるのではないかと思うのです。もちろん日本の良いところにもたくさん気づけると思います。
日本人のパスポート所有率は17%と大変低いですが、ぜひ若い人たちには、海外に出てみるという経験をおすすめしたい!そう声を大にしていいたいです。
下山田志帆さんと
性別や障がいの有無、
家庭の状況などにより
選択を阻まれることなく
自分の望むように生き、
幸せを感じられる日本へ
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*公式ホームページ*
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品川区長 森澤 恭子
(2022年12月4日~)