【フランスドラマ】H.I.P シーズン3第1話(邦題:IQ160清掃員モルガンは捜査コンサルタント)



おすすめ度 ★★★★★


フランスドラマの中で一番好きな、H.I.Pのシーズン3が来たゲラゲラ 

※邦題がダサいので、当ブログでは頑なに英題のH.I.Pで書きます(原題のフランス語ではHPIなんだけど、AXNミステリーの公式サイトに合わせて英題で書く)。

楽しみすぎて数日前からソワソワしてたよ。


 概要

三児のシングルマザーであるモルガンは、驚異的な記憶力や高い知的スキル(High Intellectual Potential)を持つが、人に合わせることが苦手で周囲と衝突ばかりしてしまう。どの仕事も長続きせず、仕方なく清掃員をしていたが、あるきっかけから、警察の捜査コンサルタントを務めることになる。


 S3-1話あらすじ(ネタバレあり)


モルガンは警察の仕事をやめ、再び清掃員(個人宅のハウスキーパー)になっていた。相変わらず子供たちを呼んで雇い主の家のプールに入れるなどやりたい放題。

ある日雇い主のエミリー・フォンティーヌに、棚の本を勝手に入れ替えたりソファのクッションを散らかしたり、敷物を移動したりしていると責められる。もちろんモルガンはそんなことはしていないと言い返し、エミリーと激しい口論になったため、そのままハウスキーパーの仕事を辞めてしまう。


モルガン家は財政難で、電気もガスも止められている。新しい仕事を探すがもちろんすぐには見つからない。


最近街では頻繁に殺人事件が起きているが、モルガンがいなくなったこともあり警察の検挙率が下がっていた。署にはモルガンの代わりに新しい巡査部長が赴任してきていたが、血を見ては失神し、これと言った意見も言えないパッとしない男性。署の皆はモルガンに何度も復帰して欲しいと伝言を残すが、彼女は応答しない。


お金に困ったモルガンは、フォンティーヌ家に戻り、エミリーの留守の間に部屋の物が移動している謎の真相を調べると持ちかける。

調査の結果、部屋の物が移動しているのは庭師の仕業だった。家の前に気味の悪い人形を置いたのは近所の犬、本を入れ替えたのはアルコールと抗うつ剤を一緒に飲んだエミリー本人、アルバムの写真にいたずら書きをしたのはモルガンの一番下の子の仕業。


エミリーは納得し、モルガンに金を払う。が、モルガンが家の外に出ると不審な人物が盗撮していた。モルガンが追いかけると犯人はモーテル(?)の一室に入った。犯人をおびき出して部屋に忍び込むと、数ヶ月間に渡るその家の盗撮写真が貼られていた。犯人が戻ってきて捕まりそうになるも、何とか逃げ出しエミリーの元へ行くが、夫のマキシムが出てきて追い払われてしまう。エミリー本人の携帯に電話するが繋がらない。


夫を尾行すると前妻のアンドレア・フォンティーヌの墓参りをしていた。アンドレアは2019年に自殺している。

モルガンはマキシムが前妻を殺し、またエミリーも殺そうとしていると推理する。アンドレアが亡くなった日、マキシムはケープタウンに出張していたというアリバイがあるが、モルガンは新聞に載っていた彼の写真からそれを崩してみせる。


モルガンはボイスチェンジャーを使い、捜査員のジルの携帯にマキシムを調べるよう何度も電話をするが、いたずらだと思われて切られてしまう。

モルガンはとうとうフォンティーヌ家の庭に忍び込む。薔薇が植え替えられていることに気づいて掘り返すと、果たしてそこにはエミリーの遺体が埋まっていた。隣人が侵入に気づいて通報し、モルガンは逮捕されてしまう。


 感想


シーズン1〜2の情報をお探しの方にはシーズン3からの感想ですみませんが、超おすすめなので是非S1から見てください。1シーズン8話で見やすいし。

近年、フランスドラマと言えばアストリッドとラファエルが日本でも大ヒットしてるけど、自分はこのH.I.P(HPI)の方がより好き。A&Rよりコミカルで、爆笑するシーンが多くて本当に面白い。


H.I.P(HPI)は、オスマン帝国外伝ロスが抜けない頃に見始めたので、アラブ系(なのかな?)の、いかめしい顔立ちのカラデックを見ると、最初はオスマン帝国を思い出して仕方なかったw リュステム・パシャの兄弟かと思ったもんw 最初はカラデックも本当にキツい印象で、リュステムみたいに「〜せよ!」 と怒鳴ってもおかしくないくらいとげとげしかったので、いつ誰かを処〇するのかとドキドキしてた驚き


しかし、回を重ねる毎に、重々しく堅苦しい雰囲気のカラデック(しかも潔癖症!)が自由奔放なモルガンに振り回され、気がついたら彼女に恋心を抱くようになってしまい、少年のようにドキドキしたり悶々としたりして、真面目くさった表情を崩され可愛らしくなっていくのが本当に面白かった。


シーズン2の最後で傷ついたモルガンを優しい眼差しで見つめ、慰めるシーンがあるんだけど、それまでずっと厳しい顔をしていたカラデックが、その時だけは本当に優しい柔らかい表情をしていて、キュンッとしたよね。あのシーンは名シーンだと思う。


シーズン2はモルガンがホームレスになってしまって、アメドラだったらすぐに新しい彼氏ができて家に転がり込むところ(偏見)、いつまでもいつまでも新しい家が決まらなくて、いつも強気なモルガンも流石に疲れた様子で、ハラハラしながら見てた。コメディドラマなんだけど、現代のフランスのシングルマザーの苦しさもちゃんと書いてるのがとても良い。


あと、シーズン通して、社会で上手く生きていけないことの苦しさが描かれている。モルガンの突飛な行動は、別に人を傷つけたくてやっているわけでなく、自分が苦しくならない道を進もうとするとなぜか周囲とぶつかってしまい、否定されたり怒られたりするだけで。それでもプライドを持って安易に人に迎合したりせず、我が道を進もうとするモルガンはカッコイイし、そんなめちゃくちゃな母に振り回されても逞しく生きてる子供たちもカッコイイ。


フランスは個人主義、自由主義の国だというイメージがあるが、それでも社会に溶け込めない、人と合わせられないことをこんなに責められるんだから、日本に住んでいるモルガンみたいなタイプの人はどんなに辛いんだろうか。

日本は…ヤバいよね。

社会に溶け込む、人に合わせるっていうのも、皆が正しいことに合わせるんじゃなくて、その場所で権力を持っている人の意向に暗黙の了解として合わせられなきゃいけないってのがさ。


最近話題になっている某事件も、みんなそれが犯罪行為だと知っていたはずなのに、声を上げた人が大多数じゃないし権力も持っていないからみんなが無視していた、っていうのがめっちゃ闇だよね…。


とか、コメディドラマなんだけど色々考えさせられる点もあって、ほんと無茶苦茶好きなドラマですわ。


てか、S3-1話、フォンティーヌ家を盗撮していた人物は誰なの? 夫ではないはずなのに。

そしてS2ではモルガンずっとホームレスだったから、S3ではラストまでずっと収監されっぱなしということもありうるよねガーン

アメドラでも華流でもなく仏ドラマだし。

大陸のドラマは派手で展開が早い(でも人を〇す時は躊躇いもなく〇すのでダメージも大きい)ので、主人公が窮地に陥っても2、3話我慢すれば大丈夫、だけど、今回は通じないんだぜ!(8話しかないドラマで3話って大半だしな)

心して見よう👀


N〇Kで放送すれば日本でもヒット間違いなし(だけど放送しないだろーな〜)。