妄想日和

妄想日和

これはフィクションです。

時が止まったような気がした。 あの瞬間・・・ 

 

あの日はいい天気で、少し寒いけれど公園での撮影にピッタリの日だった。

『カメラ好きの集い』のメンバーであるところの僕は気になっていることがあった。 

最近ショートヘアになったあの子のことだ。なんだか浮かない表情をしている。

 

5人のグループで広い公園をまわっているけれど、なかなかいい写真が撮れない。

今回は収穫はなしかと帰ろうかと思った時、あの子が夢中に写真を撮っているのが見えた。 

彼女の周りの景色があまりにも綺麗だったので、ついシャッターを切った。

風景を撮っていたつもりが、いつの間にか焦点は彼女になっていた。

 

撮られていることに気付いた彼女は驚いて一瞬こっちを向いた。その時、

「笑え!」 

ファインダー越しに、心の中で強くそう思った。 

満開の桜の木の下で、僕は君に恋をしたんだ。