●秋桜
1977年リリースの「秋桜」は19枚目のシングル。作詞・作曲を務めたのはさだまさしさんで、結婚を目前に控えた娘が母を思う心情を描いたバラードです。情景が思い浮かぶような写実的な歌詞と、山口さんのファルセットを生かした高音のメロディーラインが絶妙に組み合わさり、山口さんの魅力を存分に堪能できる1曲となっています。2006年には、文化庁と日本PTA全国協議会が親子で歌い継いでほしい曲を選出した「日本の歌百選」に、「いい日 旅立ち」と共に選ばれました。
●さよならの向う側
「さよならの向う側」は、1980年にリリースされた31枚目のシングル。山口さんが引退する直前に発表され、ファンへの感謝の気持ちを歌に詰め込んだ曲です。日本武道館で行われた引退コンサートでは、ラストソングとして涙を流しながらこの曲を歌い上げ、マイクを置いてステージを後にしました。この演出は多くの人々の記憶に残り、今なお語り草となっています。
●いい日 旅立ち
1978年に発売された24枚目のシングル「いい日 旅立ち」。作詞・作曲を谷村新司さんが担当しており、もの寂しさの中に芯の強さを感じる静かなメロディーと歌詞が、スッと心に染み入ります。德永英明さんや桑田佳祐さん、坂本冬美さんなど著名なアーティストによってカバーされたほか、鬼束ちひろさんが歌詞を変更した「いい日旅立ち・西へ」も発表されました。音楽の教科書に掲載されたこともある名曲です。